【if版】ep.3 居場所
自然と、笑みがこぼれた。
「じゃあ、どこに行くんだ? 転生って言ってたけど」
「うん、好きな場所を選んでいいよ。王都でも、森でも、魔法学園でも、空でも、地中でも」
森、か……。
でも今は、もっと静かなところがいい。
「じゃぁ、そうだな‥スローライフがしたい。自然に耳を傾けて、のんびり過ごしたい」
「うん♪」
「人があまり来ない方がいいから、絶海の孤島か陸の孤島はある?」
「あるよ♪絶海の孤島、ぽつんとひとつ。人はいないけど、素材はいっぱい。 静かで、風が気持ちいい場所だよ~♪」
「……そこでいい」
言葉を口にすると、自分でも驚くほど静かな声だった。
胸の奥に、ようやく落ち着ける場所を見つけたような安心感があった。
ずっと探していたものに、ようやく触れられた気がした。
胸の奥が、そっとほどけていく。
「ほんとに?寂しくない?」
うさちぁんの耳がふわりっと揺れる。
「‥静かに、落ち着いて、ゆっくり過ごしたいんだ。ずっと、そう思ってた」
「そっか、うん。いいね♪」
「孝平くん。今度はね、ちゃんと“じぶんのために”いきていこうね♪」
「おしごとも、じんせいも、ぜんぶ“たのしい”で埋めつくしちゃおっ♪」
「……できるかな」
「できるよ。だって、君はもう、止まってくれたから」
意味は分からなかった。
ただ、その言葉が胸の奥に静かに落ちていく。
ふっと、軽くなるのを感じた。
「……?」
「“止まる”って、すごく勇気がいることなんだよ。 だから今度は、ゆっくり、君のペースで」
「のんびり、ゆっくり、君らしく、ねっ!」
落ち着いて過ごせる場所っていいですよね。
人によってはそれが自分の部屋だったり、図書館だったり、するわけです。
貴方の「落ち着ける場所はどこ」でしょうか?




