表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TRUE LOVE~救世の少女~  作者: 鳥原 麻生
4/8

第三章 『希望の蘇り』の魔女達


 その日、ゼルタクの屋敷の地下でレナの入団式が行われた。

 壁の中央には金の額に入ったメラティス八世の肖像画が掛けられている。

 ブロンドの巻き毛に海のような深いブルーの瞳。聡明さを物語る広い額に高い鼻。

そしてその下にあるタラコのような分厚い唇。

「あれだけがなー」

 レナが眉を寄せてつぶやく。

「あれだけが何なのかね」

 黒服をまとったマザルス・ロンが、半眼でレナを見る。

「いえ、なんでもありません」

 こわばった愛想笑いを浮かべるレナ。

 黒服を着た三十名ほどの団員達に向かって、マザルスがささやくような声で言っ

た。

「このように我々が集まり、儀式を行うことは非常に危険なことだ。外に漏れない

ように最小限の声でしゃべるから、君達は魔力を使って聞き取って欲しい」

 団員達は無言でうなずき、口の中で呪文を唱えながら神経を耳に集中させた。

 針が落ちても聞こえるほど静まり返る地下室。

 彼らの聴覚が何万倍も研ぎ澄まされたその時、マザルスの喉に痰がからまった。

「ゲホッゲホッ」

 咳払いの音が耳をつんざき、団員達は飛び上がった。

「ああ、すまん」

 マザルスは小声で謝ると、さらに蚊の鳴くような音量に落とし、話し始めた。

「我々の希望の星であるメラティス八世は……王位に就かれてわずか二カ月でゾウ

エル一世によりクラッタ王国を侵略された……そして今、洞窟の奥で眠っておられ

る……しかし、後一年余りで眠り薬の効力が切れ、陛下は命を失われる……我々に

は時間がわずかしか残されていないのだ……」

 最前列に立っているにもかかわらず、魔力を持っていないレナにはほとんど聞き

取れなかった。眉を寄せ、しきりに首をかしげている。マザルスは構わずに話し続

けた。

「しかし、ついに我々は……陛下を蘇らせる素晴らしい娘を天より与えられたのだ

……それがここにいるレナ・ドーズだ……私は確信している……彼女こそ」

 レナは自分の名前が呼ばれたような気がして、手を上げた。

「呼びました!?」

 団員達は全員飛び上がった。耳を押さえてうめいている者もいる。

「シッ。大きな声を出さないように。こっちに来なさい」

 マザルスに手招きされ、レナはうつむいたまま前に出た。

「諸君……この子が陛下を蘇らせる救世の天使だ」

「ウソだろ……」

 誰かがささやいた。皆、声を忍ばせて笑っている。レナは何を言われたのか聞こ

えなかったので、口をポカンと開けている。

「君達の気持ちは良く分かる……今はただのおバカな娘にしか見えないだろう……

しかし、これから魔女としてのトレーニングを積み、そのパワーと才能を開花させ

るであろうことは私が保証する……」

 マザルスはレナの両肩をつかむと、射るような眼差しで彼女を見つめた。

「いいか……私が保証してしまったんだから、いつまでもおっちょこちょいなアホ

娘でいてもらっちゃ困るんだよ……どうか私の顔に泥を塗ることなく頑張って欲し

い……」

 よく聞き取れなかったレナは耳に手を当てて言った。

「はあっ!?」

 全員飛び上がった。団員達は失笑を通り越して激怒した。

「何回同じ間違いをするんだ……」

「ホンマもんのアホやで……」

「こんなの救世の少女なわけない……」

 マザルスは焦って両手を上げ、

「待て待て……大器であるほどアホみたいな者が多いでねえか……この娘はそのう

ち大化けすっぞ……楽しみに待っててけろ……」

「マザルス代表も焼きが回ったんじゃないか……」

「もうトシだからな……」

 団員達の心が離れつつあることを感じ取ったマザルスは、眉を寄せてうつむいた。

もしかしたら彼らの指摘が正しいのかもしれない――という疑念が湧いてきたのだ。

 自分のせいで代表の立場が悪くなったことを察したレナは、持ち前の正義感が燃

え上がり、拳を突き上げた。

「みんな! マザルス代表の目に狂いはないわ! 私こそ人々を救う救世の美少女

なの!」

 地下室に響き渡るような声で宣言し、団員達は両耳を押さえて飛び上がった。

「美少女じゃない、お馬鹿少女だ!」

「おい、大きな声を出すな! 鼓膜が破れるだろっ」

「お前もやめろ!」

 地下室は騒然となった。

