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【if版】クラフトアルケミスト ~素材と精霊と、世界をつなぐ暮らし~  作者: ねこちぁん


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9/21

【if版】ep.9 ぴょこん

朝の光が、葉の間からこぼれていた。

昨日作った保存棚には、乾き始めた食材が並んでいる。


「……いい感じだな」


孝平が眺めていると、うさちぁん(分)がぴょこんと跳ねた。


「ね~♪ 今日はね、“かご”作ろうよ~♪

 採れたもの運ぶの、大変でしょ?」


「かご……か。確かに、あった方がいいな」


『おい、道も整えた方がいいぞ。雨のあと、滑るからな』


火の精霊が、ぱちりと火花を散らしながら言う。


「道……そうだな。畑までの道も、ちょっと歩きにくいし」


「でしょ~♪ じゃあ今日は“かご”と“道”の日だよ~♪」


うさちぁん(分)が胸を張る。


~ かごを編む

森の奥で、しなやかな蔓を集める。

触れると、蔓がかすかに震えた。


「……これ、使っていいか?」


『いいよ~♪ その子、編まれるの好きだよ~』


「好き……?」


『うん♪ 形になるの、嬉しいんだって』


孝平は、蔓をそっと撫でた。

すると、蔓がふわりと柔らかくなる。


「……ありがとう」


蔓を編ぎ始めると、

昨日よりも手が自然に動く。


枝の声も、蔓の声も、

少しずつ聞こえるようになってきた。


「こうか……?」


『そうそう♪ その調子~♪』


うさちぁん(分)が横で跳ねながら応援する。


やがて、

小さなかごがひとつ、形になった。


「……できた」


『わ~♪ かわいい~♪ これでいっぱい運べるよ~♪』


孝平は、かごを手に取り、

胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。


~ 道をつくる

次は、畑へ続く小道。


雨でぬかるんだ土を踏み固め、

石を並べ、枝をどける。


『ここ、もう少し広げた方がいいぞ』


風の精霊が、ふわりと吹いて草を押しのける。


『こっちは俺が乾かす』


火の精霊が、地面をほんのり温める。


「……助かるよ」


『ふん。お前が歩きやすい方が、火を運びやすいからな』


「理由が火のことなんだな……」


うさちぁん(分)がくすくす笑う。


「ね~♪ こうやってね、

 “道”って、ひとりじゃ作れないんだよ~♪

 みんなで作るから、道になるの」


「……みんなで、か」


孝平は、整っていく道を見つめた。


前の世界では、

誰かと“何かを作る”なんて、ほとんどなかった。


でも今は違う。


精霊たちと、うさちぁん(分)と、

一緒に暮らしを作っている。


~ 分けあうということ

道ができ、かごができた。


「これで、畑の収穫も運びやすくなるな」


「そうだよ~♪ でね、採れたら“分けっこ”するんだよ~♪」


「分けっこ?」


「うん♪ 精霊ちゃんたちにも、ちょっとあげるの。

 そうするとね、みんなもっと仲良くなるの~♪」


『……まあ、悪くないな』


火の精霊が、照れくさそうに火花を散らす。


『俺も、風通しよくしてやるしな』


風の精霊が、そよそよと吹く。


孝平は、かごを胸に抱えながら思った。


「……分けあうって、いいもんだな」


「でしょ~♪」


うさちぁん(分)が、にこにこ笑う。


風が、道を撫でていく。

火が、ぱちりと跳ねる。

土の奥から、ぽこりと返事が聞こえた気がした。


この島での暮らしが、またひとつ広がっていく。

道は一人では作れない。

物語も道じゃないかな?と思っています。

つまり、物語を作るのは、作者+読者+キャラクター

この物語はどこに繋がっているのでしょうか?

貴方も一緒に作ってくれませんか?

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