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更新制の命の話

作者: ひつまぶし

何かが書けたので誰かひとりでも読んでくれたらいいなと思って

小説を書くのは小学生の宿題ぶりです

むずかしいね

(通話)


「はい...はい 今回も1年更新でお願いします」


ーー1年ですね となると来年の10月末までですね 更新月の2ヶ月前までに確認手続きを取ってください


「はい」


ーーねえ〇〇さん、そろそろ更新年数増やしてみません?まず3年、それから5年、10年とかでも


「はあ...いやまだ長期的な計画はどうも...」


ーー長い目で考えてみてくださいね

その方が色んな意味で投資なんかもできますしね


「...はい...」


(通話終了)


投資なんて未来に希望を持って生きるつもりの人間がやるもんだ 何を言ってるんだか...


暗い目の若者が暗い街の片隅で心の中でつぶやいた



ーー20××年


過去に安楽死法が提案されては却下されをくり返して数十年、その代わりに命の更新ができるようになった。


長寿が良しとされてきた国で、逆に自分がいつまで生き永らえてしまうのかが不安になる人間が増えてきた。

努力の賜物の長きにわたる平和と、じわじわ国民に負担を強いる政策は明るい未来ではなく漠然とした不安を生んでいった。


病気や孤独、生きる意味や生きがいを失った人、そもそも生きがいなど持ってなかった人など

これ以上生きたところで...と感じるのは何も高齢者だけではなく、若くして精神を病むものや自死を選ぶもの、自暴自棄になり犯罪に走るものと様々だ。


ただでさえ少子化なのに加えどんどん国民が元気を無くし減っていく。


その中で『生命更新制法案』が奇跡的に通った。

賛否両論はもちろんあったが政治家の汚職や芸能人のニュースに紛れるようにして大して話題にならずすんなりと通ったのだ。


当然その後は大騒ぎになったのだが、その法は今まさに自死を選ぶかの瀬戸際の人々、またはその家族にとって様々な意味で救世主となった。


更新期間は最低1年から10年


ーーあと1年だけ生きてみようか

ーーあと1年で開放されるかもしれない


そんな小さな希望をもたらした。



生命の更新制を開始するには主治医による診断書や、犯罪絡みなどでないかを調べるため本人の身辺調査、虚偽等がないか面談や意思確認など厳しい審査がいくつかある。


更新せず生きることをやめる際にもかなりの数の審査と、死ぬ前に犯罪を起こしたりしないよう警備がつく。


だが、逆に生きる決意が出来たらすぐ更新制はやめてもいい。


その時は何の調査もない。

その時は再び生命更新制を選択することはできなくなりはするが



そんな生命の更新制


残りの年月をどう生きるかはその人次第


更新せず死を選ぶのも自分次第なのだ

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