「静かに! 儀式をすっから静かに!」

 マザルスの声に、もう一度団員達に静寂が戻った。代表は声をひそめ、おごそか

に告げた。

「君達の考えは分かった……レナ・ドーズがただのアホな少女だったら、私は責任

を取り、代表を退く。それでええか」

 団員達は無言でうなずいた。

「レナ。皆の承認を得た……君は今日から秘密結社『希望の蘇り』の一員だ。陛下

の肖像に向かって合掌し、『必ず陛下をお救いします』と誓いの言葉を述べてくれ」

 レナは(唇がなー)と思いながら誓いの言葉を述べ、団員達に向かって一礼した。

「よろしくお願いします」

 団員達は両手の人差し指だけで拍手した。だから何も聞こえなかった。

 白けた空気が広がり、レナは居たたまれなくなってマザルスに聞いた。

「ねえー、みんな私のこと歓迎してくれてるの?」

 マザルスは引きつった笑みを浮かべてささやく。

「もちろんだ。今日はもういいから帰れ」

「記念品とか、ないの?」

「ないっ!」

 団員達は耳を押さえて飛び上がった。

「こんなひどい入団式は初めてだ……」

「今日はひどい目に遭った……」

 帰っていく団員達の中から二人の若い女性がレナに近づいてきた。

「初めまして。私達、マザルス代表に見出された娘達よ」

「えっ、そうすると陛下の蘇りを託された」

「そう。そして失敗したの」

「失敗したら普通消されるじゃない。でも、私達はこの組織に置いてもらえた。だ

から、あなたも心配しないで思い切りやって」

「はい。失敗を恐れず思い切りやります」

「失敗してもらっちゃ困るんだよ。今度こそ成功してもらわんとな」

 マザルスが渋い顔で言い渡す。

「そうよね。今度も見込み違いだったとしたら、これで三人目」

「代表が必死になるのも無理ないわ」

「君達の言う通りだ。レナ君、私のためにも頑張ってくれ」

「魔法修業は厳しいから、覚悟したほうがいいわよ」

「えっ、そんなに厳しいんですか?」

「オリンピック選手の強化合宿並みよ」

「えーっ、私そういうの苦手なんです」

「君達、レナ君を脅さないでくれ。根が怠け者だから、すぐにやる気をなくす」

「ごめんなさい。でも、レナさんにはしっかり心構えをして欲しいの」

「ご助言ありがとうございます。もし駄目だった時はすぐにやめますから、心配し

ないでください」

「そういういい加減な心構えが心配なんだよ!」

「代表。この方ユニークだわ。私、こういう肩から力が抜けている人のほうが成功

すると思うの」

「そうか。レナ君、この子達は君のために泊まり込みでこの屋敷にいてもらうから、

何か分からないことがあったら、何でも聞きなさい」

 二十代後半らしい顔の長い娘がニッコリして、手を差し出した。

「私、フィラ・ウーム」

「サマナ・エルよ」

 二十二、三歳ぐらいの丸顔の可愛い娘が握手を求めた。

「私、あなたと同じように十六から修業を始めたんだけど、結局、陛下を蘇らせる

ことはできなかった。とても残念に思っているの。あなたは絶対に成功してね」

「ありがとうございます。でも、私の辞書に『絶対』の文字は無いです」

 フィラとサマナは顔を見合わせて苦笑した。

 マザルスは渋い顔でかたわらに控えていたゼルタクに声を掛けた。

「今度こそ絶対に成功させるのだ。たとえレナがいい加減な気持ちでやったとして

も、君だけは『絶対にメダルを取らせる』という鬼コーチのような信念を持って指

導に当たって欲しい」

「分かりました」

 厳しい目を向けるゼルタクに、レナは口笛を吹きながら横を向いた。


 翌日、レナは学校の帰りにゼルタクの屋敷を訪れた。そして、真鍮のドアノッカ

ーを打つと、踵を返して走った。

「おい! 帰るなっ」

 一階の窓からゼルタクに呼び止められ、レナはうなだれて屋敷に入った。

「よろしくお願いしまーす……」

「入団式までやったのに覚悟が足りんな」

「ごめんなさい。だって、魔法修業なんて何をやるんです? フィラとサマナが厳

しいって言ってたけど」

「もちろん、常人を超越した力を開発するのだから、大変な修業だ。それはオリン

ピック選手のように腹筋三百回――と言った体力的なハードさではなく、精神面で

のハードさなのだ。それではその厳しい修業を始めるからトレーニングルームに来

給え」

 レナは脚をガクガクさせながらゼルタクに付いていった。

 一階の北端の部屋に入ると、香の匂いがした。

