「さよなら僕の好きな人」
中学生が書いた小説です。試しにちょっと書こうと思った程度なので、クオリティに関してはご了承ください。
僕は、目の前の光景を信じたくない。彼女が、車に跳ねられる光景なんて。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。嫌だ。戻りたい。
「次こそは救う」
彼女が向こうからやってくるのが見える。僕は手を振った。彼女は笑いながら、僕に手を振った。その時だ。車が突っ込んできた。グチャリと嫌な音が響いた。
「え」
目の前で何が起きたのか、僕は理解が追いつかない。僕は、大好きな彼女を救えなかったのだと理解した。無力な自分が嫌になった。
神様、お願いです。無力な僕に力をください。
そう思った途端、周囲が光に包まれた。
交差点。彼女が向こうからやってくる。
「え?戻った?」
理解し難いが、戻ったんだと思う。この時間、この場所、遠くからやってくる彼女。なんで戻ったなんかどうでもいい。彼女を救わなくては。僕は走った。
そして、彼女を押した。その直後、車が突っ込んできた。
救えた。
「大丈夫?」
「う、うん」
車に乗っている人も無事だった。
「じゃあ、行こうか」
と僕は言い、彼女と手を繋いだ。
しばらく歩いていると、急に彼女が飛んで行った。いや、轢かれた。自転車に。
「え?」
繰り返した。
何度も。
繰り返した。
何度も何度も。
繰り返して繰り返して。
それでも。
救えない。
無力な自分に腹が立つ。
車に轢かれた彼女を抱きしめる。
「ごめん、ごめん、何度も何度も試してるのにさ、救えないよ。ごめん、ごめん。」
泣き叫んだ。声が枯れるまで。
「もう、いい、よ。あ、りが、とう」
血だらけの彼女は精一杯の笑顔で言った。
なんで、笑えるんだよ。なんで、僕を責めないんだよ。
無力な僕を。何度も繰り返しても救えない僕を。
君はどうして優しくするんだよ。
更に涙が溢れてくる。
「たす、けよう、と、して、くれる、だ、けで、うれし、いよ、うえから、みて、るよ.......」
その言葉を発して彼女は亡くなった。
泣きじゃくった。ずっとずっと泣いていた。
春が来た。僕はある人の墓の前にいる。
大切な人の墓。今日、やっと僕は家から出た。3年ぶりの空だった。僕は空に向かって言った。
「これから、頑張るからさ、空から見守っててよ。」
さよなら僕の好きな人。
夜月桜麗です。麗さん、と呼んでくれると嬉しいです。本作はよくありがちな話となっていますが、どうでしょうか。次回作は、短編ではなく、連載をしていこうと思っています。今後ともよろしくお願いします!