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今回の「オバマ訪中」で、中国が引き出したものを何か?以下、引用記事・・・・・・・・・
そんな中、訪中したオバマ大統領に対して、中国はアメとムチをそれぞれ用意した。まずアメとは、上海ディズニーランドの許諾だ。米企業としては史上最大の35億ドルを初期投資して、上海万博後のオープンを目指す。今回オバマ大統領が超多忙のスケジュールの中、わざわざ上海まで足を伸ばしたのも、この一件が大きい。「中国のディズニー」を、アメリカの金融危機の救世主にしようというわけだ。他にも、アメリカの航空技術投資を決めている。
逆にムチとは、オバマ大統領訪中直前に、温家宝首相をアフリカに派遣したことだ。11月8日、温首相はカイロにアフリカ49ヵ国の代表を集め、対中債務の免除と、新たな100億ドルの借款を約束し、アメリカの度肝を抜いた。「遠交近攻」(遠くの国と組んで近くの国を攻める)とは、古代からの中国外交の常套手段だ。中国は、アフリカを取り込んで、国連を始め多国間外交においてアメリカを包囲しようという長期戦略を抱いているわけだ。
いずれにしても、世界を遍く巻き込む米中外交が、ますます「日本抜きで」進んでいくことだけは確かだ。。(執筆者:近藤大介 明治大学講師 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
・・・・・中国の抜群の冴えである。どちらが、大きい利益を引き出したかは一目瞭然だ。要するに、中国の戦略は、アメリカ国債をちらかせつつ、アメリカに、中国の国際的台頭を、既成事実として認めさせることである。ダライ・ラマ会談を延期するなど、アメリカは、中国に頭を下げるしかない。
それでは、いったい、アメリカ訪中の目的は何か?アメリカは、どん底の不況にある。そんな中での、訪日、訪中は、何を意味するのか??
それは、恐らく、中国に、アメリカ国債の買い増し要求と、国債保有額を減少させないこと、つまり売らないでくれということ、その牽制にあると思われる。中国は、国際取引で、急速に、ドル離れを進めており、ドルを現物に買える動きを活発化させている。(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0318&f=column_0318_008.shtml)事実、ドル安と金急騰は、日増しに拡大している。こういうことから、一見、親密に見える米中関係は、裏では、冷酷なまでの、駆け引きが行われていると、筆者は見ている。
二日間に渡り、時事の話題を特集してみた。国際関係も裏読みすると、様々な解釈が可能である。ここで披瀝したのは、筆者個人の見解である。それを信じるも、信じないもの、また違う意見を持つのも、読者の自由である。ここで主張したかったことは、日々、報道されているニュース、新聞記事などが、いかに、浅く、狭い視野にしか立っていないということだ。事実は、読者の手元に届くまで、どの様にも、歪められている。情報の入手方法も、自分自身で、いくつか確保しておき、リスクを分散・管理しておくことが、重要だ。