 ソファやテーブルもなく、壁も床も大理石のシンプルな空間だ。

「いい匂いがしますね」

「これはな、精神統一の行をする時に助けとなる白檀の香だ」

「精神統一……」

「そうだ。魔法は肉体を超越した念を使う。念を自由自在に操るには、まず雑念を

排除する精神的技術が必要とされるのだ」

「私、すごく気が散るタイプなんです。勉強していても、いろんな考えが湧いてき

て、別なことをしちゃう。爪を磨いたり鼻毛を抜いたり」

「それは実に損なことだ。どんなに強い念を持っていたとしても、それを使いこな

せなくなってしまう」

「ええ。だから私には無理だと思うんです。それじゃ」

 ゼルタクは踵を返したレナの襟をつかんだ。

「やらない前にあきらめるのは一番損な態度だ。いいか。魔法修業ができる者など、

この世にわずかしかおらんのだ。ほとんどの人間が結婚して子供を産み育て、老化

して死ぬだけの人生ではないか。魔法使いはそれ以上の超人しか持ち得ない能力を

発揮できるのだぞ。やりがいがあるとは思わないか」

「平凡な人生がつまらないと言うの?」

「ああ。どんなにカッコいいイケメンと熱烈な恋愛をしたとしても、結婚したらす

ぐに相手はどこにでもいるオヤジになる」

「……」

「凡百の送る人生などつまらんものだ。そんなものに憧れるな。失望するだけだか

らな」

「そうやって魔法修業に集中させるつもりなのね」

「その通りだ。厳しい修業をするうちに、普通に生きている者達へのジェラシーが

湧いてくる。しかしあらかじめ彼らの人生など採るに足らないと自覚することで、

そうした心の乱れから脱却できるのだ」

「……分かった。もう逃げない」

「よろしい。それでは床に座りなさい」

「床に? やだ、ちべたいじゃないの」

「精神を集中させていれば温冷の感覚など超越できるのだ」

「信じらんなーい! 帰る」

 踵を返したレナの襟をつかむゼルタク。

「逃げないんじゃなかったのか」

「逃げるなんて言ってないよ。帰るって言ったの」

「同じだろっ」

 レナは溜め息をつくと床に腰を下ろしたが、飛び上がった。

「ちべたっ! 氷みたい! ここ、わざと氷で冷やさなかった?」

 床を指差してわめいていると、窓が開いてマザルスが顔を出した。

「うるさいぞ! いちいち逆らわんとちゃんとやれっ」

「はい」

「お前が救世の少女ではなく、ただのアホ少女だったら、私は代表を辞めねばなら

んのだ。そこんとこよろしく」

「はい。すいません」

 窓が閉まると、レナはあきらめたように氷のような床に座った。

「つ……冷たい。ねえ、知らないの? 女の子はお尻を冷やしちゃいけないのよ」

「魔法修業に女も男もない。肉体を超越する修業なのだから」

「分かんない……肉体を超越って何?」

「これから肉体を超越した意識に目覚める修業をするのだ。それでは目を閉じ、ゆ

っくりと呼吸しなさい。いろいろな想いが湧いてくるだろうが、それにとらわれて

はいかん」

 レナはうなずくと、目を閉じた。

 目を閉じると、お尻から伝わってくる冷たさが倍に感じられた。即座に「冷たい」

という想いが浮かんだ。そして、立ち上がりたいという衝動に駆られた。

「いかんぞ。座り続けるのだ」

 レナの想いを見抜いたゼルタクが制する。逆らうことのできない威厳に満ちた声

だ。

 なんとか立ち上がりたい気持ちは抑えたが、「冷たい」を消すことはできなかっ

た。

(冷たい冷たい冷たい)

「アイスクリームになった心境か」

 レナは思わず噴き出す。

「修業中に笑ってはいかんぞ」

(自分が笑わしたんじゃない)

「いちいち返事をしてはいかん」

 レナはギョッとした。

(心を読んでいる)

 ゼルタクはニヤリとして、

「弟子の考えも把握できんで、指導などできない」

(やばっ。ヘタなことは考えられない)

「その通りだ。『ゼルタク先生、大好き』などと思ったら、すぐに分かるぞ」

(バッカみたい。若作りしている五十代のオッサンのくせに)

 ゼルタクはムッとして、

「余計なことを考えてはいかん!」

(図星だったから怒ってる)

「レナよ。いつになったら、その雑念を消すのだ」

「……」

「眉間に意識を集中し、何か考えが浮かんだ時は、それを客観的に見るのだ。分か

るか? 思考を客観的に見るのだ」

(そんなことよりお尻が冷たい。かき氷の上に座ってるみたい。私って、かき氷の

シロップ?)

