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Memory5 泣き虫リオ(中編)

『 』は筆談です。



最初の方は主人公である(リュカ)目線で物語を書きましたが、途中から『次男memory』という物語があります。これは、次男であるリオ目線で物語をかいてあります。

【泣き虫リオは強くなりたい】





翌日...


<三男>「リオーー。朝だよ、起きろー。」


<次男>「.... .... .... .... .... 」


リオ兄は無言のまま布団の中でうずくまっていた。昨日の事件(?)で学校に行きたくないみたいだ。

俺たちはどう声をかけたらいいか、わからず黙ってしまった。そんな様子を見て迅兄ちゃんは、


<長男>「リオ、学校に行くのか行かないのかハッキリしろ。レオたちも俺も学校に行く時間だから、今すぐ決めて。」


<次男>「.... .... .... .... 行かない。」


<長男>「わかった。学校には電話しとくから、家でちゃんと勉強しろよ。」


7時30分頃、小学生組は家を出て学校に向かった。迅兄ちゃんも俺たちが出たあとに学校に行った。


俺はリオ兄が心配だった。リオ兄が学校を休んだのは初めてだという理由もあるが、一人で留守番をしてることが心配だった。しっかりしているとはいえ、小学3年生で子供だから。


<俺>(大丈夫かなぁ.... )


※※※※※※※

『次男memory』


<次男>「ん~.... 」(何時だろ?)


レオ、リュカ、リュキ、迅兄ちゃんが学校に行ったあと俺は少し眠ってしまった。


俺は布団の中から出ると伸びをした。

自分の部屋から出て階段を下りてリビングにいった。


<次男>(お腹すいたな~.... )



ピンポーーン、ピンポーーン。


インターホンの音が鳴った。普段はこんな時間に訪ねてくる人はいないから、不意に驚いた。俺は面倒だと思い居留守(いるす)をつかった。


しばらく間が空いて再びインターホンが鳴った。

ピンポーーン、ピンポーーン。


<次男>(しつこいよ。)


俺は仕方なく玄関にいった。ドアを少し開き、自分は外に出ずスケッチブックのみを外の人に見せた。

スケッチブックには『どちら様ですか?』と『ご用件は何ですか?』と書いてある。


いつもなら、お客さんがくると俺は対応しないため言葉を発することの出来ない俺は考えたすえ筆談を選んだ。外の人は驚いているだろう。


少し間があった。


<来客>「.... .... リオか?..僕.... 遊暁(ゆあ)だよ。」


俺はその言葉、声を聞き、ドアを開け《遊暁》と名乗る人物を見た。


<来客>「久し振りだな、リオ。今日は迅に頼まれて来たんだけど、とりあえず入っていい?」


俺は頷き、招き入れた。


この人は、遊暁(ゆあ)さん。父さんの弟で22歳。仕事は小説を書くこと。要するに俺たちの叔父さん。親戚の中で頼れる人はこの人しかいない。母方の親戚は疎遠、父方は遊暁さんしかいないから。


