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破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします  作者:


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 聞けば、どうやら最近小間使いが、色々と問題を起こしているのだそうだ。


 小間使い―――アーミュと思って間違いないだろう……と言うか、小間使いと言う職に就いているのはアーミュだけである。



 此方(こちら)が婚約を希望してる訳ではないのに、常に敵視や憎悪を向けられるのにも辟易し、少しばかり彼女の事を調べてみた。


 彼女の名はアーミュ・フリンスルと言い、フリンスル男爵家の長女である。

 ラフィラスとは年齢は同じだが、本来学年は彼女の方が上にも拘らず、ホメロトスにラフィラスと同じ学年が良いと強請ったのだそうだ。


 彼女の祖父――ホッズ・フリンスルとホメロトスが仲良しだったのは本当の事である。


 ホメロトスの馬好きは有名で、王宮敷地内にある王族専用の厩舎――通称馬房を拡充し、専用の馬場も拡張したらしい。

 その馬房でホメロトス若かりし頃から、ずっと働いていて、最古参となっていたのがホッズと言う人物である。

 尤もそのホッズは先頃職を辞していて、現在は母親が病気療養中な事もあり、アーミュだけが王宮で働いているのだそうだ。


 先に述べた関係で、ホメロトスとホッズは身分差を超えて、長年の親友の様に付き合っており、そんな祖父達の縁が手伝って、アーミュは王宮……しかも王族の私的エリアに出入りするようになり、ホメロトスからも本当の孫のように可愛がられてきたらしい。

 だからそんなお強請りも、普段から平気でしていた……いや、現在進行形だろうからしているのだそうだ。


 学院側にとっても『また王族の我儘か』と、すんなり要望を通し、当たり障りなく対処しているとの事だ。

 王族に面倒事を引き起こされる方が、厄介だと思っているのだろう。

 授業等全てにおいて他生徒達との接点はなく、姉ティルシーを含む生徒達にとって、ラフィラスは見かけたらラッキーもしくはアンラッキーと言われるような存在となっていると言っていた。


 珍獣キタコレ―――である。


 この辺の話はティルシーが持ってきてくれたもので、一応父ティルナスも軽くだが調べたらしい。それも当然だ。ティルシーが悪意ある噂話に踊らされれば、ウィスティリス家に傷がつく。

 とまぁ、その結果、話に『嘘・大袈裟・紛らわしい』はなかったそうだ。

 それはそれで問題しかない気がするのだがどうだろう……。



 で、だ……そのアーミュが起こしている問題と言うのが、勝手に厨房に入ろうとしたり、宝物庫の方へ入り込もうとしたりと、各方面を振り回しているのだそうだ。


「ですが、彼女が何かしでかしても、直ぐ王陛下も王子殿下も庇ってしまわれるので……」


 スザンナも振り回されているのか、心底疲れた顔で零している。


 それにしても厨房に宝物庫とは穏やかではない。

 特例で『小間使い』という職が用意されたものの、彼女の身分や立場では、宝物庫は勿論、厨房にも立ち入り出来ないはずである。


 そんな場所に入り込もうとするだなんて、嫌な予感しかしない。


(ぁ~……これまでそんな事はしてなかったのよね?

 それって…つまり………)


 ホメロトスが、エリルシアとラフィラスの縁を繋ごうと、今回の様に茶会だ何だと言い出す事が、最近は増えている。

 当のラフィラスも、何故かそれを嫌がりもせずに受け入れているのだ。


 仮にも王族相手なので、エリルシアの方から拒否する訳にもいかず、出来る事と言えば『一刻も早く王子サマの方から拒否してください!』と祈るのみである。


 ラフィラスからしたら、最初は同性と勘違いしていた事もあるし、幼いエリルシアは婚約者候補と言うより妹や子分に近い感覚なのかもしれない。

 だから敷居が低いのだろうと予測するが、そのせいで、アーミュが一人(いき)()っている状態なのだ。


 其処(そこ)へ来ての厨房に宝物庫……エリルシアの脳裏に浮かび上がったのは、数々のラノベや漫画達だった。






ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


もし宜しければ、ブックマークや評価、リアクションに感想等々、とても励みになりますので、何卒宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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