11月18日 宙
どこか宙に浮いている。そんな感覚だった。こうしたことはよくある。何か聞こえてくるけど、何が聞こえてるかよくわかってない状況。俺の特性上仕方がない。こういうのと上手く付き合っていかないとな
篠木「ねぇ、聞いてる?」
俺 「‥‥」
篠木「ねぇってば」
俺 「‥‥」
篠木「もう!!!」
俺 「‥‥」
ようやく、俺は我に返った。目の前には、怒り心頭の篠木がいた。何か言われていることはずっとわかっていたが、そこに注意を向けることが難しい。俺は、篠木の顔を見た。
俺 「なに?」
篠木「何じゃないよ」
俺 「ん?」
聞き返してくる姿を見てイラッとしたみたいだ。
篠木「私の話聞いてた?」
俺 「いや、聞いてない」
素直に話をした。
篠木「聞いてよー」
俺 「悪い、悪い」
たしかコイツが話してた内容は、、、、、、、、。
篠木「もう!」
俺 「何の話?」
怒られると長くなるから質問を返した。
篠木「だから、卒業制作の話だよ」
俺 「あー、それね」
聞いている風は装ったけど、全然ピンときていない。なんなんだろう、このよくわらない時間は。
篠木「白州くんは、何に入る?」
俺 「何でもいいよ、別に」
篠木「それじゃあ、困るよ」
バッサリ切られた。勝手に俺の意見をきるなよ。
俺 「なんで?」
篠木「だって、決めてくれないと私入れないよ」
なぜ、入れないのか?俺は、理解できなかった。
俺 「じゃあ、先入ったらいいじゃない?」
篠木「私、生徒会入ってるからダメなの?」
コイツ生徒会入ってるんだ。知らなかったな。でも、前聞いたっけな?
俺 「なんで?」
篠木「そういう決まりなの」
俺 「そういう決まりっておかしいでしょ」
納得できず反論した。
篠木「え?」
驚いたみたいだ。
俺 「そういう決まりですって言われて。はい、そうですかって納得できないよ」
おそらく、俺が悪いのだろうけど、今日はひけない。俺は、篠木の話に耳を傾けなかった。
篠木「なにそれ」
俺 「もういいよ。俺は、空いてるところにテキトウにいれといてくれたら」
これ以上話をすることはやめた。
篠木「ちょっと、待ってよ」
俺 「じゃあ」
篠木が呆れる前に、こっちが先に呆れてやった。俺は、高校3年生にまでなって、まだこんなことをしてるのか。つまらないな、本当に。




