12月20日 学校鬼ごっこ(ゲーム)
篠木のことを見ると、あの日言われたことを思い出してしまう。これほど自分にささる言葉はないだろう。俺は、この言葉だけを信じて行動することにしたのだった。
ー12月17日ー
篠木「そう言えば、私が進路どうするか知ってる?」
俺 「いや、知らないけど」
いきなりどうした、コイツ。
篠木「実は、私大学行くことにしたんだ」
俺 「ふーん」
篠木「ふーんって、なによ」
俺 「いや、最初から行くと思ってたし」
"BIG3"であるコイツが大学に行かないなんて考えられなかった。
篠木「そっかぁ。知らなかったのか」
俺 「何が?」
篠木「私が大学に行かない噂」
そんな噂あったんだ。
俺 「知らないよ」
篠木「まぁ、人のことなんてどうでもいいよね」
俺 「うん」
篠木「素直に言わないでよ」
自分で言った篠木自身が笑っていた。
俺 「なんで、そんな噂流れたの?」
篠木「いや、本当に行く予定なかったから」
俺 「そうなの?」
篠木「うん。私の家お金なくてね」
そうなんだ。そんな風には、検討もつかない。みんなが"BIG3"と呼ぶだけにもっと凄いモノだと考えてしまっていた。
篠木「私も、所詮普通の人間よ」
俺 「そんなことないよ」
篠木「ありがとう。でも、いいんだ。普通の人間だ」
どこか、篠木の言葉に重みがあるように感じた。正直、この先何があるかはわからない。でも、篠木だけは変わらないでいてくれるような気がしたのだった。
俺 「鬼ごっこは、いつ終わるの?」
篠木「んーとね、、、、、、、、、、、」
篠木は、スマホの時間を確認している。
篠木「今が、30分だから、後10分かな」
俺 「あと、10分もあるのかよ」
篠木「長いよね」
俺 「うん」
だんだん俺の集中力も切れてしまっている。
篠木「いつも、白州くんは何をしているの?」
俺 「ゲーム」
篠木「あぁ、ゲームね」
俺 「ゲームしか興味ないよ」
いつも、他のことに興味をもてといろんな人から言われるけど、興味がないものはない。
篠木「凄いよね、ゲームに対する興味が」
俺 「そうか?」
篠木「そうだよ。白州くんは、そういう方面に進んだ方がいいね」
俺 「どういうこと?」
そこには、真っ直ぐ私の方を向いた篠木七海がいた。




