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機械仕掛けのバーディー  作者: 陸奥守
第3話 オペレーション・キングフィッシャー
23/358

自立思考戦車との戦い方


 ――――カナダ西部 ブリティッシュコロンビア州

      カナダ標準時刻1945




 腕を組んで椅子の上の女性を見ているドリー。

 その言葉に呆然としているチームの面々。


「なんでCIAがNORADの国連軍をハッキングしてるんだ?」


 ジャクソンのつぶやきはもっともだ。国連軍の諜報活動はNSAが中心になって行われている。それに対し、ある意味で身内と言うべきCIAがヒューミント活動している……


「ジョン。アリョーシャを呼び出せ」

「へい」


 再びジョンソンは小型パラボラを展開して通信回線を開いた。

 サムアップで回線成立をテッドへと報告すると、いきなりテッドはアリョーシャを呼んだ。


『テッドよりアリョーシャ』

『……なんだ?』

『事前情報とだいぶ違うが、そろそろ核心を言ってくれ』


 テッド隊長の言葉がいよいよ剣呑だ。

 怒っているとメンバーの誰もが思っている。


『……核心?』

『何処まで知ってたんだ?』

『正直に言うが、まさかCIAが手を出して来てるとは思っても見なかった』


 アリョーシャの声をジョンソンは無断でチーム無線にも流した。その声を聞いていた面々は、そこはかとなく流れる陰謀の匂いを感じている。担がれたのでも体良くあしらわれたのでも無く、二つの組織の争いに巻き込まれた。

 バードは『冗談じゃ無い!』と、強く言ってやりたい衝動に駆られた。だが、そんな激情を吹飛ばすかのような鈍い爆発音がふたつ。地下室から響いてきた。


「やべぇ!! マジやべぇ!!」

「全員無線切れ! 早く!」


 唐突に無線をジャックしたライアン。無線の中にザーというノイズが流れ、それが何らかのデジタル信号だとバードが気が付いた時には、膨大な量の情報が行き交った様だった。

 しかし、それがなんだか解らないうちに一瞬視界がチカチカと明滅し、その直後にクラッとするような眩暈を覚えタタラを踏んで膝を着いた。


「アリョーシャ! 今すぐ射殺を提案する! この(あま)ヤバ過ぎる!」

「全ての勢力にとってそれが一番ハッピーだ!」


 ライアンとペイトンが興奮した口調で話を続ける。

 だが、テッド隊長は冷静だった。


「どう言う事だ?」

「どうもこうも!」


 ライアンがよろめきながら地下室から出てきた。

 小規模な爆発に遭遇したように、全身へ黒い煤を付けている。


「一瞬で最新鋭の身代わりユニットを2段貫通して自爆させ、オマケに俺やペイトンのサブコンをハックしやがった。ふたりまとめてやられるなんて!」


 興奮しながらまくし立てるライアンに続いてペイトンが出てきた。

 火のついている身代わりユニットを持ち出して雪原へ放り投げた。


「ここまでヤられたのは初めてだ。慌ててケーブル引き抜いたけど……」


 山荘前のメンバーをグルッと見回してバードの異変に気が付くペイトン。


「バード! 大至急システムチェックしてくれ!」

「ちょっと待って、右腕が動かない」


 ライアンとペイトンがハモッて叫んだ。


「「エネミー()サイドから見てヤバい順にシステムハックされたって事だ」」


 メンバーそれぞれがシステムチェックを始めるのだが。


「状況の如何に関わらず、まずは逮捕だ。その上で検討する」

「だけど隊長。その小娘。増援呼んでます!」

「CIAかどうかすら怪しいです! アンノウンの勢力へ救援要請してます」

「どんな理由にしろ、この女はレプリじゃ無い可能性が高い。故にまずは逮捕だ」


 テッド隊長はガンと譲らない。バードはどうもそれが腑に落ちない。

 だが、隊長はいつもそうだと気が付く。


 テッドという人物は自分自身が信じている『正義』を常に体現し続けている。

 一切ぶれる事無く、矛盾無くだ。

 だからこそジョンソンやスミスと言った場当たり主義を嫌う男たちがテッドを信じているのだ。


「あ!」


 スミスが空を指差した。

 上空に大型ヘリが飛んでいた。


「CV-108大型ヘリ!」


 ヘリコプターと言うよりティルトローター機が上空に居る。

 その下部ハッチが開き、昆虫型の大型機械が三機ほど空中投下された。


シンク(自立思考戦車)だ!」


 絶叫したスミスが直後に直撃弾を受けて吹っ飛んだ。

 至近距離からの射撃で回避する時間すらなかった。


「スミス!」

「まだ生きてますが戦闘不能です」

「動けるか?」

「なんとか」

「逃げ続けろ」


 手短に指示を出したテッド隊長が銃を構え制圧射撃を始める。だがしかし、サブマシンガン程度でダメージを受けるような代物ではない。軍用の戦車と違い、暴動鎮圧や逃走車追撃などに使われる機材だ。少々の打撃力ではへこたれないタフさが売りだ。


