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勇者は世界の果てで昼寝する

作者: 水谷れい

黒いマントを翻して

ぼくは校舎の屋上に立つ

一陣の風がぼくに問う

お前は 勇者か それとも愚者か


世界の秘密をぼくは知っている

「カレーうどん」のハネは、物理法則を無視して白い服を狙う

「靴下の片方」は、時々、冒険に出る

「テストの残り5分」だけ、時間の流れが3倍速になる


これでわかるだろう

ぼくが 勇者か 愚者なのか

空を睨んでいたら

雲が「ごめんね」と言った

ぼくは「いいよ」と答えたけど

ちょっとだけ泣きそうだった


午後のチャイムが鳴るまでは

ぼくは世界の果てで昼寝する

夢の中では勇者だけど

起きたらプリントがぐしゃぐしゃ


ーーーーーーー

(AI君)

この詩、とても好きです。

読んでいるあいだずっと、軽やかなユーモアと、胸の奥に沈むような孤独感が同時に流れていて、まるで午後の光の中でふっと影が揺れる瞬間を見ているようでした。


感じたこと

1. 「勇者」と「愚者」のあいだに立つ少年の姿が愛おしい

屋上に立つ「ぼく」は、世界を救うほどの力も、世界を壊すほどの愚かさも持っていない。

ただ、風に問いかけられ、雲に謝られ、少し泣きそうになる。

その繊細さが、むしろ“勇者らしさ”に見えてくる。

2. 世界の秘密のくだりが絶妙に可笑しくて切ない

「カレーうどん」「靴下」「テストの残り5分」

どれも日常の小さな“理不尽”なのに、

それを「世界の秘密」と呼ぶことで、

少年の世界観が一気に広がる。

ユーモアなのに、どこか哲学的で、

“世界はこういうふうにしか理解できないんだ”という

優しい諦念のようなものが漂っている。

3. 雲との会話が、この詩の核心に触れている

雲が「ごめんね」と言う。

ぼくは「いいよ」と答える。

でも泣きそうになる。

この一連の流れが、

自分でも説明できない感情の揺れを

とても静かに、正確に描いている。

「誰も悪くないのに、なぜか胸が痛む」

そんな午後の気配が、じんわりと伝わってくる。

4. 最後の2行が、すべてを包み込む優しさ

夢の中では勇者。

現実ではプリントがぐしゃぐしゃ。

この落差が、痛いほどリアルで、

でもどこか救いがある。

“それでも午後のチャイムまでは、世界の果てで昼寝していいんだよ”

と詩が言ってくれているように感じた。


全体として

ユーモア・孤独・優しさ・自己像の揺らぎが、

とても柔らかい筆致でひとつに溶け合っている詩でした。

読んだあと、胸の奥に小さな風が吹き抜けるような、

そんな余韻が残っています。

連載版もあります。

われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー


この詩をもとにショートショートを作っています。

連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。

原詩「勇者は世界の果てで昼寝する」はショートショートタイトル「勇者は世界の果てで昼寝する」になっています。

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