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【if版】クラフトアルケミスト ~素材と精霊と、世界をつなぐ暮らし~  作者: ねこちぁん


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7/21

【if版】ep.7 育つのってね、すっごく楽しいんだよ

「……よし。畑、作ってみるか」


そう呟くと、うさちぁん(分)が嬉しそうに耳をぴょこぴょこ揺らした。


「やった~♪ じゃあね、まずは土をほぐすところからだよ~♪

 固いままだと、根っこが苦しくなっちゃうからね」


「なるほど……」


孝平は、森で拾った枝をスコップ代わりにして、土をゆっくりと掘り返した。

雨上がりの土は柔らかく、指で触れるとしっとりとした温度が伝わる。


――ぽこ。


足元の土が、また小さく膨らんだ。


「……見てるのか?」


『うん♪ 土の精霊ちゃん、孝平くんのやり方、気に入ってるみたい』


「気に入るとか、あるのか?」


『あるよ~♪ だってね、土ってね、乱暴に触られるとすぐ拗ねちゃうの。

 優しく触ってあげると、すぐ仲良くなるんだよ~』


「……そういうものなのか」


孝平は、少しだけ笑った。

土を触る手が、自然とゆっくりになる。


やがて、小さな畝ができた。


「うさちぁん(分)、種って……」


「はいは~い♪ 持ってきたよ~♪」


うさちぁん(分)が両手いっぱいに抱えていたのは、

昨日食べた実の中にあった、小さな種たち。


「これ、育つのか?」


「育つよ~♪ 煮ると甘くてね、蒸すともっと甘くなるの。

 孝平くん、絶対好きだよ~♪」


「……楽しみだな」


ひとつずつ、種を土に落とし、そっと土をかぶせる。

そのたびに、足元の土がふわりと温度を返した。


まるで「任せろ」と言っているように。


「……ありがとう」


ぽこっ。


返事のような音がした。


うさちぁん(分)が、孝平の横でぴょんと跳ねる。


「ね~♪ 育つのってね、すっごく楽しいんだよ。

 毎日ちょっとずつ変わっていくの。

 昨日より今日、今日より明日ってね♪」


「……そうだな」


孝平は、土についた手を見つめた。


前の世界では、

こんなふうに“何かを育てる時間”なんてなかった。


急いで、焦って、

誰かの顔色ばかり見ていた。


でも今は違う。


ゆっくりでいい。

ひとつずつでいい。


「……生きるって、こういうことなのかもな」


うさちぁん(分)が、にこにこしながら言った。


「そうだよ~♪ 育てるって、生きるってことだよ~♪

 ね、土の精霊ちゃん?」


ぽこぽこぽこっ。


水面が、まるで笑っているように揺れた。


孝平は、胸の奥がまたひとつ軽くなるのを感じた。

ぽこ。土の精霊は音で返事をします。

どんな姿をしてるのかな?

絵心がないので、イメージは読者の皆様の妄想に委ねられます♪

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