夢
退職する先輩が
これからの夢を語った
職場に入ってからの
夢とその結果を語った
みんな
楽しそうで
別れは悲しいけれど
新しい門出を祝う
今までの夢
これからの夢
あなたにはもうないんだと
そう思ったら
あとから
あとから
涙があふれて来て
楽しい会を台無しにしそうだったので
そっと
そとのベンチに座っていたら
同僚が来て
声をかけてくれた
慰めてくれた
迷惑をかけてすまないと言う私に
大丈夫と
言ってくれた
でも
そのとき
娘さんはお母さんが泣いてるときっと辛いよ
と
言われた
きっと
本当にそう
心を病んで
夢が見つけられずに
終わらせる道を選んだあなただけれど
あなたはいつもお母さんに優しかった
いつだって
身体の弱いお母さんをかばってくれた
たぶん
辛くて辛くて
お母さんやお父さん、お姉ちゃんとお兄ちゃん
おじちゃんとおばちゃん
さっちゃん
おばあちゃん
MちゃんやEちゃんたちのお友達
色んな人が今も苦しんでるって
きっと気がつかないほど
辛かったから
あなたがお母さんに泣かれたきっと
辛いだろうなって
思う
でも
お母さんが
今のあなたにできることって
泣いてあげることの他に思いつかないんだ
だって
あなたがいないのに
笑えないよ
毎日
毎日
あなたを探している
目が覚める度に
今までのことは
悪い夢だったんだじゃないかって
振り向いたら
あなたがそこにいるんじゃないかって
探しても
探しても
あなたがいない
泣く以外に
なんにもできはしない
夢なんかなくたって
あなたがいてくれることだけが
夢のように幸せだって
思える
今の
お母さんのたった1つの夢
あなたに
会いたい
あなたを
抱きしめたい
他には
何にもいらない