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プロローグ
暗い………ここは暗い………
光がないから。希望がないから。諦めてるから。
抜け出したい…抜け出したいけど…僕には無理だ。
自分が一番分かってる………親友はおろか、友達と呼べる存在などいない。世間には見放され、親からも何の期待もされていない。
きっと僕は、このまま死ぬのだろう………暗いままで、何色にも触れないで………ずっと黒いまま………
そう思っていた。
どうせ僕は変われない。どうせ僕は変わろうともせずに終わる。
そう確信していた。
………あいつが僕の目の前に現れるその前までは。
どんな色も明るく染めていく心地のよい白色。
太陽のような眩い光を放つ、あいつに出会うまでは………




