表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DIVE  作者:
2/12

#1 開始 side nozomi

恋愛なんていうと幸せしか思い浮かばなかった


幼い私にはまだまだ苦くて深い渦だった



でも私の気持ちは溺れさせないよ









「ごめんな、彼女いるんだ。」



高校2年の肌寒い秋、私は見事に失恋した。


今までずっとずっと暖め続けてきた心の想いは

たったの「好きです」にしか出なくて


薄々予想していた通りの返事だった。



全部、全部予想してた。

期待ばっかだったわけじゃない。

それなのに先輩の後ろ姿に予想以上に涙が止まらなかった。


これで、−−−−終わりーーー?

あっけない。

だったらもっともっと話しかければ良かった

変に告白なんてしなければ良かった


残った想いは雫となって乾いた裏庭のアスファルトに吸収されていく


もう、恋なんてしたくない


そう思った

惨めで情けなくて。

1年半とはいえ想い続けた気持ちはかなり傷付いた



せめて失恋の時ぐらい 静かに泣かせて欲しいのに

乱暴な秋風に髪も心ももっと惨めにされる



さすがにこれ以上は風に当たってられないと思って

足を動かそうとした時



「どーーしたっの?」


なんて場違いに明るい声が聞こえた


後ろを振り返れば隣のクラスのモテモテ君、浅野 洋平がいた

いつもみたいに自信たっぷりの笑顔を浮かべている

余計だけど私はこんな風に軽そうな男は好きじゃない

顔だって整ってるかもしれないけれど私の好みじゃない


相変わらずの笑みを浮かべて私を見つめている

ああ、最悪

なんでよりによってこんな所で人に会うんだろう

なんでよりによってこんな姿人に見られるんだろう




「別に」


そっけなく答えて足を進めると彼は


「俺ね、さっきね、告白されてたの」


なんて言った。


思いもかけない言葉に彼を見ると


「もちろん振っちゃったけどさ」


笑顔で答えた


「そんでそのまま昼寝してたら、君の告白シーンを目撃しちゃった」


なんてピースして続けた


「・・・・・っ」


恥ずかしさと惨めさに彼を思い切り睨む


「君なかなか良い振られっぷりだったね。あ、本城さん」


私の目なんて気にせずに笑っている


むかつく


ついでに私の事知らなかったくせに今、私の胸の記名章を指差して

馴れ馴れしく呼びかけられる


「ほっといて」


「冷たいな、せっかく可愛いのに勿体ないよ」


笑いが入った声がする

ああ、胸くそ悪い


足早に無視を決め込んで裏庭から出ようとする


「ねえ、本城さん。さっきの男のどこがいいの?」


いきなりさっきまでとは違う凄みのある低い声が響いた

・・・ように感じた。


「別にさ、かっこよくはなかったじゃんか。」


「俺なんてどう?好きになってみなよ」


「もっと君に良い顔で振ってあげるぜ?」


3歩進むごとに後ろからしつこい位の声


なんだあの男は。

性格歪みすぎだよ




「・・・・・・」


無視。無視。


ただ悔しいだけ。無視。無視。

もう後ろからは声は聞こえない

やっと帰ったか




最後に目を擦って裏庭から出る直前

いきなり腕を引っ張られた


「っーーーー!!」


目の前には浅野の顔

というか顔しか見えない



近すぎるんだ。距離が。


「ねえ、君さ、どうせもう恋愛なんてしたくないだろ?」


私の目を捕らえないでよ

浅野が喋ると息が唇に掛かる


私が眉間にしわをよせると彼は

「わかった、わかった」

なんて笑いながらいって少し離れた


そのまま私の腕を掴んで言う


「だったらさ、俺とゲームしよう」



「・・・・・は?」



「もちろん恋愛というゲームを少し、ね?」







恋愛なんてゲームだ


そう思っていたのは自分なのに

実際口に出して言う人間を見るとなんだか嫌な気持ちがした。


少しずつ、少しずつ

私は動かされていく


私の人生の渦からは逃げることなんて無理なんだ



読んで頂きありがとうございます^^

まだまだ未熟文で申し訳ありませんがこれから頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