「自民党」とは、なんだった? (1)
自民党は、利権政党である・・・
ただ、この一言に尽きるといってもいい。自民党は55年間、良くも悪くも、そのスタイルを貫いた。
だが、それが崩れたのが、小泉政権のときである。いまだに、多くの国民の支持を得る小泉。筆者にしてみれば、おそらく、自民党以来、最低クラスのリーダーである。もちろん、内閣総理大臣としての能力なら、森善郎に劣るくらいの・・・自民党で、最強最悪は、田中か?それとも、冷酷マシーン竹下か?・・・機会があれば、特集したい。
なぜ、小泉がいまだに高い人気を得るのかというと、彼のメディア戦法が卓越して上手かったことによる。もちろん、小泉の裏には、有能な参謀がいるにちがいない。彼のテレビ映りがよく、いつも、一言二言で立ち去る、簡潔で、どこか力強い姿は、あたかも、小泉にカリスマ性があるかのように演出した。欧米では、メディアを駆使して、選挙で勝利させるコンサルタントがいる。「スピンドクター」という。小泉は、郵政選挙で、アメリカから習ったこの手法を駆使して、勝利したのである。「劇場型」というのは、「スピンドクター」の仕事で、よく言われる褒め言葉みたいなものだ。
ここまで、小泉に言及したのも、自民党を語る上で、非常に重要なポイントだからだ。いってみれば、小泉は、自民党政治の終焉だった。それまで、牙を隠していた自民党の、化けの皮を剥いだ男だった。確かに、小泉は、自民党を「ぶっ壊し」た。文字通り。この先、自民党が政権に就くことは、もはや、ないのでは?というぐらいまでに・・・。