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第六話 「一つ目のパーツ」組み上げ ― ハルの確信

「一つ目のパーツ」組み上げ ― ハルの確信


格納庫の片隅。

作業灯の白い光が、ハルの手元だけを照らしていた。


昨日拾った“気になるパーツ”と、

1号機の右腕ユニットの残骸から取り出した内部フレーム。

それらを組み合わせ、ハルは一つの“形”を作り上げていた。


まだ腕でも脚でもない。

ただの“塊”。

だが、ハルにとっては最初の一歩だった。


「……よし。とりあえず、形にはなったな」


彼は額の汗を拭い、深く息を吐いた。


そこへ、同僚の整備員が覗き込む。


「お、ハル。何やってんだ?」

「昨日の残骸か? 動くわけねぇだろ」

「でもまあ、ガワができるだけでも大したもんだよ。将来有望だな」


軽口混じりの声。

悪意はない。

ただの“現実的な評価”。


ハルは苦笑しながら肩をすくめた。


「分かってるよ。動かないのは当然だろ」


だが、心の奥では違った。


彼は組み上げたパーツを見つめる。

その表面に走る微かな傷、

内部に残る紫光の残滓、

そして昨日拾ったパーツとの“妙な一致”。


説明できない。

理屈もない。


ただ――

確信だけがあった。


「……でもな」


ハルは誰にも聞こえない声で呟いた。


「完成すれば……

すべてのパーツをつなぎ合わせることができれば……

コイツは動けるようになる」


その言葉は、

祈りでも、願望でもない。


宣言だった。


ハルはパーツに手を置く。

冷たい金属のはずなのに、

どこか“脈”のようなものを感じた。


「お前は動く。

俺が動かしてみせる」


その瞬間、

作業灯の光がわずかに揺れた。


気のせいかもしれない。

だがハルは、確かに感じた。


このパーツは、まだ“死んでいない”。


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