第十一話 ハル機 vs 巨大脅威 ― 初交戦
ハル機 vs 巨大脅威 ― 初交戦
■ 巨大脅威がミカへ迫る
赤黒い光を脈動させながら、
巨大な混沌融合体がミカへ触手を伸ばす。
1号機は左脚の損傷で動きが鈍い。
ミカの呼吸は荒く、視界が揺れる。
「……っ、まだ……!」
だが、怪物は止まらない。
その“意志”はただ一つ。
取り込む。
喰らう。
増える。
ミカは覚悟を決めかけていた。
その瞬間――
大地が震えた。
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■ ハル機、突入
紫と黒の光が、戦場の煙を切り裂く。
寄せ集めのはずの機体が、
信じられない速度で巨大脅威へ突進した。
「ミカから離れろ!!」
ハルの叫びと同時に、
ハル機の右腕が怪物の触手を叩き落とす。
金属が砕ける音。
赤黒い液体のような光が飛び散る。
ミカの視界に、
不格好で、武骨で、
でも“頼もしすぎる背中”が映る。
「……ハル……!」
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■ 巨大脅威、反応
怪物は咆哮し、
複数のコアが一斉に脈動した。
赤黒い光が膨れ上がり、
触手が無数に伸びる。
まるで“戦場そのもの”が襲いかかってくるようだった。
ハルは息を呑む。
「……でけぇな、おい」
だが、恐怖よりも先に、
胸の奥で“何か”が熱くなる。
機体のコアが、
紫と黒の光を強く放つ。
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■ ハル機、初めての“本気”
触手が一斉に襲いかかる。
普通の機体なら、
反応すらできずに貫かれる。
だが――
ハル機は違った。
ハルが動く前に、機体が動いた。
「――っ!?」
ハルの意識より先に、
機体が触手の軌道を読み、
最短距離で回避し、
逆に懐へ飛び込む。
ミカが息を呑む。
「……そんな動き……!」
ハルは笑う。
「俺も驚いてるよ!!」
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■ 反撃
ハル機の左腕が怪物の胴体に突き刺さる。
寄せ集めのパーツとは思えないほどの貫通力。
内部で紫黒の光が爆ぜ、
怪物の再生が一瞬止まる。
「効いてる……!」
怪物が苦悶のような咆哮を上げる。
だが、すぐに再生が始まる。
ハルは歯を食いしばる。
「再生かよ……!
だったら――止まるまで殴るだけだ!!」
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■ ハル機、覚醒の片鱗
ハルが操縦桿を握りしめた瞬間、
機体の内部で“何か”が共鳴した。
紫と黒の光が、
まるで脈動する心臓のように広がる。
ミカはその光を見て、
震える声で呟く。
「……ハルの機体……
まるで……生きてる……」
ハルは叫ぶ。
「行くぞ――相棒!!」
ハル機が地を蹴り、
巨大脅威へと突進する。
その動きは――
1号機すら凌駕する“野生の鋭さ”だった。
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「光った」――ミカが気づく“何か”
■ ハル機の猛攻
巨大脅威の触手を次々と叩き落とし、
ハル機は戦場を縦横無尽に駆け回っていた。
その動きは、
寄せ集めとは思えないほど鋭く、
1号機すら凌駕する瞬発力を見せる。
だが――
ハルは息を荒げながら叫ぶ。
「対応はできるが、キリがねえ……!」
触手は再生する。
破壊しても、破壊しても、終わりがない。
ハル機の出力は“無尽蔵”に思える。
だが、ハルには分かっていた。
無限じゃない。
どこかで“何か”が尽きれば、動かなくなる。
胸の奥で、黒紫の結晶が脈動しているのを感じる。
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■ ミカは動けない
1号機は左脚の損傷が大きく、
まともに動けない。
それでもミカは、
試作型バーストガンを構え、
巨大脅威の動きをじっと見ていた。
「……ハル……」
彼女は焦っていた。
だが、焦りの奥で“違和感”が膨らんでいた。
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■ ミカの気づき
巨大脅威の触手が再び伸びる。
ハル機がそれを叩き落とす。
その瞬間――
一瞬だけ、光った。
ミカは目を見開く。
「……ハル、もしかして、あれ……」
ハルは触手を避けながら叫ぶ。
「……なんだ? 今忙しいんだが!」
ミカは震える声で続ける。
「奴の触手を吹き飛ばしたとき……
なんか一瞬、光ったような……!」
ハルは一瞬だけ動きを止める。
「光った……?」
ミカは確信に近い感覚で言う。
「うん……あれ、ただの破壊じゃない。
“反応”してる……あなたの機体が……!」
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■ ハルの胸部で、結晶が脈動する
ハルは息を呑む。
胸部の黒紫の結晶が、
巨大脅威の触手を破壊した瞬間だけ、
確かに“反応”していた。
まるで――
敵の“混沌コア”に共鳴している。
ハルは呟く。
「……まさか……
こいつ……“混沌”を喰って動いてるのか……?」
ミカは震える声で返す。
「もしそうなら……
ハル、あなたの機体……!」
ハルは操縦桿を握りしめる。
「……足りないものは“エネルギー”じゃなかった。
こいつが必要としてるのは――」
巨大脅威が咆哮し、
赤黒い光が膨れ上がる。
ハルは叫ぶ。
「――“敵の混沌”そのものだ!!」
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