馬鹿なキツネと惨めなタヌキ
「ごめん、別れよう。」
馬鹿みたいに明るいBGMが流れる喫茶店で、目の前の馬鹿な顔した男が言った。悲しい。悔しい。惨めだ。色々な感情がごちゃ混ぜになって、アイメイクがドロドロになるまで泣いた。咄嗟に店を飛び出して、近くのコンビニに逃げ込んだ。トイレの鏡で見た自分は、目の下が真っ黒でまるでたぬきみたい。
男って馬鹿だから、たぬき顔のあざと巨乳が大好きだよねほんと。1年半付き合った彼氏は、そんな馬鹿たぬきとヤッて、私を振った。私は騙されないよ、女狐め。死ぬまで恨んでやるから。毎日呪いの念を贈るのも面倒なんだから、早く死んでね。
適当に顔をゴシゴシと擦って洗い流し、カップ麺だけ買ってコンビニを出た。お湯沸かしてる間に1日目の呪いでもかけようかな。あーあ、だる。