表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/140

109



「公爵は心配性だけど…それはレヴァンを大事に思っているからでしょう?

 …ぅん……少し、羨ましい…かな…。

 ぁ、でももう暫くはまだ他言無用でお願いしたい。

 レヴァンにも勿論…ね」


 ラフィラスの儚い笑みに、ジョストルは自分の失言を恥じた。


「殿下……私は…申し訳ございません。

 あのような発言を…」


 それにもあっさりと首を振ってから、ティルナスとマーセルの方へ顔を向ける。


「お願いする……ね

 調査した上で、王陛下や王太子殿下、妃殿下にも報告しなければならないから。

 まだ何もかもが不確実な状態で、騒ぎにはしたくない」


 そしてラフィラスは手紙を手に部屋から出て行く。

 小さな背中は、何処(どこ)か諦めに似た何かを纏っているようにも見えた。

 居た堪れない様子でそれを見送るジョストルに、ティルナスとマーセルも言葉が出ない。


「……すまない。

 みっともない所を見せた…」

「いえ……ですが、何と言うか水臭いですね。

 私は王子殿下も、みすみすネデルミスに送り出すつもりはありませんよ。

 この数年、殿下の頑張りは皆見てきたはずで、そう思っているのは私だけではないでしょう。

 まぁぶっちゃけると王陛下には…げふんがふん…ですが、次期王がラフィラス殿下なら、それはそれでありかと思っていますよ。

 さ、閣下の知ってる事、気付いた事、洗いざらい吐いて頂きましょう。

 あんな怪しさ満載の書簡、信じられる訳がないんですからね」


 マーセルがニヤリと笑う。


「ティルナスも…。

 殿下のお許しもあったから帰領は受理するけど、戻ったら忙しくなるからな?

 あぁぁ~、そうだ。

 往復の時間短縮に、特別仕様の軍用馬車を使えるように手配しておくよ。

 魔馬だからねぇ、速いよ」


 ティルナスにそう言うと、マーセルは追い出すべく手をヒラつかせて払った。


「いや、軍用って……出来れば謹んで辞退した「はいはい、とっとと行って、とっとと帰ってこい」……」


 マーセルは自身の親ほどの年のジョストルの肩をガシっと掴み、無駄に良い笑顔でティルナスを追い払った。








 ―――コンコン


 2回で止まったノック音に、ベスピネは走らせていたペンを止める。


「どうぞ」


 誰だろうと思いながらも、現在いる場所が執務室なので、誰が来ても不思議ではない。

 開いた扉の隙間から、落ち着いた色合いでありながら見事な光沢を持った暗いオレンジ色のドレスが見えた。

 ベスピネは半眼になりつつ、小さく溜息を落とす。


「入って…お母様」


 やや不安さを滲ませて冴えない表情のキャノリーヌが、そこには立っていた。


「ベス……忙しいのにごめんなさい」


 部屋の隅で控えて居た侍女に目配せをし、扉を閉めさせるとお茶の用意も指示する。


「丁度休憩を考えていた所ですから大丈夫でしてよ」


 そう言ってベスピネは母キャノリーヌを観察する。

 娘の自分から見ても美しい母親だと思う。

 実際、とても19歳にもなる娘がいるようには見えない。


 しかしなんとも……わかり易い母親だ。

 だからこそ側妃や妾ともあえて距離を取っているのだろう。

 頭が悪い訳ではないが、腹の読み合い探り合いは到底こなせそうにない女性だった。


「それで、何かご用ですの?」

「……」


 余程言葉にし難い話題なのだろうか……キャノリーヌは困ったように唇を引き結んでいる。







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


もし宜しければ、ブックマークや評価、リアクションに感想等々、とても励みになりますので、何卒宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