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12月12日 資料

 

 俺   「昨日出してきたよ」

 お母さん「あっ、そう」


 お母さんはしつこかった。俺が身の回りをできないことをいいことに次から次に聞いてくる。説明するのも、本当にめんどくさい。


 俺   「出したんだから、もういいだろ?」

 お母さん「よくないから」


 語気を強めて答えた。これ以上何があるというんだよ。


 俺   「なんで?」

 お母さん「早くどこ受けるか決めなさい」

 俺   「別にいいじゃない。どこでも」


 受けるところなんて決めれるわけがない。だって、ほとんどがテキトウに決めたんだから。正直、どうだっていい。


 お母さん「何言ってんのよ。どこ行くかによって、学費も変わるでしょ?」

 俺   「、、、、、、、、」


 学費ねぇ。ていうか、進学せずに就職すればよかったかな?今になって後悔してきた。


 お母さん「今のままだったら、万が一学費が払えないなんてこともあるんだから」

 俺   「まぁ、それはしょうがないよ」


 学費なんて払える方が凄いんだから。別に払ってもらえなくても何も思わない。


 お母さん「しょうがなくないわよ。人生かかってるんだから、ちゃんと考えなさい」

 俺   「じゃあ、決まったら言うわ」


 とにかくこの場から立ち去りたかった。こんなところに30分も40分もいてられない。早く自分の部屋でゲーム実況の動画を見ようと思った。


 お母さん「いつ決まるのよ?ほっといても決まらないから聞いてるんでしょ?」

 俺   「決めるって言っても、行きたいところも見つからないし」


 納得いかない表情でこちらの方を向いてくる。そんなに怒らないでくれよ。


 お母さん「じゃあ、テキトウにでもいいから決めなさい」

 俺   「わかったよ。どうなっても知らないから」


 この際、この場から去れるならなんでもいい気がしてきた。正直、今考えてもたかが知れてる。だったら、出願のギリギリまで悩むことにしよう。


 お母さん「明後日までに3つ決めて持ってきなさい」

 俺   「3つ、、、、、、、」


 俺が持っていった進路は、全部で10あった。その中から3つに絞るなんてな。決めてもらう方がよっぽど楽だった。


 俺   「じゃあ」

 お母さん「明後日だからね、明後日」


 何度も強く言うお母さんは、本当に鬱陶しかった。そんなに言わなくてもわかっている。忘れる前に言ってくれよ。

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