第十四話 調律者、ついに“禁断のロマン”に手を伸ばす
第十四話 調律者、ついに“禁断のロマン”に手を伸ばす
調律者Aが、突然ミカの肩を掴んで言い出した。
「ねえ、こんな言葉知ってる?
僕たち調律者の間で古来より伝わる言葉なんだけど……
『ニコイチ』っていうんだ」
「……嫌な予感しかしないんだけど」
調律者Aは満面の笑みで続ける。
「だからさ……」
「1号機とハルの機体、くっつけちゃおうよ!」
「くっつけない!!」
「……いや、理論上は――」
「ハルまで乗らないで!!」
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しかし調律者の暴走は止まらない
調律者Bが突然、手を叩いた。
「でも、待てよ……
ボク、もっと面白いこと思いついたんだけど……」
調律者A・C「なになに!?」
調律者Bは胸を張って宣言した。
「二つの機体が《合体変形》できるようにしたらどうかな!?」
「合体変形!?
なんでそんな方向に行くの!?」
調律者A「いつもは一人乗り!!
ピンチの時に合体してパワーアップ!!」
調律者C「うわそれ最高!!
もう、つくるしかないじゃん!!」
「つくらない!!」
「……いや、境界踏破時の安定性を考えると――」
「ハル!?!?」
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調律者の“ロマン”が加速する
調律者A「でさ!!
二つの機体が合体するときは、
コックピットが移動して、
ハルとミカが横並びになるんだ!!」
調律者B「二人の波形がシンクロして、
合体後は“境界干渉モード”に突入!!」
調律者C「二人の感情が一致すると、
必殺技が撃てるとかどう!?
名前は《デュアル・ハーモニック・ブレイカー》!!」
「そんなの撃ちたくない!!」
「……いや、名前はともかく、
二人の波形を合わせるのは理にかなってる」
「理にかなってても嫌なものは嫌!!」
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彼らに悪意はない
調律者たちは、
軍の監視員が青ざめていることも、
ミカが悲鳴を上げていることも、
ハルが苦笑していることも気にしていない。
ただ――
- 技術が好きで
- 未知が好きで
- ロマンが好きで
その“好き”が、
普通の人よりほんの少し……いや、
桁違いに大きいだけなのだ。
調律者A「よし!!
《ニコイチ合体案》、正式にプロジェクト化しよう!!」
調律者B「図面描くね!!」
調律者C「素材持ってくる!!」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ハルはため息をつきながらも、
どこか楽しそうにミカを見た。
「……ミカ。
どうやら俺たち、
“合体ロボ”に乗る未来が近いかもしれない」
「そんな未来いらない!!」
調律者たち「いる!!」
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