 レナはクスッと笑った。ゼルタクは溜め息をついて首を振る。

「私の言ったことを全く実践できん。フィラとサマナ以上の駄目少女だな」

 レナの眉間にシワが寄った。比較されて闘争心に火が付いたのだ。ゼルタクは彼

女の心の動きを機敏にキャッチし、あおるようなことを言った。

「フィラは初日から精神統一のコツをつかんだがな。君はいつまでもできそうにな

いな」

(負けるもんか。私だってすぐに会得してやるわ)

 レナは「冷たい」を克服しなければ、と冷たさが脳に伝わってきても、それを言

語に変換するのをやめた。そうすると脳内に響く「冷たい」の連呼は止んだ。

「よーし、いいぞ。ようやく心が澄んできたな」

「私、やった!?」

 目を開け、顔を輝かせるレナ。

「駄目じゃないか、しゃべっちゃ!」

「だって……」

「成果が上がったからと言って、いちいち喜んではいかんのだ。いいか、そういう

喜怒哀楽の感情も超えるのだ」

「そんな。人間なのに」

「君はな、これから人間を超えた魔女になるのだ。それには揺れ動く感情にまず勝

たねばならん」

「そんなの進学校の授業より難しいじゃん」

「もちろんだ。さあ、グチっている時間はない。目を閉じてもう一度トライだ」

 レナは溜め息をついて目を閉じた。


 一時間後、レナはトレーニングルームから這って出てきた。脚がしびれて立てな

くなったのだ。

「レナ、大丈夫!?」

 フィラとサマナが駆け寄ってきた。

「ははは、立てなくて……」

「私もそうだった。修業の初日は一番しんどいのよ」

「疲れたでしょ、向こうでお茶飲みましょうよ」

「ははは、歩けなくて……」

「可哀相に。あなた治してあげなさいよ」

 フィラはうなずくと、何やら呪文を唱えながらレナの脚をさすり始めた。

 数分もすると、レナの脚から完全にしびれが消えた。

「すごい! 立てる! 歩ける!」

「これも魔術の一つよ」

「私もそのうちできるようになるのかな」

「もちろんよ。きっと私達よりすごい事ができるようになるわ」

「そうかしら……私、才能なさそうだから今日でやめようと思ってるんだけど」

 その時、ドアが開いてゼルタクが顔を出した。

「初日でやめるなど、とんでもない話だ。君には根性というものがカケラもないの

か」

 饒舌なレナがひとことも言い返せず、涙ぐんでうなだれた。

「先生、レナはきっとやり遂げます。初日は私達だって自信をなくしたわ。てか、

毎日自信をなくしてた。でも、そのたびに自分を励ましながら修業はなんとかやり

遂げられたわ。陛下を蘇らせるほどのパワーは発揮できなかったけど……私達に修

業ができたんだから、レナにできないわけないと思うの」

「そうよ、たった一日でやめるなんて、いくらなんでもそんな見っともない事する

わけない」

 レナはうつむいて先輩達の自分に対する期待の言葉を聞いていた。これほど言わ

れたら、やめるわけにいかない。

「はい……明日も来ます……どうぞよろしく」

 ゼルタクは険しい顔でうなずくと、ドアを閉めた。

「さ、一緒にお茶を飲みましょ」

 フィラとサマナは脱力感に襲われているレナを両方から支えながら休憩室に連れ

ていった。

「あっ、ケーキだ!」

 テーブルの上に三人分のお茶とショートケーキが載っている。レナは急に元気づ

いて椅子に座ると、ケーキを食べ始めた。

 フィラとサマナは顔を見合わせて苦笑し、自分達も席に着いた。

「レナ、そんなにお腹空いてるの?」

「さっきの修業ですごい体力使ったから」

「それじゃ、修業の後は必ずお菓子を用意するから頑張ってよ」

「うん、頑張る! 修業ってどれぐらいで終わるの?」

 フィラが昔を思い出すような目で、

「私の時は一年以上掛かったわ」

「私は半年。あなたはきっと三月ぐらいで終わると思う」

「なんで? 私が一番素質があるから?」

「その通りよ。君達より素質がありそうな子をスカウトするって、ゼルタク先生が

おっしゃっていたもの」

「わらじなんが、いじばんぞじづないよ」

「やめなさいよ、食べながらしゃべるの」

 レナは紅茶でケーキを胃に流し込み、

「今日なんか『フィラやサマナのほうが習得が早かった』ってさんざん言われたの

よ」

「それは先生がレナの負けじ魂に火を付けようと思ったからよ。本気で言ってるん

じゃないわ」

