召喚された勇者様
名前間違え等の編集をいました。
緊張した雰囲気に覆われている薄暗い一室の黄色い魔法陣の上に現れた黒髪黒眼の男。その男は目の前にいる女、聖ラリア王国王女が呼びだした勇者である。
「お待ちしておりました…勇者様」
……ちょっと待て!!!!!?????そいつは……
えええええええ????
「…殿下。勇者を召喚するって本当ですか。」
黒い軍服をまとい、腰まで伸びたこの国では珍しい黒髪を背中に流し、腰には銀の剣を提げた黒眼の女軍人が目の前の机に座っている同じく黒い軍服に身を包んだだれが見ても惚れてしまうような顔の金髪蒼眼の男に話しかける。
「ああ…。姉上の要望でな…最近魔物の動きが活発で魔族も妙に怪しい動きをしているためだそうだ。」
「…魔物ですか…。」
私、リリア・アーナ・ファントラは聖ラリア王国第3王子ルヴァルト・ジーク・ギルファーの側近兼将軍をしている。聖ラリア王国は女でも軍人になれ出世も平等に出来る。将軍位には私しかいないが。
なぜ側近と将軍を兼任しているかというともともと側近だったものが次々にやめて行き最終的に将軍になりたてで直属の部下を持っていなかった私に回ってきた。それでも一応将軍なので国事があれば戦場に出る。
「…まあ、それは表面上の理由だろうな」
王子にメロメロなお嬢様達が見たら失神してしまうような色気が垂れ流れる笑みを浮かべる。
「…国の権威ですか…」
「だろうな。」
いや…国の権威て…もっと他にいたでしょう!!!
いやっ…確かにこいつは、ファンタジー小説で必ず召喚される勇者に当てはまってますけど!!!
召喚に立ち会ってる王子の横で叫びそうになるのを抑える。心の中で叫んだけど!
「勇者様お名前を伺ってもよろしいですか?」
そんな私をそしらず王女は話を進める。
「!?…え?…かん…ざき…れん…」
…はい確定…こいつ…わたしの元幼馴染~~!!!!
私、リリア・アーナ・ファントラは異世界出身…。異世界トリップという奴だ。
前の世界での名前は天音凛々亜。日本という国に住んでいた少々特殊な家族&幼馴染に囲まれた表面上は普通の平凡女子高生。
ある日私は車にひかれて死んだ…はず。
原因は…私の隣にいた幼馴染様。神崎蓮。
私の幼馴染神崎蓮は、勉強は常に学年トップ。スポーツも出来て、ルックスも完璧。
そんな幼馴染には絶対ハーレムが必ず付いてくる。だって王道ですから…そんな王道身近にいらねえよ!!
「私の蓮に近づかないで!」「このブスが!」「幼馴染だからって調子に乗んな!」こんな罵声は日常茶飯事。
…ウザいんだよ!!この厚化粧クソ婆どもが!!こっちは蓮にこれっぽっちも恋愛感情なんて抱いてない。
幼馴染なんてやめられるんだったやめたいわ!蓮の狂信者が私がいなくなれば蓮は幸せになれるとか何とか言っていたのを覚えている。私を引いたのはそいつら関係だろう。
ひいた車はスピードが結構出てたから即死だったのだろう、たぶん。そこから記憶が途切れている。
車が突っ込んで着た瞬間、目の前が真っ暗になったがすぐにまぶしくなって目を開けると、そこは…
異世界でした…。