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運命のマスティマ  作者: 鏡 香夜
(4) Vigil もう一つの仕事
58/112

【番外編2】実録、幹部会議!(2)

幹部会議の中休み。ミシェルはコーヒーを準備中。

ボスとアビゲイルは一時退席しており、会議室にいる幹部はジャザナイア隊長にグレイ、レイバン。

ジャズ隊長はテーブルに向い、白紙を前に唸っている。ペンを耳に乗せ、腕を組んで考え込んでいる様子。

 ミシェル「隊長、どうぞコーヒーです。休憩中も仕事ですか?」

コーヒーをジャズの前に置くミシェル。

 ジャズ 「来月が部隊報の発行月だからな。構成を考えてんだ」

 ミシェル「まさか、また動物ネタとかやらないですよね」(汗)

 ジャズ 「うーん。そのネタ、大反響だったからなぁ。でも、さすがに前回と同じじゃなぁ」

 グレイ 「面白くねーよな」

 レイバン「同感だ」

いつの間にやら隊長の傍にグレイとレイバンが寄ってきている。

 ミシェル「同じ例えるでも、もっと違ったもの方が」(無難な物をお願いします)

 ジャズ 「そうだなぁ」

 レイバン「自分が提案を。隊長、テレビや映画に出てくる集団に例えるというのはどうだろう」

 グレイ 「面白そーだな」

 レイバン「自分が思うに……」

レイバンの言葉を遮るジャズ隊長。

 ジャズ 「『特攻野郎Aチーム』だろ!」

 他の三人「えー?」

 ジャズ 「ハンニバル大佐がボスでな、コングがレイバン、イエローモンキーがグレイで、おれがフェイスマンだ。ブラジャーからミサイルまで何でも揃えてみせるぜってな」

 ミシェル(隊長、そのセリフが言いたかっただけじゃ……)

 ジャズ 「あいつらのパワフルさは、おれたちに通じるものがあるんじゃねぇか」

グレイが片手を上げてアピール。

 グレイ 「オレは日本の漫画でいくぜー。その名も『ケロロ軍曹』だ」

 レイバン「ケロケロだと? なんだ、それは」

 グレイ 「カエル型宇宙人の出てくる話で……」

説明を始めるグレイだが、日本の、それも漫画に疎いレイバンやジャズ隊長は付いていけていない。

 グレイ 「ケロロがジャズ隊長で、いつも武器持ってるギロロがボス。存在感のないドロロがレイバンで、マスコットキャラのタママはオレか? クルルはオスカーかなー」

 レイバン「存在感がない? 聞き捨てならんぞ、グレイ」

 グレイ 「ホントーのことじゃん」

 ジャズ 「グレイ、部隊報向けじゃねぇな。カエル型宇宙人って、それ聞いただけでボスのお冠決定だぜ」

 レイバン「だから自分の……」

 グレイ 「ミックはどーなんだ。何か案はねーのか」

 ミシェル「レイバンが言いたそうですけど」

ちっと舌打ちするグレイ。やっと自分の番が来たと得意げに話し出すレイバン。

 レイバン「自分が思うのは、『ミッション・インポッシブル』だ。インポッシブル・ミッション・フォース(IMF)こそ自分たちの姿だ」

 グレイ 「トム・クルーズが演ってたアレか。インパクトねー」

 ジャズ 「ありきたりかもな」

二人とも食いつきがいまいち。

 グレイ 「やっぱり、ミック、お前の案言ってみろ」

 ミシェル「そんな急に言われても」(困)

 グレイ 「映画でもドラマでもアニメとかでもいーんだからな」

グレイの猛プッシュにたじたじのミシェル。

 ミシェル「じゃあ、日本の……サザエさんとか」

 ジャズ 「サザエさん? 海鮮料理番組か?」

 ミシェル「マスティマはある意味、家庭的アットホームだと思います」

 グレイ 「キャラ設定は?」

 ミシェル「えっと……ジャズ隊長が行動派の長男カツオ、グレイがしっかり者の次女ワカメ。レイバンが甘えん坊のタラちゃん」

 レイバン「甘えん坊……」(悩)

 ジャズ 「なんだ、ファミリードラマか」

 グレイ 「じゃあ、ボスって、まさか」

 ミシェル「雷親父の波平さん……?」(汗)

爆笑するグレイ。ジャズとレイバンは知らないため、訳が分かっていない。

 グレイ 「インパクトはあるけど、他の連中は知らねーみてーだな」

 ジャズ 「インパクトこそが大事だ。よし、それで行くぞ。そのアニメの注釈入れてな。絵のうまい奴にキャラも描いてもらおう」

 ミシェル「え?」(大汗)

 グレイ 「サザエさんって日本を代表するアニメだもんな。長寿番組らしいし」

 ジャズ 「そりゃ、あやかりてぇな」

ミシェルの拒否の言葉もむなしく、マスティマの部内報に掲載されることとなった、マスティマ幹部をサザエさんキャラに例えたら、By某コック。はてさてその反響は?


 ボス 「こんなつるつる頭が俺か?」

例のごとく、呼び出しを食らったミシェルは沈黙。

 ボス 「なんか言い訳あるか?」

半ばヤケになった彼女の答えは……

 ミシェル「波平さんはつるつる頭じゃありません。毛が一本生えてます」

 ボス 「そんな問題じゃねえ!」(怒)

ああ、今日もまたマスティマの城に衝撃銃の音が鳴り響く。

日曜日の定番アニメであるサザエさん。その魅力もマスティマのボス、ディヴィッドには伝わらなかったようで。

部隊報にはもう二度と関わるまいと心に決めたミシェルでありました。

次回予告:なにかとストレスが多いマスティマのコックの仕事。ミシェルはリラックス・ポイントを見つけたのだが……。

第57話「フェアリーテイル」


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