11月14日 カミナリ
あぁ。うるさかったな。最近、ずっとゲームをしているからさすがに我慢ならなかったんだろう。お母さんのカミナリがなることは簡単に想像すれば、容易に防ぐことはできた。しかし、それなのにそんなことに目もくれずゲームをしていた俺が悪かった、、、。
なんて、あるか。いつでも俺の邪魔をしてくるお母さんが悪いに決まっている。俺は、全然、納得していなかった。俺はは深く息を吐き、一瞬目を閉じた。そして、指先を鏡の如く光って、神経を集中させてコントローラーを握る。さっきまでの座り方をリセットするかのように、座布団の上に座った。今日も前からプレイしていたファイブナイトのゲームに没頭していた。
こんな感じで毎日ゲームをしていると時間の感覚も鈍ってしまう。一日2時間とは決められているものの、お母さんがいなければ何時間もプレイしていることは日常茶飯事だった。友だちにはわかってもらえないかもしれないが、周りの音が耳に届かず、意識の狭間にいるような感覚に近かった。
今日は、どうも上手くゲームが進まない。これで、3度目のゲームオーバーになってしまった。あと、ゲーム時間は5分に触っていた。頭の中では、ここからどうするかでいっぱいだった。一つ目は、このままゲームを続ける。二つ目は、ゲームをやめる。シンプルだが、この選択肢にとても悩んでしまう。二つ目のゲームをやめるという選択肢をとるとこの後の楽しみがすべてなくなってしまった状態になる。
一方で、一つ目のゲームを続ける選択肢をとると、再びお母さんのカミナリが落ちてしまう可能性があるのだった。お母さんのカミナリが嫌ということはないが、ゲーム没収という最悪の結末にビビっていた。でも、すぐにやめるという選択肢はどうしてもとれないでいた。俺にとって、ゲームの中でクリアしたりレベルアップしたりするというのは、みんなでいう食事かをするという感覚に近い。お腹が減っているのに、ご飯を食べさせてもらえないなんて、本来おかしい。けど、そんなことは言えない。
そんなことを思いながらゲームをしていると、突然ゲームからのメッセージが俺に発せられた。プレイヤーを称える意味深い言葉だった。この瞬間、俺は自分の存在意義を再確認し、胸に強い感動を覚えた。日常生活で褒められない俺にとってはとても嬉しいことだった。次のステージに進む準備を整え、その場所から一歩も動かずに、ゲームをやり続けた。