「なんだ、そうだったの。それじゃ一月もすれば、あなた達より力のある魔女にな

っているわね、私」

「それは調子に乗り過ぎよ。一月で魔法を習得した人なんて聞いたことがないわ」

「はあ~、最低三カ月も修業するのか……一日目でうんざりしているのに」

「あなたは私達の希望の星なの! あなたしかこの国を救えないのよ。それを信じ

て」

「うん……ケーキありがとう。おいしかった。恥ずかしいけど、うち貧乏だからケ

ーキなんて滅多に食べられないの」

「よかった。これ、私の手作りなの」

「フィラはお菓子作りの天才なのよ」

「それじゃ、あなたのお菓子を楽しみに毎日頑張る」

 フィラは笑顔でうなずいた。

 レナが帰ると、休憩室にマザルスが入ってきた。

「やはりレナは食い意地が張っているようだな」

「はい。すごい勢いで私の作ったケーキを食べていました」

「ああいう子は食べ物で釣るに限る。毎日レナの修業が終わったら、おいしいお菓

子でねぎらってやってくれ。そうすれば、なんとか最後までやり遂げるだろう」

「任せてください。陛下の蘇りに貢献できなかった分、レナを全身全霊で支えます」

「私も」

「頼むぞ。二人とも使命を果たせなかった時は落ち込んでいたが、一つの目的を達

成できなかったとしても、自分を否定することはない。生きている限り自分にでき

ることは、いくらでもあるのだ。死ぬまで自分を活かすことを考えることこそ尊い

のだ。私は一人一人の人間が自分を活かせる社会になって欲しいのだ。今のような

落伍した者は一生浮かばれない世の中ではなく」

「はい。私達も『希望の蘇り』の目的に共鳴するからこそ、今も命懸けで活動に参

加しております」

「さよう、レナだけが主役なのではない。君達のような彼女を支える者も大切な役

割を担っているのだ。そのつもりで頑張ってくれ」

 フィラとサマナは感激の面持ちでうなずいた。


 翌日は日曜だったため、レナは朝から屋敷に来てトレーニングを受けていた。

 昨日と同じ精神統一の行である。

「フィラの作るお菓子のことを考えているだろう。未来のことを考えてはいかんの

だ。なぜなら時間を超越した領域とつながった時に、常人を超越したパワーが得ら

れるからだ」

 ほぼ一分おきにゼルタクの駄目出しが入る。

「昼食は何だろう……だって? そんなものは出んぞ。昼食抜きで夕方まで修業だ」

 レナの閉じた目から涙が流れる。

「今さら後悔しても遅い。自分の選んだ道を行くしかないのだから――いちいち私

の言葉に反論するな! 思考を超える修業をしているんだぞ!」

 レナは部屋から飛び出したくなる衝動を辛くもこらえていた。


 一方のフィラとサマナは台所でガールズトークを展開していた。

「私達の青春って、暗いわよね。彼氏が一人もいないんだから」

「サマナはいいわよ。まだ二十三歳になったばかりじゃない。私なんか、もう二十

八よ。このまま魔女のお婆さんになるのかなって思うと焦るわ」

「陛下が蘇るまで、我慢するしかないわよ。レナが魔女になったら、それをやって

くれると思うの。だから、もう少しの辛抱よ。この世がゾウエルから解放されて救

われたら、私達も自由に生きることができるわ」

「そうよね、やっと天才少女が見つかったんだから、何が何でも頑張ってもらわな

きゃ」

「レナ、今日は昼食抜きで修業だって」

「私の修業はいつも午後だった……なんか、私達の時より厳しくない?」

「これ以上失敗できないから、ゼルタク先生も必死なのよ」

「きっとレナ、お菓子を食べる頃にはかなりお腹が空いているわ。だから大き目の

ケーキを焼いてあげましょ」

 フィラは棚から一番大きいケーキの焼き型を取り出した。


 レナは午後三時を過ぎて、ようやくトレーニングから解放された。

 部屋から這い出ると、フィラとサマナが駆け寄ってきた。

「大丈夫!?」

「死にそう……脚が痛い……気持ち悪い……」

「しっかりして」

 大柄なフィラは、レナを軽々と背負うと休憩室まで運んだ。

 テーブルの上には大きなデコレーションケーキが載っている。

「なにあれ、すごい! あんなの初めて見た」

 レナが指差して叫ぶ。

「UFOみたいに言わないで」

 フィラの背中から飛び降りると、レナは「すごーい」を連発しながら左から右か

らケーキを眺めた。

「あなた、立てるじゃないの」

