優しさの実る種~コップ一杯の水から~
今回はまさかの童話です!
何か、文化祭の劇とかで使うらしくて、いくつか書いてみようとおもっていて、没になったのあげていきます!
読んでくれてありがとうございます!
面白いとおもってくれたらいいな
昔々、あるところに、仲のとても悪い兄弟がおりました。
名前を、ノアとオリバと言いました。
「ここにあるおにぎり食べたのオリバでしょ!返してよ!」
「取ってなんかないよ、!昨日お兄ちゃんが自分で食べてたじゃない!」
彼らは、とても貧乏な暮らしをしていて、毎日の食べ物にも困っているほどでした。
そのため、毎日ご飯のことで喧嘩をしていました。
オリバは、お兄ちゃんと仲良くしたいと思っていました。
し、優しく言おうと努力していますが、なかなか言えませんでした。
貧乏な暮らしからも逃れたいとおもっておりました。
ある日。
オリバが道端を歩いていると、倒れているおじいさんを見かけました。
オリバはすぐに駆け寄り、おじいさんに声を掛けます。
「おじいさん!どうしたんですか!大丈夫ですか!」
するとおじいさんはせき込みながら、
「こほっげほっ咳が止まらんので、水を一杯くれないじゃろうか」
と言いました。
オリバは、家にあった残り少ない水を、バケツに入れ持ってくると、おじいさんのために躊躇なく手渡しました。
水を飲んだおじいさんは咳が止まり、落ち着きました。そうすると、
「ありがとう、少年。君のおかげで助かったよ。お礼と言ってはなんだが、これを受け取ってくれ」
と、二つの豆を手渡されました。オリバは、
「何の種ですか?」
と尋ねましたが、おじいさんは教えてくれませんでした。
「食べるもよし、育てるもよし、誰かにあげるもよしじゃよ」
と言って、どこかに去っていきました。
オリバが家に帰ると、ノアがかんかんに怒って待っていました。
「どうして水を飲んだんだ!残り少なかったのに!どうするんだよ!」
オリバは、何とかして、倒れているおじいさんを助けた話、そしてお礼に豆をもらった話をしようとしましたが、ノアは聞く耳を持ってはくれませんでした。
「ごめんなさい。おじいさんから貰った豆、一個お兄ちゃんにあげるね」
それだけ伝えると、オリバは部屋を出ていきました。
豆をもらったノアは、なんだこんなの、しょうもない。と言って豆を食べてしまいました。
その豆は非常においしく、ノアはとても満足しました。
オリバは、豆をどうしようか、と考え、育てることにしました。
ノアはオリバのそんな姿を馬鹿にしていました。
「そんな誰から貰ったもんか知らないもの育てたりさ。
それおいしいから食べたほうが絶対よかっただろ、馬鹿だな、やっぱりオリバは」
そんなことを毎日のようにノアに言われ続けてきましたが、オリバはそれでも育てることをやめず、一生懸命毎日世話を続けました。
オリバは、あんなに律儀にお礼をするようなおじいさんが渡すものだから、変なもののわけがない、と確信していたのでした。
時がたち、その日は突然訪れました。
オリバがいつものように世話をしていると、急に苗木が輝きだしたのです。
オリバは呆然と立ち尽くしていましたが、我にかえり、もう一度木を見ると、なんとお金がなっているのでした。
おじいさんがくれた種は、金のなる木、の種だったのです!
ノアは急にたくさんのお金を持ち帰ってきたオリバを見て、大変驚きました。
「オリバ、どうしたんだよ、そのお金」
びっくりしてそう尋ねるとオリバは、
「おじいさんがくれた種を育てたらお金がなったんだよ!」
と答えました。そして、
「お兄ちゃんがこれから怒らないで一緒に仲良く暮らしてくれるなら、このお金、わけてあげてもいいよ」
というのです。
ノアは、自分の愚かさに気が付きました。
自分は一生懸命頑張っていたオリバをけなしたのです。
しかも、そんな自分にお金を分けて、一緒に暮らしたい、と言ってくれるような優しい弟に向かって。
ノアはそれから、おいおいと泣きました。
自分がひどいことを言ってしまったこと、これからも、暮らしたいと言ってくれたオリバへの感謝などを、泣きながら言い続けました。
また、オリバはそのすべてを許しました。
オリバは、一生懸命木を育て、人に優しくしたことにより、お兄ちゃんと仲良く暮らしたかった、という夢と、貧乏な暮らしから抜け出したい、という自分の願いを叶えることができたのでした。
おしまい
昔話らしく、教訓も加えていれてみました。
普通にいいお話ですね(自画自賛)
最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました!
もういっこもよんでね!