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とうとう100話到達でございます!
ここまで続けられたのも、皆様のおかげです。
本当に…本当にありがとうございます<(_ _)>
更に不味い事に、当の侯爵令嬢…エリルシアに、ラフィラスもレヴァンも思いを寄せてしまっていた。
当然彼等も塞ぎ込み、ラフィラスなんて一時は痩せ細って倒れたくらいだ。
レヴァンも倒れはしなかったが、その内側は辛かっただろうと思う。
暫くして二人の少年は、揃って前を向き始めた。
誰に何か言われた訳でもなかったようだが、ラフィラスもレヴァンも、今まで以上に考え、働くようになった。
自身とホメロトス王のせいとは言え、失墜していた王家を貴族達が見直すようになったのも、ラフィラスとレヴァンの働きによるところが大きい。
ジョストルから見ても、エリルシアへの思いからだった事は明白で、ティルナスが仕事に戻ってからは、実は密かに婚約話を何度も振ったりしている。
あくまでやんわりと……だが。
ラフィラスが望んでいる以上、王家を差し置いて公爵家が動く事も難しく、本当にふわっとしか言葉に出来なかったが、ジョストル自身もエリルシアは欲しいと思える人材だった。
傷跡が残り、後遺症も…と言う話で、王太子ラカールは良い顔をしていない。
しかし王ホメロトスは勿論、フィミリー王太子妃が是としているので、ラフィラスに他の婚約話が持ち上がる事なく今に至っている。
実を言うと、まだたった一人の『婚約者候補』と言う立場は取り消されていない。
恐らく当のエリルシアは勿論、ティルナスを始めとしたウィスティリス家一門は気付いていないだろうが……。
何しろ本人はフィミリーに対してのみとは言え、拒否を言葉にしてから去っているし、その後誰も何も言わないのだから、気付いて居なくても仕方ないだろう。
ラフィラスについては、過去の黒歴史がそういう意味では良い方向に作用している。
アーミュと言う害虫が集っていた事で、女性側からの婚約希望の話が殆ど出てこないのだ。政略についても渋られるのが関の山。
その為3年程も経ったと言うのに、未だに『婚約者候補』と言う立場が保持されている。
反対にレヴァンの方が、婚約打診がかなりあり、ジョストルとしても頭の痛い話になっている。
レヴァン自身が女性嫌いと言う事もあり、諸手を挙げて受け入れている訳ではないが、独身を貫くのも致し方なしとは思っている状態だ。
しかし…とジョストルは思う。
ラフィラスが納得し、王家が手放してさえくれれば、公爵家で何としても囲い込むのに……と。
まぁ、全てはそれ以前の話で、当然ように婚約の打診も何も、全て無視された。
ジョストルは思い出して溜息を吐いた。
「あの……」
声を掛けられて、ジョストルはハッと顔を上げた。
騎士に何やら書簡を差し出されていた事を思い出す。
「あぁ、すまないな。
で、これは?」
差し出された書簡には、正しくネデルミス王国の紋章が刻み込まれていた。
「はぁ……実は…」
差し出した騎士の方はと言うと、どうにも歯切れが悪い。
一瞥した限りでは正式な書簡に思えるのだが、話を聞くうちにジョストルの眉間の皺が深くなっていった。
「どう言う事だ?
正式な書簡なのに、ネデルミスの外交担当者が持ち込んだものではない…?
いや、それはありえんだろう?」
ジョストルの疑問も尤もな話であった。
交易にしろ、それこそ侵略宣言にしろ、正式に国の意向を伝える為の書簡は、外交を担当する者、もしくはそれに準じる者が相手方に持参すると言うのが、近隣諸国の慣例となっている。
にも拘らず、今ジョストルに手渡された書簡は、国境でネデルミス王国の兵士から渡されたモノらしいのだ。
受け取ったロスリンド側の兵士も、これを不審に思わない筈はなかったのだが、どうみても印章は正式なものに見えた為、半信半疑ながら王宮への移送を決めたのだと言う。
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