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 酷く咳き込んで、源一郎は目を覚ました。とても息苦しく、更に咳き込んでしまう。

 口を押え、辺りを見渡す。どうやら、なにかの建物の中だ。二階部分にいるようで、窓から見えるのは、整備されていない道路、人気のない通り、崩れた建物。そして、ひび割れた空気清浄用のパイプ。それらが一望できる薄暗い部屋の中、朧げな記憶をたどる。


 たしか、エリア一の住宅街にいたはずだ。璃子とアリサと共に赴いたことは覚えている。その時、妙な音がした。アリサはすぐに飛んでいってしまったが、自分は頭が掻き乱されるような感覚に苛まれ、周りのブリシア隊員たちを襲い、意識を失った。


「璃子……璃子はどこだ⁉」


 立ち上がり室内を見渡せば、部屋の端に、璃子がいた。息はあるようなので安心していると、その目が開いた。

 ケホッ、ケホッ、と咳き込んでから、源一郎に気づく。


「ここは……どこじゃ?」


 口元を着物で覆った璃子へ、源一郎は外を見やる。映像で見たことしかないが、ここは間違いなく、空獄だ。

 あまり息をしないように源一郎が言うと、カツカツ音を立てて、二階へ上って来る足音がする。咄嗟に身構える二人に対し、現れたのは、赤いロングコートを着た、中性的な子供とも見間違う赤い瞳の、


「吸血鬼だってのか……?」


 吸血鬼の特徴の一つ、赤い瞳。それと、小さな見た目からは想像もつかない威圧感。

 なにより、数少ないヘクトールの目撃情報と一致する外見。

 源一郎と璃子は、震えながら黙ってしまった。そんな二人へ、ヘクトールは楽しげに笑った。


「そんなに警戒しないでくれないかな。別にボクは、君たちを殺したりしないよ」


 殺人鬼の言葉を信じられるか。源一郎は喉まで出かかった言葉を飲み込み、どうにか虚勢を張る。そんな様子を、ヘクトールは笑ってばかりだ。


「いやいや、本当に危害を加えるつもりはないよ? むしろ君たちは、ボクにとっての宝物だ。余計なことをしない限り、へたに傷つけたりはしないと、約束しようじゃないか」


 嘘か誠か。睨む源一郎と璃子へ、ヘクトールはクフフと笑う。


「君たちの飼い主――ブリシアは、ボクの作戦で人員が全エリアに回って、どこもかしこも警備が手薄になっている。ボクの目的を達成する準備は、あと一歩で終わる――君たちが、ボクに付いてきてくれたら、終わるのさ」


 なにが言いたいのか。源一郎も璃子も警戒を解かないが、ヘクトールは二人へ語り掛けた。「こんな世界でいいのか」と。


「レムレースの掲げたオパーズによる社会統治。あれが成っていれば、こうしてボクがあれこれと準備しなくて済んだ。まぁ過去のことはいいか。重要なのは、これからのことだ」


 ヘクトールはこのまま人間の下で過ごしていくのかと、二人に問う。


「ボクたちオパーズは、人間より強い力を持っている。だけど人間の数に負ける。さて問題。この状況を変えるにはどうしたらいいか」


 二人は黙ったまま、顔を見合わせる。ヘクトールも、流石にこれだけでは解けないからと、ヒントを出した。


「力ならボクたちが勝っている。だけど、人間は数で対抗してくる。なら、どうしたら、数という力を覆せるか」


 粗暴な源一郎は見当もつかない。しかし璃子は、ヘクトールへ答えを出した。


「人間をオパーズにすればいい。そういうことかの」

「大正解! 流石は妖狐。長く生きていないね」


 子供の様にはしゃぐヘクトールだが、璃子は問う。どうやってオパーズを増やすのか。


「生半可なことでは無理じゃろう。それで、どうするのじゃ」


 そこまで言うと、源一郎が止めた。


「お前、まさかヘクトールに味方する気か⁉」


 動揺する源一郎へ、璃子は冷たい視線を向けた。


「オパーズによる社会統治。レムレースの誘いは断ったが、今度は反省を生かしてのことじゃろう。ならばわっちは、ヘクトールについていこうと思う――これ以上、人間相手に下手に出るのは、ウンザリじゃからな……!」


 璃子の瞳が刃物の様に鋭くなった。燃え上がる炎のようだと、源一郎は恐怖すら覚える。源一郎が璃子とタッグを組んで一か月。ここまで怒りを露にした璃子を見たことはなかった。

