表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽性の王  作者: とーか。
1/5

プロローグ

前回のが、長編仕様になっていなかったので、再投稿します。


お気に入り登録してくれた方、感想くれた方。すみませんでした!


これからも、よろしくお願いします!!

 昔々のこと。あるところに、2つの変わった国があった。

 一つの国は、小さな国で王家には何故か女しか生まれず、もう一方の国は、どことも戦争しない豊かで平和な中立国で、王家には男しか生まれない。

 両方の国には、それぞれ既に5人の王女と王子がいた。やがて、両方の国に同じ日の、同じ時間にやっぱり小さい国には王女が、中立の国には王子が生まれた。

 2つの国の王様は困り果てた。

 何故かというと、小さい国こと『ミリューニア王国』は、次の王となる王子が産まれなければ、たちまち他の国に占領されてしまい、中立国『フリージス』は、他の国と同盟を組んだり、貿易できるようにするために、王女が欲しかったのだ。 そこで、ミリューニアの王は言った。


 「もう、こんなに王女は必要無い!しかし、だからといって殺すのはあんまりだ。それに、よい目をしている。この子を王子として育てるのだ!」


 フリージスの王様も言った。


 「もう、この国には王子はいらない。だが、殺すのはよくない。せっかく可愛い顔をしているのだから。王女として育ててしまおう」


 それぞれの国の大臣たちは大いに賛成し、王女を王子に。王子を王女として、育てることにしたのだった。


 それから16年後――


 かつて小国だったミリューニア王国は巨大な国に変化していた。 というのも、王の代わりに政治をしている一人の王子の力のおかげであった。その王子こそが、“王子として育てられた王女”リリアンヌ=ミリューニア=ヴァレッタこと、リン王子だ。

 彼女は、いや、彼は王の期待通り、すくすくと勇敢かつ真っ直ぐに、そして強く育った。

 13歳の頃から、王が病の療養をかねた隠居を始めたのをきっかけに、王位を受け継いだ。

 その年から、ミリューニアは僅か一年で今までに奪われた国土を全て取り返し、更に二年後には、大陸の実に30パーセント程を領土にした。残りの殆どの国土は、大陸最大の国、『ガルニア帝国』が占めている。更に他の、ミリューニア王国とガルニア帝国にも占領されてない国があり、それらの国を中立国と呼んでいる。大陸各国の間では、条約により、中立国への侵攻は禁止されている。

 ミリューニアの王子、リンは、そんな国々が描かれた地図を見て悩んでいた。


 「うむ…困った」

 「どうしたのです。王子」

 「ミトスか。丁度いい。来てくれ」


 ミリューニアの 宰相(さいしょう)ミトスを、地図の前に呼ぶ。


 「この3年、私は領土を広げてきた。だが、もう進めない。そこで、次に進むべき道を探していたのだが…」

 「ふむ。たしかに、このまま進めばガルニアに突っ込みますな…。では、暫くは民や兵士、ご自分に休息を与えられるというのはどうでしょうか?」

 「休息?私に?」

 「はい。この3年間、王子は父君に代わり、国のために、民のために国政に 心血(しんけつ)を注いでこられました。しかし、今はガルニアに攻め込める程の戦力はございません。ならば、休息という名の外交をされては如何かと…」


 すると、リンは(あご)に手をあて考え始める。

 この3年間は、まさに 戦三昧(いくさざんまい)の日々で休みなどなかった。さらに各国相手に貿易拡大したりなどもしていた。しかし、仮にも王であるリンが休息など本来なら有り得ない。

 

 「休息という名の外交とは…なんなんだ」

 「…王子、あなたは今おいくつですか?」

 「16だ。それがどう……。まさか、お前『嫁をとれ』というのか!?」


 慌てた表情になり、ミトスに詰め寄る。

 実はリンは、女が苦手なのだ。

 原因は5人の姉。姉達による我が儘やら、悪戯やら、問題発言やらで散々酷い目にあったのだ。


 『民からの信頼に勝る物無し』をモットーにしているリンにとっては悩みの種だった。

 「私が女が苦手なのは知ってるだろう!?無理矢理笑みを作り接するのも大変なのに…!!冗談だろう…?それに子が成せない!」

 「王子のその原因明確な 性癖(せいへき)は存じております。だからこそ、このミトス、ピッタリな姫を見つけてまいりました」

 「はあぁっ!?」

 

 ニヤリと笑いミトスは一枚の 肖像画(しょうぞうが)をだす。

 そこには、若干童顔ながら、長い青みがかった黒髪の美しい、翡翠(ひすい)の瞳の女性が描かれていた。


 「美しい…が、やはり駄目だ!絶対に駄目だ!」


 執務机をダンッと、両の拳で叩く。ありったけの殺気を相手に向ける。しかし、ミトスはゆるりとかわして続ける。


 「この方、キラル王女は男ですが?」

 「…………は?」

 「王子と似たような理由から、女として育てられたらしいですぞ」

 

 リンは目を見開き、肖像画をひったくり、それを睨んだ。どう見ても、美しい姫にしか見えない。


 「嘘だろぉぉぉぉ!?」


 ミリューニア王国の空に、王子の絶叫が響き渡った。


はじめまして。

とーか。、と申します。

この話は中学生の時のネタ帳から引っ張ってきました。

ちなみに…実はコレ、初の長編です。初心者なのに、いいのか自分!!


未熟者ですが、どうかよろしくおねがいします!!

感想もいただけると嬉しいです……!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