「何あれ!」


 サブマシンガンを射撃しながらバードは叫ぶ。


「自立思考戦車だ! 国連軍兵器だぞこれ!」


 ジャクソンは絶叫しつつS-16を構え狙いをつける。

 おそらくこの武器でも有効打にはならない。


「それは知ってる! 何であんなのと戦うのよ!」

「知るか!」


 ジャクソンの声を掻き消すようにテッド隊長が指示を飛ばす。


「とりあえず制圧しろ! 複数の戦車が相互通信しながら群れで戦うタイプだ。慎重に距離をとれ!」


 テッド隊長もサブマシンガンで牽制射撃しつつ距離をとり始めた。弾体加速型火器でもL-47クラスでなければ装甲を貫けない。火薬発射なS-16など豆鉄砲レベルと言って良い。


「オマケに八本足の高機動型だ。メードインジャパンのモンスターだ!」


 動けない筈のスミスが冷静に分析してる。

 通常の多脚型自立戦車なら六本足の昆虫型が基本だ。しかし、今ここに居る多脚戦車は八本足で接地重量が軽く高機動を実現している。多降雪地域である北海道などで使う為に作ったと言われる日本製の自立戦車。


 その戦闘力はエアバレル(空中戦車)程ではなくとも、サイボーグを含めた人間サイズの兵士など問題にしない制圧力となる。応戦せねば一方的に殺される事になるのが目に見えている。ジャクソンはシンクのアンテナ目掛けて射撃を始めた。


「っおし!」


 火花が飛んでアンテナがマウント部から折れた。細く短いアンテナだが、スナイパーの射撃までは考慮されてないようだ。次々と通信アンテナを破壊し、思考戦車のRAIDモードが停止し始める。


「相互通信を封じた! 一輌ずつ破壊しよう!」


 ジャクソンは射点を次々と代えながら撃ち続けている。粉雪が静かに舞う山荘前は、問答無用で乱戦モードに陥った。そんな中、バードはハッと気が付いてシステムのアプリタグからレールガンのコントロールアプリを立ち上げた。


「あれ?」


 だが、システム起動の真っ最中にアプリがフリーズしてダウンした。

 

 ――――なんで?


「レールガン使用不能! アプリがダウンします!」

「バード! お前のそれが切り札だぜ! 再起動掛けてみろ!」


 ライアンの絶叫が無線の中に響く。バードはハッキングしている女の乗る車の影に隠れると、システムの再起動をかけ始めた。一旦アプリテーブルをメインシステムから切り離し、メモリをクリアにしてからの再起動。士官学校の義体制御学科で散々やった事を思い出す。


「ダメです。おそらくOS側をやられました!」

「やむをえん! 手持ち武器で応戦しろ! お前達勝手に死ぬなよ!」


 無茶な指示だがそれしかない。テッド隊長の怒気を孕んだ声が無線に流れる。


ECM(電子戦妨害)を行う! 通信は完全に封じる筈だ! メンバー間通信にECCM(電子妨害対抗装置)を使ってくれ!」


 通信担当のジョンソンが電子戦を始め、通信妨害を始めた。

 直後、思考戦車は相互通信機能を封じられ群れとしての集団戦闘をやめたらしい。だが、思考戦車は各個単独でも面倒な戦闘力を持っている。


「パンツァーファウスト置いてくるんじゃなかったな!」


 リーナーはそんな事をぼやきつつ、森の中から木の枝を出してきた。工作員の乗ってきた車の中にあったダクトテープで手持ち手榴弾を枝に巻きつけ、即席の収束手榴弾にしている。動けなくなったスミスの分まで巻き付けたそれは、手榴弾五発の凶悪な姿だった。


「ビル! 援護してくれ!」

「あいよ!」


 雪原の上で思うように動けないBチームだが、連携戦闘は出来る。あえて思考戦車の射界に入り射撃優先順位を自分へ集めてから、ビルはパラボラアンテナ付き車両の陰へ逃げた。


 ビルだからこそ瞬間的に気がついたトラップ。スパゲッティシンドロームな女性が増援を呼んだなら、この車両には射撃しない筈。案の定、弾道誤差圏内に車両が入った途端、射撃を停止した。