「だって、こんなでかいケーキみたら死人も生き返るわ」

「そんな力はないわ。ただのケーキよ」

「メラティス八世にこのケーキ見せればいいのよ」

「レナ。ふざけないで」

「あなた、お昼食べてないから、私達頑張って一番大きいケーキを焼いたの。デコ

レーションが大変だった。あまりじょうずじゃなくて、ごめんね」

 サマナが丸顔にえくぼを作って笑う。

「ありがとう……フィラ。ありがとう……サマナ。あなた達がいるから、私も頑張

れる……私一人だったら、今日でやめてた」

 レナは両手で顔を覆い、嗚咽した。

 フィラとサマナは焦った。この子も駄目だったら、自分達が自由になれる日は再

び遠のいてしまう。二人はレナの肩を抱き、

「私達がついてるわ! あなたはきっと修業を完成させるって信じてる」

「絶対にできるわよ! ゼルタク先生より素晴らしい魔法使いになれるから」

「無理……修業についていくのが精一杯。帰ったら宿題やらなきゃならないし。勉

強も修業もやるなんて」

「ね、今は修業も勉強も忘れて、ケーキ食べましょ」

「そうよそうよ、ケーキ食べればきっと元気が出るわ」

 レナはうなずいて涙を拭くと、椅子にどっかと腰を下ろした。そして、切り分け

ようとフィラがナイフを手に取るより早く、フォークでケーキを食べ出した。

「えっ」

 二人は大食い選手権を見るような心境でレナの食べっぷりを見守った。

「一人で全部食べるつもりよ」

 サマナがフィラにささやく。

「いいじゃないの。これだけがレナの生きがいなんだから」

「そうね」

 レナは食べながら泣いている。

「おいしい……こんな大きなケーキ焼いてくれて……マジありがとう」

「喜んでくれて、私達も作ったかいがあるわ」

「ほんと。好きなだけ食べて」

 レナは好きなだけ全部食べると、背もたれに寄りかかり、満足そうに腹をなでた。

「食った食ったー!」

 一かけらも載っていない大皿とレナを、口を半開きで交互に見るフィラとサマナ。

「ひどい。一切れぐらい食べたかったのに」

 涙声でささやくサマナ。

「我慢よ、我慢。レナが一人前の魔女になるまでは」

 二人は涙を飲んで、うなずき合った。


 レナが修業を始めて一月が経った。

 すでに精神統一の行は終え、各種の術を習得する段階に入っていた。

 もうレナがトレーニングルームから這って出てくるような事はなくなっていた。

それどころか術を習得するたびに得意になり、胸を張って出てきた。

「今日はねー、手の平から光線を発射する術を習ったの」

 大食い選手権の選手のようにクッキーを次々と頬張りながら、フィラとサマナに

報告する。

「ああ、その術は大切よ。ゾンビに襲われた時、使うから」

 レナは飲んでいた紅茶を噴き出した。

「汚いわねえ」

「フィラ。ゾンビと戦ったの?」

「サマナだって戦ったわよ。なにしろゾンビがメラティス八世の墓を守っているか

ら、戦わざるを得ないのよ」

「食事も給料もいらないから、墓守にゾンビを使っているのよ。ゾウエルの王って

代々ケチだから」

「私、ゾンビには勝ったんだけど、メラティス八世の蘇生には失敗したわ」

「私も。私の時はゾンビが二十人もいたわ」

「私の時は五人ぐらいだったわよ」

「フィラに倒されてから増員したのよ」

「ちょっと待って。それじゃ、私の時は八十人のゾンビがいるってこと!?」

「さすがに進学校の生徒だけあって、計算が速いわね」

「八十人のゾンビ…………いやーっ」

 レナは顔を両手で覆い、泣き出した。

「大丈夫、大丈夫よ。レナなら全部倒せるわ」

「できないわよ! 負けるに決まってる」

 フィラは震えるレナの手を握り、

「ゼルタク先生達も助けてくれるわよ。だから安心して」

「ありがとう……たとえゾンビとの戦いに敗れて死んだとしても、あなた達のよう

な親友を持てて幸せだった。学校生活だけだったら、友達もできずにクラスメート

のいじめに耐える味気ない毎日だったと思う。フィラとサマナに会って、本当の友

情というものを知ったわ。修業がどんなに辛くても、二人がいるから頑張れるんだ

し」

「レナ!」

 三人は抱き合って号泣した。

「私達だけはあなたの孤独や辛さが分かるわ。あなたの苦しみは私達の苦しみ。あ

なたの悲しみは私達の悲しみよ。私達は一心同体」

「ありがとう! 私、必ずやり遂げる」

 

