銀色の夏
*〜序章〜*
それは、ある初夏の日のことでした。
(暇だな…)
教室の窓ぎわ、一番後ろの席。私はいつものように頬杖をついて、窓の外を眺めていた。特に何を見ているというわけでわなくて、只々外を見つめるだけ。
いつの頃からだろう、こんな風に日々をつまらないと思って過ごすようになったのは。退屈で退屈でたまらない…。今日も何一つ変わらない一日が始まる。そう思うと憂鬱でたまらなかった。
「ほらー、席に着けー」
予鈴が鳴りガララ、という音と共に担任が教室に入ってくる。席に着いていなかった生徒は、慌てて自分の席へと向かった。
「えー、今日はホームルームの前に転校生を紹介しまーす」
教室が一気に騒がしくなる。それでも私は窓の外を見ていた。転校生…?そんなのどうだっていい。
(私には関係ない…)
早くこんな時間が終わらないだろうか、そう思うと嫌気がさしてきて、私は机に突っ伏した。
(早く、帰りたい…)
「入って来なさい」
担任の声が響き、教室の扉が開く音がした。
途端、今までざわついていた教室が徐々に静まっていった。何だろうこの違和感は…。一層騒がしくなると思ったのに…。
(何…?)
そうして顔を上げ、私は初めて、教卓の横に立つ、彼に目を向けたのでした。
(……えっ…)
目を見開き、思わず絶句する。
担任が黒板に名前を書く。
「今日からこのクラスに入る、白澤奏太君です。皆んな色々教えてやるように!んじゃ白澤、一言挨拶」
担任に促され、簡単に挨拶をする。
「白澤奏太です。どうぞよろしく」
初めて聞いた彼の声は、静かな教室に良く響いた。
白澤奏太。彼はその名のように、真っ白な髪を持つ少年だったのです。
昼休み。
「ねぇねぇ、白澤君!もう部活何入るとか決めたの?」
「って言うか、やっぱりその髪って染めてんの?生まれつき?」
「やめなよ。そんなに質問するから、白澤君困ってんじゃん」
(………うるさい)
そんなのどうだっていい。こっちは隣の席で大迷惑だ。
(なんでよりにもよって、私の横なのよ!………だめだ、トイレ行こ…)
しかし、時間稼ぎのつもりで行ったトイレが仇となった。
私が教室に戻ると、自分の席は1人の男子に陣取られていた。特に会話をしている訳では無いの、その男子も周りの男子も転校生に一方的に喋りかけていた。
(……)
私はため息一つ残すと、その場を後にした。
(もういいや)
廊下を歩き、校舎の中央階段を一番上まで上がりきる。行き止まりの扉を開けると、風が勢い良く吹き付けてきた。
初夏の割に日差しが優しく、屋上は心地が良かった。
「ん〜〜〜…」
両腕を広げて、思い切り伸びをする。ここは心地が良い。雑音はどこか遠く、風が頬をかすめて過ぎて行く。
「はぁ〜…このまま5時間目サボっちゃおっかなぁ〜」
私は出口の横にある梯子を登るとアスファルトの上に仰向けなった。
目の前には一面の青しかなかった。
「銀色の夏」読んでいただきありがとうございます!
時間はかかるかもしれませんが、また少しずつ投稿させていただきますので、よろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ




