#4 矛盾 side asano
おままごとみたいに格好悪く
なのに契約だなんて格好つけてみたり
契約なんてちゃんとしたものでもないのに
それでも繋ぎ止めたかった
楽しみを逃がしたくなかった
「ゲーム?」
そう聞いたときの君の目には涙じゃなくて
何かが光っていた
僕がおかしいって。
たしかにそういったよね、
君の目はさ。
たしかに自分でも馬鹿なこといった
あんなに興味をなくしたつまらない恋愛で遊ぼうなんて
矛盾だ。
それでもどうしてか僕の口からはスラスラと言葉がでた
普段は決して言うことのない
罵倒までした
そこまでして、只でさえ僕のことあまり好きじゃない目をした
女の子を繋ぎ止めたかった。
ゲームがしたかったから。
興味を持ったのは
この子が僕に恋愛というものを求めない気がしたから
いや、そんな子は今までもいた。
現に今でも僕のこと好きじゃない女子はたくさんいる
でも振られたばかりでまるで恋愛に興味をなくした子は初めてだった。
僕と同じ。
ううん、僕以上に冷めた目に変わった子だから。
初めて、恋愛の楽しさがわかりそうな気がした
この子の目を冷めた目を暖めるなんて無理な気がする
だから安心と楽しさが同時にある
「君が気に入ったから」
そう告げた途端少し顔を赤らめた君
でも好意を持った瞳はしてなかった。
本当に気に入ったよ
悪く言えば利用だ。
僕はこの子といることで今までの嫌な気持ちから少し逃げられる
この子を利用したいだけだ
もし、この子が本気で僕に堕ちるときは僕が本気でこの子を
堕とそうとしたときだけ
お気楽な恋愛
それがわかったのか女の子は少し笑った
不敵に。
ゲームに乗った。
ねえ、できるのなら本気にさせてくれ
楽しませて。
僕を。
楽しませてくれたらその分ちゃんと返してあげるから。