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後日談 悪夢

「なんだよこれ」


モドキが書いたであろう学校新聞に書かれていたのは、俺と武が悪魔憑きである。ということだった。

視線が自分に集まって行くのを感じる。

とっさに俺は走った。廊下を走って走って、その間もずっとずっと、視線は集まり続けた。


「おいモドキ! あの記事はどーいうことだよ! 」


「どういうことも何でもない。悪魔憑きが……」


モドキを囲んでいた人達は俺を見ている。軽蔑の目である。


「優真君の真似なんて止めて、本性を現したらどうだ。僕を襲ったときみたいにな」


「なにいってるんだよ! 俺がお前を襲ったって……」


「残念だが、証拠写真がある。君も学校新聞を見ただろう? 」


「確かに見たけど! あれってフェイクか何かじゃ……! 」


「フェイクな訳無いだろう? とにかく今ここに君の居場所はない。皆のためにも去ってくれ」


「何言ってんだよモドキ! 俺には何がなんだか……! 」


「うるせぇぞ悪魔憑き! 」「ここからいなくなれぇ! 」


罵声飛び交う教室を離れ、俺は学校の外にたっていた。


あの子じゃない? 警察が探してる悪魔憑きって。


聞こえてくる 探す声が。感じる 軽蔑の目を。


家へと走り戻る。


お母さんは玄関の前で待っていてくれた。俺の姿を見て泣き出しそうになっている。今まで学校抜け出してきた事なんてなかった。だからだろうか?


「ただい……」


「出ていけ」


「へ? 」


頭が真っ白になった。


「出ていきなさいこの悪魔憑き! 私の息子をするな! 」


包丁を振り回しながら叫ぶ母をみた。


「母さん何を言って……」


「ででけこの悪魔! 」


今の俺には居場所がない。どこへ行っても悪魔憑き、悪魔憑き、悪魔憑き。


家からも追い出されてしまった。


……武はどうしているのだろうか。


気づけば俺は、武の家の方へと走り出していた。


武はきっと俺と同じ状況に違いない。今頼れるのは、武しかいない。


期待を胸に武の家の近くに行くと、何やら騒がしい。


見れば、家の前にパトカーと、人だかりができていた。


遠くから聞き耳を立てる。


「あら何か事件でもあったの? 」


「どうやら、親が悪魔憑きになった息子さんを殺しちゃったんだって~」


俺はその場から逃げた。怖くて怖くて怖くて。助けたはずの友達が自身の親に殺されて、俺は居場所を失って、俺は……。


ーーー何でこうなったか……教えてやろうか


「何の用だ」


ーーー貴様は願いを言ってしまった……それが全ての原因だ


「どういうことだよ! 」


ーーー我ら神の使いは……貴様らのいう悪魔というやつだ


「……は? 」


ーーーつまり貴様は、悪魔憑きになってしまったと言うわけだッハハハハハハハハ!


「俺が……悪魔憑き……? 」


ーーーそう。だが我は確実に、貴様のお友達を助けた。


「じゃあなんで殺されてんだよ! 」


ーーー治し方がわからない病気が突然治ったと言われたとしてら早々信じられるものではない。まあ結果的に、アイツの親は正常な子供を殺してしまったのさ。面白いとは思わぬかる


「あ……あ……あああああああああああああ!! 」


ーーーおっ出てきたな。うむ。やはり旨くて食えたもんではない。だが生きるためだ。仕方なく食ってやる。


「……何言ってんだよお前」


ーーーまあ、そんなことはどうでも良い。貴様はこれからどうするのだ? 捕まりに行くのだけはよしてくれよ?


「どうなっても捕まることはない。ただ撃ち殺されるだけだ」


ーーーならばどうする?


「給料取ってどっかに逃げる」


ーーーいい案だ



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