 ヘクトールは頷くと、源一郎へ視線を向ける。


「だってさ、鬼の源一郎君。ボクの計画通りに事が進めば、オパーズによる社会が作られるのさ」


 どうやって、と源一郎は聞いた。すると、ヘクトールは赤い気体の入る小瓶を取り出した。


「これが、ボクの切り札だよ。ようやく完成したんだ」


 それはなんなのか。源一郎が問うと、また笑う。


「吸血鬼の血液を気体状にしたものだよ。これを、全エリアにばら撒く。するとどうなるか。簡単だよね。出来損ないの吸血鬼――グールだらけになる。オパーズと見下す連中が、全てボクたちを見上げなければならなくなる」


 まるで魔法のような小瓶を、源一郎は壊そうかとも思った。だが、それは璃子によって止められる。


「その話、乗らせてもらおうかの。小賢しい人間どもに、鉄槌を食らわしてやるわ」

「ああ、その言葉を待っていたよ! 共に化け物の社会を創ろうじゃないか!」


 そこまで話が続き、源一郎は二人から視線を向けられる。すぐに答えを出さなくては、殺される。


「お、俺は……」


 源一郎は、確かに人間が憎い。しかし、全てではない。ルーカスのように平等に接してくれる人がいることを知っている。それを璃子へ言うが、鼻で笑われた。


「所詮は、わっちらを利用するためだけのものじゃ。お主もオパーズだと虐げられたくなければ、わっちらと共に来るのじゃ」


源一郎は、少なからず人間を信じている。けれども、この二人と戦えるかといったら、無理だ。

 迫ってくる二人に、源一郎はやけくそ気味に叫んだ。


「俺はっ――!」



~~~




 面会室から出ると、すぐにルーカスが駆けつけてきた。なにかわかったのかと聞くので、急ぎ足で歩きながら一つずつ説明する。


「まず、散発的な吸血鬼事件の原因がわかった」


 驚いて口を挟もうとするルーカスを遮り、そのまま続ける。


「使われているのは、吸血鬼の血を含んだガスだ」

「ガスだと? そんなもので吸血鬼になるのか?」

「おそらく大量に吸い込まなければグールになる――俺も開発に携わったからわかる。この前の事件でアニエスが使っていたのも、おそらくそれだろう」


 メネスが嘘をつくことも、確信を得ていないことを言うなどもあり得ない。ルーカスはそこを承知で、「ならどうすればいい」と急かした。

 アニエスのことを思い返し、メネスは口にする。


「ヘクトールは、そのガスが詰まる瓶をオパーズたちに配った。エリア中のオパーズをリストアップして、一人ずつ持っていないか確認しろ」

「滅茶苦茶なこと言いやがるな……ああクソ、わかったよ! 今すぐ動かせる奴らを二つに分けて捜査させる!」

「それとは別に、ガスマスクをありったけ用意しろ。手段はわからないが、ヘクトールは全エリアにガスをばら撒く気だ。だが吸わなければ問題ない」

「ったくよぉ! 次から次に!」


 愚痴を言いつつ、ルーカスはブリシア本部や消防にまで連絡をしている。人員の配置や、瓶を所持しているオパーズは、任せていいだろう。メネスがやらなくてはならないことは、ガスをばら撒くことを防ぎ、ヘクトールを見つけ出すことだ。

 メネスでなければ、戦いにならない。だからこそ、謎を解かなくてはならない。


「鬼ごっこを始める時、ヘクトールは空を見るか地を見るか」


 呟きながら、ルーカスの執務室へ。部屋の前にはアリサがいた。なにか言う前に、執務室へ連れ込んだ。


「いきなりなによ!」

「悪い、今は非常時だ。知恵を貸せ」

「またなぞなぞでも出されたっていうの?」

「似たようなものだ」


 考えなければならないことは二つある。まずは吸うだけで吸血鬼になるガスだ。ヘクトールはこれを全エリアにばら撒く気だ。それはいったいどうやって行うのか。


 それともう一つ、ばら撒く時に、ヘクトールは空を見るか地を見るか。

 すべて話すと、アリサも頭がこんがらがっているようだ。


「ええと、全エリアにガスをばら撒いて、その時にヘクトールはどこにいるか……」

「片方がわかれば、もう片方もわかるかもしれない。なんでもいい、気づいたことはないか」


 他にももっと知恵を借りたいが、源一郎と璃子はヘクトールの元にいる。ルーカスは指示を出すのに精いっぱいで、今動けるのはメネスとアリサだけなのだ。


「ちょっと、一回整理するわよ。ガスをばら撒く、これはなんとしても止めないといけないわ。で、もう片方の空と地は、まず意味からしてわからない」

「後者は解けたとしても、奴の居場所がわかるだけか……」


 どちらから考えるか。メネスとしては遺憾だが、どうばら撒くかだ。


「ただ吸わせるだけで、本当に吸血鬼になるのよね」