 しかし、一瞬の時間的隙間は強烈な反撃を行うには充分だ。リーナーは作動ピンを引き抜いて思考戦車の上に即席収束手榴弾を放り投げた。


「全員伏せろ!」


 ズン!と地響きを立てて手榴弾が爆発。顔を上げたバードの頭上へ破片が空中から降ってきた。油圧が抜けて擱座したシンクはバチバチと火花を散らしながら機能停止している。


「残り二輌!」


 リーナーはまたも同じ様に手榴弾の収束体を作ってシンクへ肉薄した。工兵であるリーナーにとっては、これが本業ともいえるのだが、言うまでも無く一番危険なポジションだ。


「ダメだ! リーナー! 戻れ!」


 ビルが叫ぶより早くシンクのターレット(砲塔)が旋回した。バードの位置からもガトリング砲のバレルクラスターが回転しているのが見えた。


「あ! ダメ! リーナー!」


 バードも叫んだ。銃を構えてバレルクラスターの中心部へ数発射撃した。鈍い火花が飛び散ってクラスター部が飛び散るように崩壊した。高速回転するバレルクラスターだけに、僅かな打撃で問題が出たのだろう。


「ナイスだバード!」


 リーナーが投げたクラスター手榴弾はターレの直ぐ上辺りで大爆発した。弾薬庫に誘爆したのか、ありえない位の大爆発が起きてシンクがガクッと膝を着き、全く動かなくなって沈黙した。


「最後の一輌だ! バード! 援護してくれ!」


 リーナーはまるで恐怖を感じないかのように最後の一輌へ肉薄する。先ほどと同じ様にターレが旋回し狙いを定めた。バードは同じ様に狙いを定めて支援射撃を始めるのだが、今回は射撃モードに入ったクラスターの回転が止る事は無かった。


「ダメ! 戻ってリーナー!」


 ただただ、叫ぶしか出来なかった。次の瞬間。猛烈な射撃音が響いてリーナーの身体から火花が飛び散った。


 リーナーの身体が腹部付近で真っ二つに切れた。接合部分から油圧ラインのオイルが飛び散り、高圧電源のケーブルがショートして火花が飛び散る。だけど、サイボーグならまだ戦闘は可能……


 (地獄に落ちろ ベイビー)

「Hasta La Vista、baby!」


 ポイッと投げた収束弾がシンクの屋根に張り付く。直後に大爆発を起こし、油圧が抜け前脚二本を残して擱座した。だが、こっちのシンクはまだ機能の大半が生きているらしく、ターレットが左右に動き敵を探している。

 自分に手痛いダメージを与えたリーナーを攻撃優先順序一位にしてるのだろう。だが、体を真っ二つにされたリーナーは雪原に転がったまま動けない。幸いにしてターレットの稼動範囲外に転がっているリーナーはとどめの一撃を貰う事が無いようだ。

 だが、まだ何とか戦闘可能な手負いのシンクは、残弾を撃ちつくす事を選択したのか、周辺から牽制射撃している仲間へ射撃し続けている。その姿はまるで『戦闘の義務を果たす』と言う風にも見えて、バードの心が僅かに震えた。


「くそ! L-47持ってくるんだった!」


 ジャクソンが叫ぶ。同時にその場所へ銃弾が降り注ぐ。至近距離から打ち込まれるガトリング砲の二十ミリ弾頭は、シェル向けの重装甲服(かんづめ)を着込んでいても貫通するだろうと言う打撃力だった。


「おりゃ!」


 突如掛け声が響き、手負いのシンクへロックが飛び降りた。どうやら山荘の屋根へと上がって居たらしい。

 チタンとクロモリを組み合わせ、貴重なレアメタルをたっぷりと練りこんだ無重力攪拌合金を超高温鍛造で打ち上げたロックのロングブレードだ。その切れ味は凄まじいの一言で、シンクの装甲をまるで豆腐の様に貫いた。


「仲間の仇だ! トンでもねぇ業物だがくれてやる! 遠慮すんな!」


 根元まで完全に差し込んでから、太刀の柄へ手榴弾を巻き付けてピンを抜いた。逃げる瞬間に予備のナイフをガトリングのバレルクラスターへ縦に差し込む。これでガトリング砲が回転出来ず射撃不能になる。


「やべぇやべぇ!」


 走って逃げるロック。ガトリング砲のクラスターバレルが回転しなくなったシンクは、足で踏み潰そうとバタバタ暴れている。雪原を二本足で動く人間だと、機動力が大幅に制限を受けるのは仕方が無い。何度かヒヤリとしたバードだが、ロックが踏み潰される前に手榴弾が爆発した。

