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11月15日 ミス

 あれから、親に怒られてはいない。怒られてから、まだ24時間も経っていないから当たり前なのかもしれないのだけど。俺は孤高の人間のようであるかのように、何もかも面倒で、何もかも面白くなかった。

 相変わらず、小学校からずっと友だちとも仲良くなれないし、勉強の成績もよくなかった。そんな俺がただ一つ、命がけで打ち込めるものがゲームだった。今日、俺が行うゲームは、最近ずっとしているファイブナイト。操作するキャラクターは、俺にとって現実よりもリアルな存在だった。

 そろそろ勉強しようかな?なんかゲームの熱が冷めてしまった。俺は、コントローラーをおいて、窓際にある机に腰かけた。なんか、勉強を始めようと思うと眉間にしわを寄せてしまう。机の上には、これまで全く片付けなかったしわよせがきている。文房具やプリントが散乱している。やっぱりやる気がなくなってしまう。どうしようかな?

 とりあえず、このやる気が完全になくなるまでに、宿題だけでも手をつけることに決めた。宿題に必要な文房具だけをとって、残りの物をすべて下におくことにした。なんで、片付けなかったんだろうな?あの日の自分に対して苛立ってしまう。そして、今日出された宿題を見て、さらにやる気を吸い取られる。

 毎日、みんなこんな問題と向き合っているのか。「なんで、こんなに頑張れるんだろうか?」と思った。俺が勉強に向いてないと完全に思ったのは、中学1年生の1学期。満点近くだと思ったはずの英語のテストが70点だったことだ。間違いのほとんどがケアレスミスだから仕方がないともとれるけど、自分の特性上、勉強は諦めた方がいいと確信したのだ。あれ以来、本気で勉強に打ち込むことはやめた。

 まさに、ケアレスミスからミスに変わった瞬間だった。ここから、勉強は、ほどほどにすることにしたのだった。ゲームのためだけの道具に勉強はなってしまった。もともと興味があった社会や理解の教科もこの日を境にしなくなる。それに伴い、成績も下がってしまう。まぁ、当たり前の構造だ。俺は、ゲームができるかできないかで感情が揺さぶられるようになってしまう。

 とりあえず、椅子に座ったのだから、答えを見ながら宿題を進めていく。とりあえず、20分くらいあれば終わるだろうと必死になる。これは、今まで勉強をしてこなかった自分が悪い。なんか、よくわからないけど自己肯定感が下がっていく。それでも、、、、、。

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