「ああ、間違いない。アニエスも、散発的な吸血鬼事件も、このガスを利用したものだ。奴からすれば、事を起こす前の実験だろうな」

「あれを全エリアに……でも、エリアごとに生活基盤そのものが違うわ。建物も流通も、なにもかも……」


 エリア二にしか浮遊リングがないように、エリア三にしかネオン街はない。エリア一は、混乱から人々を守るため、本部とは別系統のブリシアの特殊部隊が警戒している。

 どこも、違う。


「全エリアで共通するといえば、中央を貫く軌道エレベーターくらいだ」

「じゃあ、軌道エレベーターの中にガスを詰めて移動させれば……」

「だとしたら、エレベーターを開けなければ済む話だ」


 アリサは唸るが、ふと窓から軌道エレベーターを見た時、「あっ!」と、なにかに気づいた。


「とにかく吸わせればいいのよね! なら簡単よ!」


 アリサは窓の外を指差す。そして、胸を張って言った。


「あのパイプを通せば、全エリアに行き渡るわよ!」


 軌道エレベーターに沿うよう繋がる、外気排出用のパイプだ。浮遊都市という体の隅々まで血管のように伸び、外気や排気ガスを吸収して下層へと伸びている。利用できそうだが、メネスは難しい顔をする。


「パイプに通しても、空獄から排出されるだろ」


 ガスを流したとしても、そのまま排出される。爆発物なりで破壊しても、全エリアのパイプを爆破するにはどれだけの量が必要か。

 しかし、アリサは簡単だと得意げに言った。


「壊せばいいじゃない」


 壊す? とメネスが聞けば、正確には破裂だと言った。


「まず空気清浄機が吸い込むのは、外気も含めて車とかのガスよね。閉鎖された浮遊都市に必要のないものは全部吸い込まれる。でも、それの限界がきたら? パイプが吸収できる許容量を超えたらどうなるか」


 アリサは窓から見える、軌道エレベーターと共に全エリアを貫くパイプを指差した。


「いい? アタシはエリア一に住んでたからよく知ってるけど、あそこのパイプは、まずエリア一で外気や排気ガスを一呼吸分も残さずに吸い込むの。そこから各エリアの管理センターを通して、エリア中から集めた外気を吸い込んでいく。あとは空獄まで下って、外へ向けて排出する。なら、排出口を封じたら?」

「排出口は空獄の真下……そこを塞げれば、パイプを内側から破裂する、か?」


 そんなことは可能なのか。聞くと、アリサは空獄の造りについて説明する。


「空獄の排出部分は、緊急時に備えて閉められるようになってるのよ。ガスを流す役割と空獄の蓋を閉じる役割。ヘクトールを抜いても、二人でも協力者がいれば可能よ」


 協力者――レムレースに賛同した誰か……いや、今オパーズたちはルーカスが一人残さず調べている。ヘクトールがそれを読んでいないとは思えない。今、ヘクトールに賛同し、協力するのは――


「まさか……!」

「なにかわかったの?」


 少し待つように言った。エミリーの言葉も思い出しながら、考えをまとめ、言葉にする。


「源一郎と璃子は、奴の手先になっている可能性が高い」

「なんですって?」

「エミリーが言っていた。二人は今、ヘクトールの元だと」

「ちょうど二人……」

「エミリーが手紙を出した時点で、ここまで読んでいたんだろうな。この浮遊都市社会に嫌々従うオパーズ二人――源一郎と璃子を仲間にし、その役目を全うさせるために」


 メネスに近い者をわざわざ選んだのだろう。これもヘクトールの復讐だ。

 メネスは状況を整理するため、一枚の紙にペンを走らせる。太いパイプと地面を這うように伸びるパイプ。各エリアの空気清浄機。それと空獄の蓋だ。


「空獄で蓋をして、上からパイプが破裂するまでガスを流し込む。すべてのパイプは破裂し、一気にばら撒かれる」


 手段はわかった。誰がやるのかもわかった。だが、肝心のヘクトールはどこにいるのか。愉快犯の極みであるヘクトールが、長年の夢と復讐が叶う瞬間に、立ち会わないわけがない。ガスを流し込むエリア一か、排出する空獄にいるだろう。


 一番上と、一番下だ。そのどちらかに――


「待てよ……?」


 上と下。空と地。空を一望できるエリア一と、地が見える空獄。

 ヘクトールなら、エリア一にいるか、空獄にいるか。


 メネスはアリサの意見すら聞かず、黙考する。この二年間、追ってきたヘクトールならどちらにいるか。


(奴が、計画の最後に空獄から見上げるか?)


 ヘクトールは狂人であり、人殺しだ。とてもではないが、メネスにはなにを考えているのかなどわからない。

 ただ一つわかることがあるとすれば、ヘクトールは愉快犯だ。このようなガスをばら撒く計画を練るのは、劇場型の犯罪者とも言える。