 二人の親切な先輩の励ましもあり、レナの修業は急速に進んだ。特に彼女の放つ

光線は次第にパワーを増し、地下室では危険なほどになっていた。

 ゼルタクは満足げな微笑を浮かべ、レナを誉めた。

「やはり、君はフィラやサマナとはケタ違いのパワーを持っている。そこで、次の

日曜日には、山奥に修業の場を移し、さらに君の念を強化したいと思う」

「えーっ、山奥に行くんですか?」

「ああ。誰かに見られたらヤバいからな」

「山奥……獣が出たら……怖い」

「君はもう巨大な熊も倒せるほどのパワーを持っている。何が怖いのかね」

「でも、実際に熊を相手に戦ったことはありません。いざという時に力が出せるか

自信がないです」

「さよう、何が向かってこようがゾンビの大群が押し寄せようが、落ち着いて光線

を放てなければならない。そういう胆力を養うために山奥での修業が必要なのだ」

「……」

 レナはトレーニングを終え、休憩室に入ったとたん泣き出した。

「どうしたの、レナ」

 フィラとサマナはびっくりして駆け寄った。

「先生が次の日曜日、山奥で修業するっておっしゃるの……」

「それじゃ、おにぎり作ってあげる」

「おにぎらずのほうがいいんじゃない?」

 レナは顔を上げると、二人を睨みつけた。

「ピクニックじゃないのよ! 熊が出るかもしれないような危険なところで、念力

のトレーニングをするの。たぶん熊と対決させられるのよ。私、熊に食い殺される

かもしれない」

「そんな危険な修業を……」

 フィラとサマナは眉を寄せる。

「私達の時は、そんな事やらなかったのに」

「きっと、先生はゾンビの数が増えてるって分かっていらっしゃるのよ。並みのパ

ワーじゃ通用しないって」

「私、とっさに光線を放てるか自信ない。熊を見たらびっくりして念を集中できな

いかも」

「大丈夫、もしそうなったら、ゼルタク先生が助けてくれるわ」

「分かるもんですか。きっとホウキに乗って逃げちゃうわよ」

「まさか。そんな卑劣なことしないと思うわ」

「そうよ。あなたを命懸けでクルマから守ってくれたんでしょ?」

「そうだけど……」

「心配しないで。私達も一緒に行って、いざと言う時は加勢してあげる」

「えっ、来てくれるの? ありがとう!」

 フィラとサマナはゼルタクに頼み込んで同行を許してもらった。


 レナの修業場は高さ三百メートルもない小さな山だったが、熊が出ることで有名

で、人間は滅多に近づかなかった。

 ゼルタクはうれしそうに山を見上げる。

「こういう場所こそ魔法使いの修業にぴったりなのだ」

「やっぱり私を熊に食わせようってのね」

 レナは山道の入り口で全身を震わせている。フィラは彼女の手を握り、

「頑張って! 修業が終わったら三人でおにぎらずを食べましょう」

「俺の分は?」

「ないです。ふもとの茶店でダンゴでも食べてください」

「ケチ!」

「私達、怒ってるの。修業にしちゃ危険過ぎるじゃない」

「危険にさらされて初めて偉大なパワーが目覚めるのだ。私はそれを期待している

んだ。レナなら必ずそれをやってくれる」

 いつも命懸けの挑戦をしなければならない。

(まだ十六歳の女の子なのに)

 レナは今ごろカーラとティルがデートしているだろうと思うと、心の底から悲し

くなった。

 なんで自分ばかりがこんな目に――そう思うと何もかも捨てて家に帰りたくなっ

た。

 ゼルタクはレナの心の動きを見逃さない。

「それがジェラシーと言うのだ。他のクラスメートはデートを楽しんでいるのに、

こんな修業をしなければならないなんて、私の青春って何なんだろう……ってな」

 レナは反抗的な目でゼルタクを見た。

(私は過剰な期待をされるばかりで、同情さえしてもらえないんだ)

