10月6日 ケンカ
今日は、朝からクラスのみんながもめていた。何やら、ケンカが起きているらしい。私が来た時には、女子の佐藤と男子の横山が言い合いをしていた。この二人がもめているのではなく、どうやら発端は、他にある様子だった。
まだ、佐藤や横山は言い合いをしていたが、私はいつものように席に着き、シャープペンシルで遊んでいた。
ノートを取り出し、シャープペンシルで落書きを書き始めた。今日は、ゲームのキャラクターを描いていた。『スノークラフト』というゲームを描くために、ランドーマンというキャラクターをスマートフォンで探していた。
スマートフォンを触っていると、机の椅子が倒れる音がした。前を見てみると、椅子が倒れており、前には、中村もしゃがみこんでいた。どうやら、さっきの椅子が倒れる時に、中村も突き飛ばされたらしい。よくわからないけど、俺には関係なかったので、再び、ノートに目を向けてランドーマンのキャラクターを描いていた。全体像は、5分ほどで描くことができた。次は、目を描こうとして、スマートフォンに目を向けた。
すると、目の前が真っ暗になった。そして、いつもの視界に戻った時には、俺は、椅子から落ちて膝を打ってしまった。俺がこけた衝動に伴い、ランドーマンを見ていたスマートフォンも落ちてしまった。俺がこけたのを見て、横山が駆け寄ってきた。
横山「白州、大丈夫か?」
俺 「は?」
横山の顔を見ていると、無性にイラっとしてしまった。そんなことを考えていた次の瞬間には、俺の右手は、横山の顔面に突き刺さっていた。そして、今度は横山の胸ぐらを右手つかんで、俺の首近くまで引っ張った。左手で横山の右腕を捕まえた。胸ぐらをつかんだ右腕を左腕の脇に入れるようにした。すると、横山は、俺に投げ飛ばされてしまっていた。
投げ飛ばされた横山を見ると、「やってしまった」ことに気がついてしまった。俺は、どうしてもスイッチが入ると周りが見えなくなってしまう。自閉スペクトラム症独特の間隔なんだろうか。そんなことを考えていると、横山は、俺の方を見てきた。
すると、すぐに襲いかかってきた。俺の顔に、右手と左手で殴ってきた。これで、終わりかと思っていると、今度は右足で俺の横腹に蹴りを入れてきた。不意をつかれた俺は、しゃがみこんでしまった。俺と横山がやりやっているのを見て、野球部の橘が止めに入ろうとした。
しかし、その橘を振りはらい、横山は俺の胸ぐらを掴んで、また、右手、左手で俺の顔面を何度も叩いてきた。今度は、橘と山下が横山の体を押さえつけてきた。騒ぎが大きくなってきたこともあり、担任の先生もやってきた。
そして、いつものように俺は、先生に呼び出しをされ、1時間がぐらい説教をされたのだった。