プロローグ
前回のが、長編仕様になっていなかったので、再投稿します。
お気に入り登録してくれた方、感想くれた方。すみませんでした!
これからも、よろしくお願いします!!
昔々のこと。あるところに、2つの変わった国があった。
一つの国は、小さな国で王家には何故か女しか生まれず、もう一方の国は、どことも戦争しない豊かで平和な中立国で、王家には男しか生まれない。
両方の国には、それぞれ既に5人の王女と王子がいた。やがて、両方の国に同じ日の、同じ時間にやっぱり小さい国には王女が、中立の国には王子が生まれた。
2つの国の王様は困り果てた。
何故かというと、小さい国こと『ミリューニア王国』は、次の王となる王子が産まれなければ、たちまち他の国に占領されてしまい、中立国『フリージス』は、他の国と同盟を組んだり、貿易できるようにするために、王女が欲しかったのだ。 そこで、ミリューニアの王は言った。
「もう、こんなに王女は必要無い!しかし、だからといって殺すのはあんまりだ。それに、よい目をしている。この子を王子として育てるのだ!」
フリージスの王様も言った。
「もう、この国には王子はいらない。だが、殺すのはよくない。せっかく可愛い顔をしているのだから。王女として育ててしまおう」
それぞれの国の大臣たちは大いに賛成し、王女を王子に。王子を王女として、育てることにしたのだった。
それから16年後――
かつて小国だったミリューニア王国は巨大な国に変化していた。 というのも、王の代わりに政治をしている一人の王子の力のおかげであった。その王子こそが、“王子として育てられた王女”リリアンヌ=ミリューニア=ヴァレッタこと、リン王子だ。
彼女は、いや、彼は王の期待通り、すくすくと勇敢かつ真っ直ぐに、そして強く育った。
13歳の頃から、王が病の療養をかねた隠居を始めたのをきっかけに、王位を受け継いだ。
その年から、ミリューニアは僅か一年で今までに奪われた国土を全て取り返し、更に二年後には、大陸の実に30パーセント程を領土にした。残りの殆どの国土は、大陸最大の国、『ガルニア帝国』が占めている。更に他の、ミリューニア王国とガルニア帝国にも占領されてない国があり、それらの国を中立国と呼んでいる。大陸各国の間では、条約により、中立国への侵攻は禁止されている。
ミリューニアの王子、リンは、そんな国々が描かれた地図を見て悩んでいた。
「うむ…困った」
「どうしたのです。王子」
「ミトスか。丁度いい。来てくれ」
ミリューニアの 宰相ミトスを、地図の前に呼ぶ。
「この3年、私は領土を広げてきた。だが、もう進めない。そこで、次に進むべき道を探していたのだが…」
「ふむ。たしかに、このまま進めばガルニアに突っ込みますな…。では、暫くは民や兵士、ご自分に休息を与えられるというのはどうでしょうか?」
「休息?私に?」
「はい。この3年間、王子は父君に代わり、国のために、民のために国政に 心血を注いでこられました。しかし、今はガルニアに攻め込める程の戦力はございません。ならば、休息という名の外交をされては如何かと…」
すると、リンは顎に手をあて考え始める。
この3年間は、まさに 戦三昧の日々で休みなどなかった。さらに各国相手に貿易拡大したりなどもしていた。しかし、仮にも王であるリンが休息など本来なら有り得ない。
「休息という名の外交とは…なんなんだ」
「…王子、あなたは今おいくつですか?」
「16だ。それがどう……。まさか、お前『嫁をとれ』というのか!?」
慌てた表情になり、ミトスに詰め寄る。
実はリンは、女が苦手なのだ。
原因は5人の姉。姉達による我が儘やら、悪戯やら、問題発言やらで散々酷い目にあったのだ。
『民からの信頼に勝る物無し』をモットーにしているリンにとっては悩みの種だった。
「私が女が苦手なのは知ってるだろう!?無理矢理笑みを作り接するのも大変なのに…!!冗談だろう…?それに子が成せない!」
「王子のその原因明確な 性癖は存じております。だからこそ、このミトス、ピッタリな姫を見つけてまいりました」
「はあぁっ!?」
ニヤリと笑いミトスは一枚の 肖像画をだす。
そこには、若干童顔ながら、長い青みがかった黒髪の美しい、翡翠の瞳の女性が描かれていた。
「美しい…が、やはり駄目だ!絶対に駄目だ!」
執務机をダンッと、両の拳で叩く。ありったけの殺気を相手に向ける。しかし、ミトスはゆるりとかわして続ける。
「この方、キラル王女は男ですが?」
「…………は?」
「王子と似たような理由から、女として育てられたらしいですぞ」
リンは目を見開き、肖像画をひったくり、それを睨んだ。どう見ても、美しい姫にしか見えない。
「嘘だろぉぉぉぉ!?」
ミリューニア王国の空に、王子の絶叫が響き渡った。
はじめまして。
とーか。、と申します。
この話は中学生の時のネタ帳から引っ張ってきました。
ちなみに…実はコレ、初の長編です。初心者なのに、いいのか自分!!
未熟者ですが、どうかよろしくおねがいします!!
感想もいただけると嬉しいです……!!