邂逅
黒後夕。これが僕の名前だ。
夕方、夕闇、夕桜。聞こえようによっては美しい。
でも、どの言葉をとっても、半端でそして終わりに近づいているようにしか聞こえない。
これでも自分の名前に文句を言ってるわけではない。
ただ...
自分には元から何かが欠けている
そう感じるのだ。
放課後。
普段はまっさきに家に帰るのだが、今日は特別だ。
レポート提出だった。
この学校では、帰宅部は家に帰ってから何をしているか書かされる。
問題がなくても一応面談をさせられる。
部活やっていない人に対する圧力と学校側の体面上の措置というわけだ。
世間様というのは実に勝手気ままたるものだ。
帰宅部だって、ただ生きているわけではないのに、一方的に批判する。
人は何にも影響されずに孤独に生きるべきなのだ。
話がそれたが、これのせいで今日は帰りが7時にもなってしまった。
今日は気晴らしに書店にでも寄ってみるか。
そう思いつつ、学校の駐輪場に置いていた自転車にまたがる。
そして、裏門を出て数分後。
とある交差点についた。
いつものように通り過ぎようとすると、違和感に気づく。
違和感というよりは、心残りだろうか。
そこだけ。時が止まっているかのような、そんな不釣り合いな。
そこには一人の少女が座っていた。
同い年くらいの子が。
うでいっぱいの花束をかかえて。
外見にたぐわぬ、静かな悲しみをその瞳にたたえ。
それでも無理して笑っている。
そんな大人びた少女が目の前に佇んでいた。
なんでもない日常、そのはずなのにーーー僕は何故か動けなかった。
その少女の幼さに魅かれ、その心に惹かれていた。
運命、こんなくだらない言葉。
今までは信じるに値しなかった薄っぺらい言葉。
ただ、この光景をみたら。
この言葉で表現する以外方法がなかった。
それほどまでに衝撃的な出会いだった。
初投稿です
興味をもってくれたら幸いです。




