二ノ錠 懐かしき故郷はヒルフェ以外にもう一人
書きだめが機器の故障によりなくなりましたため、大変時間が空きました。
さて、プロットもくそもありませんが、つらつらと書いていきたいと思います
意識はあるのに身動き取れず、また何も喋れないがために何も表現できず何もう訴えられない苦痛とは、おそらくこの世で最も残酷で無慈悲な刑なのだろう。少なくともお喋りなわたしの性格を歪めるぐらいには。
「薨去の無理錠」に縛られてから、一体何年がたっただろうか。寝ることもできない、外の景色も見ることができない、闇の奥底で暮らす生活は馬鹿みたいに苦しい。発狂するにもし飽きたし、泣く涙も残っちゃいないーーもっとも、叫ぶことも泣くこともできないのだが。
疲れ果てた。その一言が、いまの私に一番合っている。
無駄な知識はあるから人格が壊れることもない、かといってわたしの知識ではこんな錠、解くこともできない。血もにじむ努力を重ねた天性の才を持つものが数十人集って命を投げ出し、完成させたという。言っておくが、わたしは何も悪行を重ねるに重ねたわけでもなく、魔女とは呼ばれていたが蝙蝠一匹殺せない小心者だ、当然、人様を殺したこともない。
続く(かも)