1ー5 魔法使いに、俺はなる②
取り敢えず投稿です。
まず間違いなく後で修正いれます
後、これまで説明回や考察回ばかりでしたがこの先からはもう少しテンポよく進める予定です。
あぁー、時間がほすぃ
魔法を使うにはどうすればいいのか。
これがここ最近ずっと考えている事だった。
この間の会話からこの世界に魔法が存在する事は分かったものの、その後どうやって扱うのかまでは語られなかったのだ。
本当なら根掘り葉掘り使い方を聞きたいところではあるんだけど、まだ意思の疎通が出来ないという事も分かったので誰かに教わる、という事も今は出来そうにない。
まぁ喋れるようになるまで待てばいい話ではあるんだろうけど、俺は今、使いたい。
すぐ使いたいのだ!
あと数年の我慢?
無理無理、長いよ。
俺、やりたくなったら即実行派だから。
買いたい物があったら即決で買っちゃうタイプの人間ね。
大抵その半分くらいは勢いで買ったものなのですぐに使わなくなるんだけど。
それに俺の性格は置いておくとしても今は丁度寝る事と考えることくらいしかやる事がなかった所だ。
そう考えるなら時間の有効活用にもなるわけだし、俺の欲求も叶えられる。
まさに一石二鳥だろう。
と、いうわけで早速だが自分で色々と試行錯誤してみようと思う。
まず俺の知っている魔法とこの世界の魔法の概念が同一であるかどうかだが、これに関しては一緒だという仮定で進めていくしかないだろうな。
今は使い方と一緒で確かめようのない事だから。
個人的には一緒であって欲しいと思うけど。
「魔法」って名前なのに全然違う力だったらなんかガッカリだし。
次に一番頭を悩ませている「使い方」だ。
言葉での詠唱が必須の場合、結局喋れるようになるまで待たなくちゃいけないんだけど・・・まぁこの手のラノベやアニメの主人公は殆どが無詠唱の使い手だし、似たような境遇の俺もきっと無詠唱で何とかなるだろう。
楽観的すぎるかもしれないけどまぁダメだったらダメだった時だ。
まずはやってみる事が大事だって上司の長沢 健二部長も言ってたし。
いや、決して面倒くさい理論とか置いておいて取り敢えずやってみたかったとかそういうわけじゃないんだよ?
マジですて。
・・・さて。
気を取り直して早速やってみよう。
レッツトライだ!
(メ◯!)
俺は仰向けに寝たまま天井に向かって手を突き出し、魔法といえばこれだろうと頭に思い浮かんだものを心の中で叫んでみる。
しかし、当然ながら何も起こらない。
まぁこれは想定の範囲内だ。
実際に発動するとも思ってなかったし。
そもそも室内で攻撃魔法が発動したら大惨事だろう。
こう、ドカンッと。
ん?
・・・もし、◯ラが本当に発動していたら天井が大変な事なになっていたのだろうか?
そうなるとその下にいる俺も無事なわけがないよな。
「・・・・」
俺は自分の軽率な行動に少し身震いした。
想像するのは落ちてくる瓦礫の下敷きになりグチャッと潰れる自分。
・・・うん。
攻撃魔法を試すのはやめておこう。
決してビビった訳ではない。
冷静に考えての事だ。
俺はチキンじゃないぞぅ。
(ホイ◯!)
今度はさっきの反省を活かして回復呪文にしてみた。
しかし発動した様子はない。
というか別に怪我とかしてないし発動しても気付かないか?
次だ。
(ルー◯!)
・・・これもダメか。
基本的にドラゴンなクエスト系の呪文はダメみたいだな。
ならF◯の呪文にしてみるか?
それともテイ◯ズ?
なんかどれもダメそうだな。
(ヒール!ファイアボール!アクアボール!メテオストライク!エアカッター!エターナルフォースブリザー◯!!)
ものは試しという事で異世界の魔法にありそうな呪文を一気に言ってみたけど相変わらず何も起きなかった。
最後のだけちょっと違ったような気もするけど。
うーん。
ここまで何も起きないとなると、考えられるのは決まった呪文を一言一句間違えずに唱えなければならないのか、やはり口に出して唱えなければならないのか・・・いや待てよ。
何か忘れてるような。
魔法を使う時に必須なものを。
なんだろう。
魔法を使う上で必要なもの・・・詠唱、杖・・・それともトンガリ帽子?
いや、どれも違う。
もっと根本的な・・・
・・・あぁそうか。
分かった、魔力だ。
魔法を使うには当然元となる力がいるはず。
それがこの世界で魔力というのかSPというのかTPというのかは分からないけど、いずれにせよそれらが扱えるようになるのが先決か。
つまりは呪文をただ唱えるだけじゃなくその元となる力の扱いからマスターするべきだったというわけだ。
果たしてこの考え方が正解なのかは答えがないから分からないけど。
でも勉強やスポーツなんかでもまず始めにやるのは基礎を覚える事だし、考え方としては間違ってはないはず。
それに思い返せば幾多の作品の主人公達も幼少期から魔力の総量を増やす作業をしている事が多いしな。
よぉし、そうと決まればまずは自分の魔力を見つけるところから始めようか!
(覚醒しろ!俺の魔力!さぁ早く!今すぐに!)
むっと難しい顔で目を瞑った俺は心の中でイタイセリフを吐く。
俺としては至極真面目にやってるつもりなんだけど、これ、他人から見たらただ赤ちゃんが寝てるようにしか見えないよな。
中々滑稽だ。
って、ダメだ、完全に思考が逸れてる。
もっと集中して・・・
集中、集中。
あの世界にいた時にはなかった力なんだから、ハッキリと違いがわかるはずだ。
むむ。
むむむ・・・。
そのまま瞑想するが如くひたすら集中する。
身体のどこかに・・・馴染みのない感覚がないか?
違和感のある場所はないか?
それらを探すのに全神経を傾ける。
するとある瞬間にボンヤリとだが何かを感じた。
お?
おぉ?
もしかしてこれが・・・
魔力というやつだろうか?
確かに感じた感覚を確かめるように胸に手を当てた俺は閉じていた目を開くと首を傾げる。
変な感覚があったのは身体の胸の奥あたりだ。
集中して感覚を研ぎ澄まさなければ分からない程度の違和感であったが、一度意識するとその後は割とすんなり認識できるようになる。
確信はないけど、この変な感覚が恐らく魔力なのだろう。
もしくはそれに準ずるもの。
そうであって欲しい。切実に。
嘆願のような感じになってしまうが、もし違うとしても今はこの変な感覚以外に思い当たる違和感は無いの今はこれが魔力だという事にしておこう。
(ということは、よし!第一段階はクリアだ!)
久しぶりに異世界要素のあるものに触れ、テンションが上がる俺。
最初は転生やケモっ子メイドなど異世界要素満点な出だしだったが、ここ最近はメッキリなかったもんなぁ。
だが、それも今日までの話だ。
こうして魔力の存在に気付けた以上、これから先は異世界もののテンプレらしく華麗なる魔法使い人生が待っているはずなのだから。
ただ寝ているだけの食っちゃ寝ニートとはもう言わせないぜ!
俺は、テンプレ先生に選ばれたエリートなのだ!
(魔法使いに、俺はなるぞ!)
そう固く決意する。
しかし、この時俺は気付かなかった。
テンプレがあるのなら、「フラグ」もあるという事を。
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