<叔父さん>「お邪魔します。リオ、学校サボったんだって?迅から電話があって一人じゃ不安だって言われて来たんだけど。」


<次男>『学校いっても意味ない。仕事じゃないの?』


俺はサボったことを否定しなかった。


<叔父さん>「そっか。仕事は休みだよん。」


俺は遊暁さんとリビングにいった。

起きてから何も食べていないのでお腹がなってしまった。遊暁さんはそれを聞くと、


<叔父さん>「お腹すいたのか?何食べる?」


<次男>『オムライス』


俺が筆談でそういうと遊暁さんはニッコリ笑ってキッチンにいった。

俺はオムライスができるまで、2階の自分の部屋で勉強をしていた。


30分くらい()って、

<叔父さん>「できたぞー!」


遊暁さんはオムライスの乗った皿をテーブルに置き、俺を手招きした。椅子に座り、


<次男>『いただきます』


俺は無言のまま黙々と食べている。遊暁さんは料理が上手だ。昔は料理人になるのが夢だったらしい。


遊暁さんはずっと笑っていた。さすがに気になり、


<次男>『何かいいことでもあった?』

と、聞いてみた。


<叔父さん>「特にはないよ。いいことがあったから笑ってるわけじゃないよ。強いて言うなら、真面目なリオが学校を休んだことが珍しくて。」


<次男>『俺は真面目じゃない。そんなに珍しいかな。』


遊暁さんはやっぱり笑っている。俺は食べ終わりごちそうさまといい、再び自分の部屋に戻り勉強を再開した。




時計を見ると午後3時18分を表示している。

勉強もきりのいいところまで終わったので1階に行くと遊暁さんがパソコンをいじっていた。


遊暁さんは俺に気づくとニッコリと笑った。

なぜ、いつも笑っていられるのか....理解できない。


<叔父さん>「勉強は終わったのか?弟たちは何時くらいに帰ってくるの?」


<次男>『終わった。4時半くらい。』



<次男>「・・・・・」

俺は黙ったまま遊暁さんをジッと見た。今、思うと俺は不満そうな顔をしていたと思う。


<叔父さん>「リオ、顔が怖いよ。どーしたんだよ?」


<次男>『遊暁さんはいつも笑ってる。どうしてそんなに笑ってられる?嫌なことがないから笑ってられる?』

俺はたぶん失礼な質問をしている。遊暁さんは俺の言葉を見て、ニッコリと笑っている。


<叔父さん>「嫌なことがない?.... 逆だよ。嫌なことがあるから笑っていたいんだ。」



<次男>『どうして嫌なことがあっても笑ってられる?どうすれば回りのことが気にならない?どうすれば強くなれる?』


遊暁さんは驚いた顔をしている。俺は普段から誰かと関わりたくなくて自分から話すことは(ほとん)どしない。


<叔父さん>「質問が多いな(笑)。.... .... リオ、学校でいじめられてんの?学校をサボった理由聞いてないけど、どうなの?」


<次男>『普通じゃないから。普通になりたいけど無理なのかな。』


俺は泣きそうな顔をしていた。.... いや、泣いていた。悔しくて。どうすればいいのか分からなくて。


<叔父さん>「普通になるのは無理だよ。自分でもわかってるだろ?.... .... でもな、強くなれるよ。そもそも強さってのはケンカが強いとか力持ちとかだけじゃない。むしろケンカが強いのは本当の強さじゃない。強さにはいろんな種類がある。例えば、スポーツが得意、勉強が得意とか目に見える強さ。後は人を思い、人を守れる目には見えない強さ。勇気も強さのひとつだよ。自分の考えや行動しだいで強くも弱くもなるってこと。」


遊暁さんは笑いながら言った。俺は驚いた。俺にとっての強さとはケンカなどの強さだったからだ。だが、遊暁さんが言った強さは別物だった。


<叔父さん>「回りのことが気になるのは、自分と周りを比べてるからだよ。自分は自分のペースでいけばいいじゃないか。比べる必要はないよ。」


俺は遊暁さんの言葉を聞き、安心した。今までは自分が普通じゃないぶん周りにあわせて頑張ってきたつもりだけど、欠点があるかぎり周りと完全に同じになるのは難しい。頑張っても空回りしてしまうこともある。


周りに合わせるのは正直つかれるし、意味がない。

俺はオレでいいじゃんか。

.... 本当の俺ってどんな感じなんだろ?

そのとき初めて気がはれた。


<叔父さん>「吹っ切れたか?」


<次男>「.... .... 吹っ切れた。何で吹っ切れたってわかったの?」


<叔父さん>「何でって、それはリオがスッキリしたように笑ってるからだよ。それに自分の声を出してるから。」


俺はこのとき初めてまともな笑顔をしていたと思う。今までの自分がバカみたいに思えた。




ガッチャ。.... .... バタン。


<三男>「ただいまー。リオーー。」


レオが帰ってきた。レオはリビングに入ってくるなり飛び付いてきた。


<三男>「リオー。寂しくなかったかー?.... .... って、遊暁さんじゃん。何でいるの?遊ぼうぜー。」


<叔父さん>「レオは元気だな~。迅に頼まれて来たんだよ。何して遊ぶか?」


<三男>「う~~んと~?.... 野球やろーよ。リュカとリュキが帰ってきたら、みんなでやりたい。」


レオは無邪気に笑いながら言った。

いつもと同じ日常のはずなに、いつもと違って見えた。たぶん、今まで閉じこもっていた感情たちが出てきたからだろう。心から今を楽しみたい。



ガッチャ。.... .... バタン。


<五男>「ただいま.... 」

リュカとリュキが帰ってきた。.... ということは....


<三男>「おかえりー。皆で野球やろーぜ!」


やっぱりね。



 




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