神の使い
さっさと起きろガキ。
ーーーーー
チッ。なんでこんなやつの中に入らなきゃいけねぇんだよ。ったく
ーーーー?
さっさと起きろ。我は腹が空いて空いてしょーがない
ーーー…?
貴様がさっさと起きなければ我が死んでしまう!
ーー……?
いい加減起きろクソガキ!
ー……こ?
やっと目を開けたな? 長い時間、我を待たせるとは……!
……ここは、どこだ? 辺り一面が暗闇で埋め尽くされて……? あれ? 俺の部屋?
「今、連想したな? 目覚めたらどうなるかを想像したな?」
「ここは、俺の部屋の中……なのか? 」
「そんなところではない。そうか、ここが貴様の部屋の風景か」
何言ってんだ……コイツ
「今、何言ってんだって思ったな? 全て筒抜けだぞ? なんせここは貴様の心の中だからな 」
「……お前誰だ」
「我は……神の使い」
「夢だな。寝るか」
ZーーーZーーー
「なにを寝ている。夢なわけあるかさっさと起きろ」
「いったぁ! 蹴ることねぇだろ!? 謝罪しろ謝罪! 」
ベッドから蹴りおとされた。痛い。
「神の使いが人間ごときに謝るわけ無かろうて」
「お前もアイツと同じタイプか。もういいや、さっさと要件言えよ」
「我は今、死にかけている」
は?
「この状況を脱するには、貴様との契約かが必要だ。我が願いを1つだけ叶えてやる。その代わり、お前は我の宿となり餌場となれ」
「やだ」
「なぜだ」
「叶えてぇ願いがない。それと、宿と餌場ってなんだよ」
「宿はここ、貴様の心の中。そして、餌は貴様の感情。感情が高ぶると溢れ出すエネルギー、それが俺達の食料だ」
「それなら保留。とりまさっさと起きて、モドキを追いかけねぇと」
「おいなぜ窓を開ける」
「ここから下に向かって……よっと」
「おいまて止めろバカそんなことしたら……あぁ、潰れたな……。他に考えつかなかったのか? ありゃバカというやつだな。出れなかったらどうする気だったんだ? 」
……。
「……まあいいか」