 最後の一輌が擱座し、機能を停止したらしい。完全な死角から接近したジャクソンが手榴弾でブチあけた装甲の隙間から手榴弾を投げ込んで、最後の止めをさした。


「リーナー! まだ生きてるか!」


 テッド隊長の声が無線に響く。


「リアクターユニットが停止してますが電源は問題ないです」

「よし。今回のMVPは文句無くお前だな。良くやった!」


 Bチームのメンバーが山荘前の広場へ集まってきた。機能停止している思考戦車がいきなり動き出さないよう、トドメを刺して歩いた。


「スミスもリーナーも災難だったね」


 二人を山荘のデッキへ並べて応急手当するバード。直ぐ隣ではダニーが切断されたオイルラインや電源系統に絶縁処理を行っていた。


「バードに介抱されるなら役得だな」

「まったくだ。今日はついてるぜ」


 スミスとリーナーが冗談を飛ばしている最中、ライアンがやって来た。


「バード OSチェックさせろ」

「そうだね」


 うなじを見せて頚椎バスを露出させる。


「うひょ! 俺も役得だぜ!」

「なにが?」

「バードと連結!」

「スケベ!」


 アハハハハと笑いながらライアンはバードのデータ領域を走査した。


「あー なるほど うん これで動く筈だ」


 一瞬視界が暗くなり、全ての感覚が遮断されてシステムが再起動した。

 所要時間にして二秒か三秒ほどだが。


「この瞬間だけは何度やっても嫌だよね」

「そうだな。死を疑似体験する」


 サイボーグにとって一番嫌なオールブラックアウト(全感覚遮断)ですら笑い飛ばしたバード。すっかりリラックスした空気だったのだが、ジャクソンが急に空を見上げ凍りついた。ふと気がつくと、さっきと同じヘリが3機もやって来ていた。


HOLLY-SHIT(神様のクソッタレ)!」


 ペイトンは思わず車の影に隠れた。


「マジかよ!」


 ロックが指を刺しながら山荘へ走ってくる。その姿を見てバードはハッと気がついた。システムタブのアプリリストからレールガンの射撃管制を立ち上げてスタンバイを掛ける。

 今度は素直に起動して、電源残量から再計算した最大効率射撃モードを策定する。だが、たっぷり残っていた筈のバッテリーが少々心許無い残量だった。


「隊長! レールガンで撃墜します!」

「いけるのか?」

「はい! まだそれ位バッテリーはあります」


 叫ぶと同時にバードは空に腕を突き上げ、手首を外して銃口を空に向けた。


『バード! 待て!』


 射撃管制ソフトが射撃フェーズへと入っていたバード。

 それを制するようにアリョーシャの声が無線に響き渡った。


『作戦を中止する! そのヘリは迎えだ!』

「ホントですか?」

『そうだ! まんまと一杯喰わされた! 同士討ちを演じてしまった』


 憮然としつつ銃口を収納したバード。

 最初からこれを使えればこんな事にはならなかったのに。


「これが使えればなぁ」


 空を見上げながらガッカリとしているバード。

 気がつけば近くに立っていたジョンソンが肩を叩いた。


「いや、ぶっ放なさなくて正解だ。電磁ノイズで通信が切れたら彼女が危なかった」


 ジョンソンの指差した先。

 スパゲッティシンドロームになっていた女性が僅かに自立して動いた。


「ほんとに?」

「あぁ。ずっと通信ノイズが入っていたんだけど、どうやら彼女は衛星を三つ使って高速通信していたらしいな」

「今は?」

「回線を全部物理的に封じたからな。諦めて本体へ帰ってくるはずだ」


 再び車へと歩み寄って中を覗きこんだバード。

 うっすらと目を開けた女性が最初に見た物は、ジッとのぞき込むバードだった。


「あれ?」


 やたらに怪訝な表情でバードを見つめる女性。


「こんばんは」


 ニコッと笑ってご挨拶。だが、バードの笑みには狂気染みた怒りが有った。瞬時に戦闘モードになって身を起こそうとした女性を、バードは力一杯背もたれに押し付けた。サイボーグの力で押し付けられれば、いくらネクサスでも身体の自由は効かない。


「あなた何者?」

「それはこっちが聞きたいわよ」

「手を離しなさいよ! 臭いじゃ無い!」


 驚くような速度で拳銃を抜いたバードは、女性の眉間に力一杯押し付けた。引きつった表情を浮かべ、大きく目を見開いて息を飲み込むその女性に向かってバードは凄む。


()()()()()()()()()()()()()! このファッキンビッチ(クソ売女)! ドタマにケツの穴もう一つこさえてやろうか? いくらネクサスベースでもこれなら即死だろ! あぁ? 死体袋に突っ込まれて帰りたくなかったら、聞かれた事だけ答えろ!」


 ドスの利いた声でFワードを発し脅したバード。


「あたしはこう見えてもブレードランナーだ。わかるか? 今ここであんたをブチ殺しても何の問題も無いし、むしろ見逃すほうが問題だ。ただ素直に洗いざらい喋ってくれるなら手間が省けて世は事もなしって寸法さ。良いかよく聞けよ? 死体袋に突っ込まれるかどうかの瀬戸際だぞ」


 本気で怒れるバードの姿を、Bチームのメンバーは初めて見た。士官学校で徹底的に仕込まれた高圧的な姿勢をバードも間違いなく体得していた。


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