 下から――空獄から上を眺めているわけがない。ヘクトールなら、エリア一からすべてを見下ろすだろう。混乱に包まれる浮遊都市社会を、天辺から見る。

 答えがわかった。時を同じく、ルーカスも駆け込んでくる。


「ガスマスクは外に回る奴には配り終えたぞ! そっちはどうだ!」


 ちょうどいいところに来た。メネスはヘクトールがエリア一に現れると言おうとして、執務室へブリシア隊員が駆けつけてきた。興奮気味に口を開く。


「ヘクトールが空獄に現れました!」


 一人のブリシア隊員に、全員が釘付けになる。ブリシア隊員は、何枚かの写真を見せた。

 空獄に、ヘクトールの姿がハッキリ映っている。

 こうして現れたということは、ヘクトールは下から地を見る――空獄から見上げる気だ。ルーカスはすぐに、無線で指示を出している。


「動ける奴は空獄へ急行しろ! スーツを忘れるなよ!」


 ルーカスの一声に、支部は騒然とする。人々が忙しなく行き来する中、メネスは愕然としている。

 あのヘクトールが、そんな終わらせ方をするのかと。それに、二年間追ってきた相手は、こうも簡単に監視カメラに映ってしまう間抜けなのかと。


「なにしてるメネス! お前も空獄に来てくれ!」


 メネスは答えようとして、口を噤んでしまう。急かすルーカスの声を黙らせると、エミリーの取り乱した姿が浮かんだ。



「答えを全て知ったところで、あなたにはなにもできない。一人として残さず吸血鬼になる! いくらあがいても、あなたにはなにもできない! ヘクトール様を超えられない! それを特等席で感じてもらうはずだったというのに! それこそが、最高の復讐だったというのに! まだこんなところで詰まっている!」



「復讐――特等席――」


 もし、ヘクトールがメネスに復讐するのなら、ガスをばら撒くまでだ。その後では、エリア中がグールか吸血鬼になり、外からの有毒な大気が流れ込み、浮遊都市は機能しなくなる。吸血鬼――いやグールでも、外の外気を吸っても平気なので、ヘクトールによる新たな社会が創られる。そこまでやられては、メネスは完全に敗北したあとだ。


 それを、特等席とは呼ばないだろう。

 ヘクトールはもっと、タチが悪い。メネスが完全なる敗北に落ちていき、手出しができない状態にする。それこそが、ヘクトールにとっての最高の復讐なのだ。


 だんだんと、ガスマスクをしたブリシア隊員たちが、空獄へのエレベーターへ向かっている。アリサも箒と杖を手に、準備は整っているようだ。


 そんな中、メネスは思考を止めない。ヘクトールという謎の答えを、突き止めようとしている。

 二年間の集大成だ。エリア一か、空獄か。二つに一つ。賭けには出られない。確証が必要だ。ここでヘクトールを超えられなければ、全てが終わるのだから。


「なに難しい顔してるのよ」


 アリサが言えば、メネスは考えていることを並べていく。


「俺はヘクトールを二年間追ってきた。ブリシアも一部の部隊だろうが、追っていたはずだ」

「だからなんだっていうのよ」

「よく考えろ、おかしいだろ。二年でようやく外見の特徴がつかめた相手が、この場で姿を現すか? 奴の計画が成る寸前――普通なら、物音ひとつ立てないだろ」

「愉快犯だからじゃないの? そもそもなぞなぞなんて持ち出したのはヘクトールよ?」


 ぐるぐる頭を回すメネスへ、アリサはとっとと行くわよと急かす。


「しかしやっと終わるのね。なぞなぞ遊びはウンザリだわ」

「遊び……」


 一問目も二問目も、ヘクトールからしたら遊びならどうなるか。別に答えに意味はなく、あったとしても、自分に害のないものだとしたら。

 さらに言うなら、ヘクトールにとって復讐相手であり、同等の力を持つメネスへ、自分の居場所を教えるか。


 もし、なぞなぞが本当に遊びで、答えを導くものではなく、こちらへの誘導だとしたら――


「最高の復讐が叶う舞台を、俺のために用意した……俺が止めに入ることもできないような、復讐のための舞台……」


 エミリーの言葉、源一郎と璃子、ヘクトールの性格、復讐心。もしそれらにより考えた復讐法を、メネスへ最悪のタイミングで突きつけるとしたら――


「……アリサ、一つだけ信じてほしいことがある」


 今更なんだとアリサは言うが、メネスは二年間追ってきたヘクトールがいるだろう居場所を口にした。

 なぜ? と、問うアリサだが、ヘクトールなら、そうするだろうと確信が持てた。


「手を貸してくれるか」


 事情を簡単に説明すると、ため息を吐いたアリサは、もうここまで来たらつき合うと了承した。


「なら、いくか――エリア一へ」

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