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【if版】クラフトアルケミスト ~素材と精霊と、世界をつなぐ暮らし~  作者: ねこちぁん


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20/21

【if版】ep.16 竜巻のミキサーと、熱すぎるオムライス

 拠点に漂うのは、食欲を刺激する酸味と、なぜか微かに「戦い」の余韻を感じさせる鉄火場のような匂いだった。  収穫したばかりの『情熱パンチ・トマト』を前に、咲姫が意気揚々と腕をまくる。


「見ていてください孝平さん! まずは洗浄と下処理を同時に終わらせるのですっ!」


 咲姫が大きな桶に水を満たし、トマトを放り込んだ。彼女が手をかざすと、桶の中に激しい渦潮が発生する。


「……え、咲姫? それ、水圧が強すぎないか?」


「いいえ! これで汚れを飛ばしつつ、繊維を完璧に断ち切るのです。……はぁぁぁっ! 水断の舞・微塵切り(ウォータージェット・カット)なのですっ!!」


 桶の中でトマトが凄まじい速度で回転し、真っ赤な液体へと変わっていく。洗浄というよりは、もはや高圧洗浄機で原子レベルまで粉砕している勢いだ。  さらに咲姫は止まらない。


「次は、風よ! 情熱を攪拌するのですっ!」


 今度は拠点の中心に、真っ赤な液体を巻き込んだ「赤い竜巻」が発生した。竜巻の摩擦熱と、咲姫が注ぎ込む過剰な魔力によって、ケチャップは煮込まれる前にすでに沸騰し始めている。


「あはは〜♪ トマトちゃんたちが洗濯機の中で悲鳴をあげてるね〜♪」


 うさちぁん(分)が楽しそうに囃し立てる中、咲姫は仕上げとばかりに火の精霊を焚きつけ、一気にオムライスを焼き上げた。


「できました! 咲姫特製・『超音速攪拌ソニック・ミキシングオムライス』なのです!」


 完成したオムライスは、表面の卵が魔力の余剰でボウッと淡く発光していた。  咲姫はスプーンを手に取ると、黄金色の卵と真っ赤なケチャップを絶妙なバランスで掬い取り、孝平の口元へと運ぶ。その頬は、ケチャップよりも赤く染まっていた。


「さあ、孝平さん。冷めないうちに……いえ、エネルギーが揮発する前に。……あ、あーーん、なのですっ!」


 孝平は覚悟を決めて口に含んだ。  瞬間、脳を突き抜けるようなトマトの酸味と、咲姫の「情熱」という名の魔力が全身を駆け巡る。


「――っ、熱い! けど、うまいな。なんだか、力が溢れてくる……」


「本当ですか!? ……よかったのです。これが、私なりの『素材の声』への答えなのです!」


 咲姫はふにゃりと柔らかな笑みを浮かべた。  足元では、ぽぷらんが満足げにひげを「ゆら~り」と揺らし、うさちぁんが「次はあのピリリとした実を使おうよ♪」と、すでに次の暴走を予感させる声をあげていた。

咲姫=天然=大雑把

で、書いています。

天然=大雑把ではありません。あくまでも僕の設定上おおざっぱのイメージになります。

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