相棒
ルーンが、好きです。
夜の草原、
蒼い光だけがぼんやりと辺りを照らす中
あぐらをかいて座る圭介の膝の上にルーンはいた。
ルーンとの遭遇で、偶然開けたステータスを圭介と一緒に眺めるーン。
違う…眺めるルーン!
「ルーーン?」
パーティーメンバーのリンとカインのステータスを確認する圭介に、
リンの名前に腕を伸ばすルーン。
ジェリーの腕が、細く長く伸びる。
「やっぱ、伸びるんだな」
「ルーーン↑」
褒められて嬉しいかのように、ニコニコするルーン
「やっぱまずは、パーティー探しだよな…」
ルーンは敵ではなさそうだが、
間違いなく Ifstory7のモンスターだ。
そのルーンが現れたということは、
ゲームの世界の別のモンスターが現れる可能性は上がった。
そしてこの草原、見える村の風景、ステータスの状態から、
圭介がプレイしていた続きの状態だと考えると、装備も整えつつ…
「仲間を探さないと先には進めなさそうだ。」
先程確認した ケイのステータス
【ネフティナータ】との戦いでレベルが上がり56になり、
その直後、
HPとMPを全回復してから、ハリメル村のセーブポイントでセーブした状態だ。
アイテムも、所持金も
【ネフティナータ】戦後のゲームの状態と同じだった。
「なんで、アイテムや金はあるのに、
装備はなくて、パーティー表示はあるのに、仲間いねぇんだよ!」
圭介が、誰に対してかわからないツッコミを入れると、
「る、ルーン↓」困ったような顔でルーンが声をあげる。
そんなルーンの頭をぽんっと叩き、
「俺のここでの、最初のパーティーはお前だな」
「仲良くやろうぜ。相棒」
声をかけると、
ゲーム上で、コマンド選択した時と同じように、
「ルーン↑」と笑いながら、
くるくるとルーンが回る。
その癒やされる仕草に、少し前向きになる圭介
「さてと、だいぶ寒くなってきたし、この世界から出る手立ても見つからねぇ…」
「野宿は御免だ。ハリメル村で宿に泊まろう」
「ルーーン↑」
嬉しそうに 跳ねるルーンとともに、
草原から、
近くに見える村へと1人と1匹は歩き出した。