ゴミ荒らし探し
「それで、遠吠えが聞こえるまではどうするんだよ」
「それらしいルートで適当に歩く」
「あ、そう」
「不満か? 目撃された時間は少し前から2時間の間。かといって、ここで遠吠えを待つのは、教師陣に目撃される可能性がある」
「へんな印象持たれるくらいなら、歩いた方がマシか」
「それでは向かおう、ルート66へ! 」
「なんでそんなにルート考えてるんだよ? 」
「ナンバリングはただの飾りだ。ルートは一通り、それも大雑把にしか決めていないぞ」
「やめちまえそんな名前」
学校から家の反対側へと歩き始める。
それからしばらくして話し始める。
「優真君。君はなぜ私のことをモドキと呼ぶのだ? 」
「そりゃ、ちゃんと調べる前に俺に取材しようとするくらいいい加減だからな」
「明日の新聞のネタにする予定だったのだ。それなら、調べてからでは遅いだろう? 」
「そんなの次に回しちまえ」
「次のための取材など今するわけがなかろうて」
「ネタ切れって、新聞部としてどーなんだよ」
「絶望的な状況だな。だが大丈夫だ。なぜなら我が校に悪魔憑きが現れたというビックニュースが一面を飾るのだから! 」
「まだ決まったわけじゃないだろ」
「友達を庇いたいのは分かるが、ここまでの情報と何日も欠席していること。そして、その理由は不明。ここまでの事実がある以上、ほとんど確定しているようなものだ」
「どうだか。……? この鳴き声は」
公園の横を通っていた時、オーンオーンオーン。遠吠えが聞こえてきた。
「これが例の遠吠えか! おいモドキ! この先にあるゴミ捨て場の場所……は? 」
「スクープだあ!!!!!!!」
走り出していた。モドキは、俺の声を聞く前に、すでに、遠くに、行ってしまっていた……。
追いかけようとしたその時、急に力が抜ける。眠ろうとしているのが分かる。目蓋が閉じる。
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