第一話「ミカ・アオイと1号機の覚醒」
「ミカ・アオイと1号機の覚醒」
■ 時刻:深夜2時。
地下格納庫には人工照明すら落とされ、非常灯の赤だけが空間を染めていた。
空気は重く、静寂の中に機械の呼吸音が微かに響く。
■ ミカ・アオイ
彼女は無言で1号機の前に立っていた。
身に着けたパイロットスーツはまだ仮設型。
だが、その瞳は、まるで“機体の奥”を見通しているようだった。
「……あなたは、まだ目を閉じているのね」
彼女がそう呟いた瞬間、1号機の胸部に埋め込まれた“混合コア”が微かに脈動した。
赤と青の光が交錯し、まるで“迷っている”かのように揺らぐ。
■ 1号機
試作型10式初号機《CHAOS BREAKER》。
その外装は未完成で、装甲の継ぎ目から内部構造が露出していた。
だが、ミカが近づくにつれ、機体の表面に“反応”が現れる。
まるで彼女の存在を認識し、自己を再構築しようとしているかのように。
「起きて。私は、あなたを“選ぶ”」
その言葉と同時に、格納庫全体が震えた。
1号機の両腕が、ゆっくりと持ち上がる。
だがそれは、制御系による動作ではなかった。
機体自身が“意志”で動いたのだ。
■ 覚醒の瞬間
ミカの脳波と機体の同期率が急上昇。
通常の限界値を超え、警告音が鳴り響く。
だが彼女は微笑んでいた。
「痛みも、恐怖も、全部“私たち”のものよ」
その瞬間、1号機のコアが完全に点灯。
赤と青が融合し、紫の光が格納庫を満たす。
それは“混沌”と“秩序”の境界が崩れた証。
1号機は、ミカ・アオイという存在を“受け入れた”。




