00 死神
「最悪だぁ!!」
というのもこの少年神浜浩示は高校の入学式を終えた次の日の朝…新しく買った目覚まし時計は電池を入れるのを忘れ、トースターはパンを焼いてる途中に故障、星座占いは最下位、やっと家を出た頃には走ってホームルームに間に合うかどうか…神浜は全速力で学校へと走った。
家を出て5分ほどにある曲がり角を曲がったとき、そこには1人の女子が立っていた。全身真っ黒の服を着ていて、青紫の髪には髑髏のヘアピンがついている。その瞳は綺麗な紫の光を放ちまっすぐ神浜を見つめている。身長は同級生女子の平均ぐらい、約150cm後半というところだろう…すると彼女が突然話しかけてきた。
「お前の寿命はあと5分だ。」
しかし、そう言われたところで神浜には立ち止まって文句を言う時間などなかった。刻一刻とホームルームの時間は迫ってきているのだから。神浜はとりあえず彼女をスルーして先を急ごうとしたとき。
「止まれ、少しだけ話をしよう。」
彼女の後ろからなにやら物騒なものが出てきて神浜の行く手をさえぎった。一体どこにしまっていたのかそれはどでかい鎌だった。刃の部分を神浜の腹部あたりに待機させる…
「っ…!!」
流石に神浜も鎌を進行方向に出されたら止まるしかなかった。
「誰だよお前!!俺に何しようって言うんだ!?」
「私は死神だ。お前の寿命を伸ばしてやるのだありがたく思え。」
「はぁ?」
神浜は彼女が一体何を言っているのか分からなかった
「死神って…証拠はあるのかよ!?」
「証拠?」
「そうだよ!死神みたいな非現実的なもの俺は信じないからな。」
「なるほど。では急ぎのようだ走りながら話そう。」
というと彼女は走り始めた。
「なんなんだよ止まれって行ったと思えば走り出す…」
神浜はぶつぶつ言いながら走り出す。
「証拠ならもう少しで分かると思う。証拠が分かるまで神について説明してやろう」
「いや…いいです。」
「日本には無限に神がいると伝えられているだろう?」
(無視かよ!!)
「あぁ八百万の神って奴だろ?天照大神とかお稲荷様みたいな」
「うむ、皆難しい読みをするあれだ。しかし実際の神はそんなものではない。」
「どういうことだ?」
「つまり、現代でも知られている神とは神の一部に過ぎないってことだ。」
「まぁ無限にいるんだから50とか100とかは確かに一部だな。」
「そういうこと…」
そして自称死神の彼女が続きを話そうとしたとき大きな音がした。それは目の前の交差点で車が衝突したときの音だった。
「時間か…どうだ私と話していなければお前はこの事故に巻き込まれていたのだ。」
確かにあそこで立ち止まっていなければちょうど神浜は交差点にいただろう。神浜は呆然と立ち尽くした。
「じゃぁこの続きはまた話そう。」
そういったと思えばもうそこには彼女の姿はなかった。神浜はそこからしばらく動けずにいた。そしてヨロヨロと動き出し学校へと歩を進めた。




