第十二話 調律者、ミカの作業を“発見”する
第十二話 調律者、ミカの作業を“発見”する
「なにこれ!?
混沌素材を安定因子で包んで接続しようとしてるの!?
天才じゃん!!」
「ち、違うよ!?
全然うまくいってないの!!」
「うまくいってないから面白いんだよ!!
失敗は最高のデータ!!」
「やめろ、ミカの機体を勝手に触るな」
「触ってないよ!
“観察してるだけ”だよ!!
(※触ってる)」
「触ってるよね!?今触ってたよね!?」
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そして突然の“爆弾発言”
調律者Aが、ミカの1号機のコクピットを覗き込みながら言った。
「ねえ、二人乗りの機体って面白いと思わない?」
「……へ?」
調律者A「いや、絶対面白いね!!
だってさ、安定因子と混沌残滓が同時に乗るんだよ!?
“境界踏破専用の二人乗り”とかロマンしかない!!」
調律者B「うわそれいい!!
二人の波形がリアルタイムで干渉して、
機体が“存在したり消えたり”するんだよ!!」
調律者C「しかもさ、
二人の感情がシンクロすると“位相ジャンプ”できるとか!!」
「そんな危険な仕様いらない!!」
「……いや、理論上は可能だな」
「ハルまで乗らないで!!」
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勝手に“二人乗り化”が始まる
調律者A「よし決めた!
この1号機、二人乗りにしよう!!」
「決めないで!!」
調律者B「まずはコクピットを拡張して――」
「勝手に分解するな!!」
調律者C「じゃあ“外付けサブコクピット”にする!?
背中に乗るタイプ!!」
「遊園地のアトラクションじゃないんだよ!!」
調律者A「じゃあ横並び!?
いや、縦並び!?
いやいや、心臓の位置にミカの席を――」
「なんで私が心臓なの!?
怖いよ!!」
「……ミカの安定因子が“コア”になるって意味だろ」
「フォローになってない!!」
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調律者の“技術バカ”っぷりが加速する
調律者B「ねえハルくん、
君の《ゼロ・バース》にも二人乗りスロットつけようよ!!」
「いや、俺の機体は――」
調律者A「だってさ、
ミカちゃんの安定因子が近くにあると、
君の残滓の暴走が抑えられるんでしょ?」
「……まあ、そうだけど」
「……え、そうなの?」
「うん。
ミカが近くにいると、混沌の揺らぎが安定する」
「……そ、そうなんだ……」
調律者C「ほら見ろ!!
二人乗りは正義!!」
「正義じゃない!!」
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混乱の極み
調律者たちは勝手に図面を描き、
勝手にパーツを持ち出し、
勝手に1号機の周りを走り回る。
「やめて!!
私の機体が“実験台”になってる!!」
「……ミカ、落ち着け。
あいつらは“悪気はない”」
「悪気がないのが一番タチ悪いよ!!」
調律者A「よし!
“二人乗り境界対応1号機”の試作図面できた!!」
「できなくていい!!」
調律者B「名前どうする!?
《デュアル・ハーモニー》とか!!」
調律者C「《ラブ・シンクロ・マキナ》!!」
「絶対やだ!!」
「……やめろ」
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