12月3日 結末
結局、この前の結果は先生に見つかってしまったがお咎めはなかった。これは、彼らにとってよかったのだろう。けど、なんでそういう結末になったのかはよくわからない。
直也「いつもの元気がないな?」
俺 「この前のケンカが長引いたんだよ」
直也「何、それ?」
これは、直也に言っていなかったことだった。
俺 「この前、喧嘩に巻き込まれたんだよ」
直也「ケンカ?」
俺 「ああ」
あんなこと、これまで生活していて初めてだった。真顔で宝来に脅されるし、帰らしてもらえないなんて。
直也「お前がやったのか?」
俺 「いや、違う。俺は、巻き込まれたんだ」
なかなか理解してくれない。
直也「なんだよ、さっきから巻き込まれたって言ってるけど」
俺 「そのままだよ。俺は、関係ないのに、無理やり絡まれたんだよ」
無理やり絡んできたアイツらの罪は重い。
直也「誰に?」
俺 「宝来。知ってるだろ?」
直也なら、宝来のことは知っていると思っていた。ここだと有名なんだ。
直也「ああ。聞いたことあるよ」
俺 「やっぱり有名なのか?」
思った通り知っていた。決して、宝来のことが好きではないけど、普通に逆らうことはできない。
直也「たぶん、宝来は有名だな」
俺 「やっぱ、そうなんだ」
俺は、ゲームをつなぎながら、新しいステージに入った。
直也「聖徳は、BIG3と沢田、宝来、橘とかが有名だな」
俺 「そうなんだ。名が知れてるんだな」
直也「淮南でも聞いたことあるだろ?」
俺 「いや、全く知らないな」
全く知らない。誰だよ、淮南の生徒。どんな人がいるかなんて興味すらない。
直也「ホントかよ」
俺 「ホントだよ」
新しいステージに入り、さらに進めていく。
直也「玉森とか聞いたことあるだろ?」
俺 「いや、ないな」
聞いたことがあるような、ないような。なんとも言えなかった。
直也「ないのかよ」
俺 「どんな奴なの?」
淮南高校にどんな奴がいるかなんて、俺が生きていて知る必要がないことなんだよな。
直也「この前まで、サッカー部だったよ」
俺 「サッカー部なんだ」
宝来や沢田たちと同じかぁ。けど、俺は知らない。俺は、興味関心の差が激しい。興味ないやつのことは、とことん知らない。これからも、俺のそんな姿勢は続くだろう。