「帰ら」

 帰らせて戴きます、という言葉が出ると察したフィラが後ろからレナの口をふさ

いだ。

「かえうぁうぇうぇいわわいわう」

「何言ってんだ」

「レナ! あなたは独りじゃない! 私達だってあなたと同じ運命よ」

「そうよ、私達は一心同体」

「……」

 レナは太い息を吐くと、二人に向かって微笑んだ。

「そうだったね。あなた達がいるから頑張る」

 フィラとサマナは涙目でレナの手を握り、

「あなたのことは命懸けで守る!」

「私だって、命懸けで守るぞ。だから心配しなくていい。自分の崇高な使命を思い

出してくれ。必ず後世の人々は君の偉業を讃えるだろう」

「やります。もう逃げません。でも、後世の人々のためではなく……私を応援して

くれる二人のために」

 フィラとサマナはレナにすがりついて泣き出した。

「さ、行きましょう」

 レナは二人を励ましながら山を登り始めた。

 途中、蛇やムカデが山道に出て、叫び声を上げながらレナ達は山頂にたどり着い

た。

 サマナは丸太で作られたベンチに腰を下ろすと、ゼルタクに聞いた。

「先生、おにぎらず食べていいですか」

「なんでっ。まだ昼食の時間じゃないぞ。これから光線を放つ修業をするのだ。お

前達もな」

「えっ、私達も?」

「レナを助けるんだろ? ここで練習しておくのだ」

「分かりました」

 フィラは口の中で呪文を唱え、近くの木に向かって手の平から光線を放った。

 バチッという音と共に焦げ臭いにおいが立ち込めた。

「お前、お菓子作りばかりしているうちにパワーが落ちたな。その程度で熊を倒せ

ると思っているのか」

「すいません。最近トレーニングしていないものですから」

「サマナ、やってみろ」

「はい」

 サマナが自信なさそうに手を振ると、フィラより弱い光線が木の幹に当たり、小

さな火花が散った。

「なんだ。線香花火みたいだな」

「線香花火って」

 むくれるサマナ。見ていたレナは、はらはらしながら言った。

「そんなんで熊を倒せるの?」

「無理かも」

 引きつった笑みを浮かべる二人に、ゼルタクがチッチッチと言いながら人差し指

を振った。

「光線はこうやって放つ」

 ゼルタクの手から稲妻のような光が放射されると、ドンという音と共に木の幹に

穴が開いた。

「やっぱすごい」

 三人娘は憧れの眼差しを師に送った。

「ふふふ、こんなの朝飯前さ」

 ゼルタクは調子に乗って次々と周囲の木々に穴を開けた。

「先生、自然破壊は良くないですよ」

「そうだな。このへんでやめよう」

 念を使い過ぎ、ゼルタクは肩で息をしながらしゃがみ込んだ。

 パワーが抜けたためか、頬がこけ、法令線がくっきりと刻まれている。

「先生、爺さんみたいになってますよ」

「ほっとけ。次はレナがやるんだ。いいか、私みたいに穴を開けるぐらいのパワー

を出せ」

「嫌だ。婆さんになっちゃう」

「大丈夫だ! 一度でいいから」

 レナはしぶしぶ呪文を唱え始めた。

 大自然の中にいるせいか、いつもよりパワーがみなぎってくるのを感じた。

 レナは体内に充満するエナジーをハートのチャクラに集め、手の平から一気に放

出した。

 ドッカ――――ン!

 雷が落ちたような轟音と共に、山頂に煙が充満した。

「どうしたの……? 何が起きたの……?」

 レナは茫然と立ち尽くした。

 煙が薄くなると、三人が倒れているのが視界に入った。

「先生! フィラ! サマナ!」

 どうしていいか分からず、レナは三人の間をグルグル回った。

 やがてフィラがケホッと煙を吐きながら顔を上げた。

「爆弾が落ちたの?」

 ゼルタクがよろめきながら立ち、

「違う、レナが超ド級の光線をぶっ放したんだ」

「死ぬかと思った……」

 頭を振りながら起き上るサマナ。

「三人共しっかりして!」

「やっぱり私達とはケタ外れのパワーだわ」

「レナはマジ本物」

「師の俺を超えたな」

 三人は一塊になり、離れたところから恐ろしそうにレナを見た。

「そんな目で私を見ないで! 私は怪物じゃないのよ」

「ある意味、怪物以上の存在だ」

「先生、あれだけのパワーがあれば、ゾンビの八十体ぐらい木っ端みじんですよ」

「そうだな。しかし、一緒にいる味方も一緒に吹き飛ぶから、気を付けねば」

 レナは額を寄せ合って話している三人に向かって叫んだ。

「除け者にしないで! 私は普通の女の子なの」

「あれが普通なわけないだろう」

「先生、レナこそ陛下を蘇らせる異常な女の子です」

「そうだな。私も確信したよ。おーい、レナ! 修業の目的は達した。帰るぞ」

「えっ、熊と戦わなくていいんですか」

「ああ、熊が可哀相だ。死んでしまう」

 レナはムカつきながらも安堵の表情を浮かべた。

 四人はゼルタクを先頭に狭い山道を下り始めた。

「あー、お腹空いた」

 レナがぼやく。

「ふもとにベンチがあったじゃない。あそこでお握らずを」

 フィラは振り返ると、最後尾のレナに声を掛けた。

 そして、次の言葉を失った。

 巨大な熊が背後からレナに襲いかかろうとしていたからだ。

「危ない!」

 フィラが渾身の力を込めて光線を放つ。

 熊は雷に打たれたように「ガオッ」と叫んで倒れた。

「ああ……」

 レナは白目をむいて横たわる巨大な熊を見て、全身を震わせた。

「ありがとう……フィラ」

 それだけ言うと、レナは顔を覆って泣き出した。

「どうした、大丈夫か!」

 ゼルタクが上がってきてレナの腕をつかみ、

「泣いてる場合じゃない、熊は死んでないぞ! 早く逃げるんだ」

 四人はあたふたと山道を下りていった。

 ふもとに着くと、レナは地面にしゃがみ込んで荒い息をした。

「レナ、大丈夫?」

「ありがとう、フィラ。あなたのお陰で死なずに済んだ」

「お前、さっきと違ってずいぶん強力な光線を出したじゃないか」

「レナを助けたい一心で出せたんだと思います」

「ありがとう……本当にありがとう……」

「いいのよ、そのために付いてきたんだから。熊を倒せて良かったわ」

 レナは命が助かったこともだが、命懸けで自分を救ってくれたフィラの厚い友情

が心からうれしかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