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11月6日 一手先

 俺は、カバンの中に教科書を詰めていた。一方、前の方には、篠木、諏訪、西畑。野間、横山、中村たちが何かを話しているみたいだった。


 諏訪「ねぇ、これからどうするの?」

 野間「やられたまま、終われるかよ」


 謹慎処分を食らった野間は、怒り心頭だった。俺は、野間に対して肯定も否定もしなかった。野間に対しては、興味もないし何を思ってもらっても構わない。でも、野間が騒ぎたてることによって、横山や中村たちもヤンチャなことをするから、俺にとってはめんどくさくなっていた。


 中村「だよな、どうにかしてやり返さないと」

 諏訪「なんか、いい方法あるの?」


 諏訪は、先生主体で動いている今の状況に納得していない。けど、どうしたらいいかわからない。


 野間「今は、ないよ」

 中村「なんか、いい方法があればやれるのか?」

  

 中村は、野間の件もあって、相当納得していないと思う。俺にとっては、どうでもいい。机の中にある教科書をすべてカバンの中に入れることができた。


 西畑「他の先生に言う?」

 諏訪「うーん。そんなんで、いけるかな?」


 俺は、カバンの中に全て教科書を入れたので、教室をあとにすることにした。


 横山「でも、今のままだとやられてしまうからな」

 諏訪「なんとかしないとな」

 西畑「そうだね。七海、なんかないの?」


 ここまで、黙っていた篠木の方に一斉に視線が変わっていく。


 篠木「今のままだと、あの先生のペースになると思うよ」


 意外な意見だった。


 横山「だろ?だからなんかしないと」

 篠木「違うよ。私たちが歯向かうことが向こうのペースになるんだって」


 思わず、俺は足を止めてしまった。


 横山「なんで、そうなるんだよ?」

 篠木「今、それ私が言ってしまうと、その対策とるでしょ?」


 篠木は、ここにいる誰よりも一手先を考えている様だった。


 横山「いいじゃねぇか。教えてくれよ」

 篠木「ごめん、それは教えられない」


 本心は違うかもしれないけど、何か考えがあるみたいだった。


 横山「なんでだよ?」

 篠木「みんなで、卒業したいから」

 

 みんな、黙ってしまう。


 篠木「私は、ここにいるみんなで卒業するって決めてるんだ。ごめんね、野間」


 篠木が謝ったのは、横山ではなく、野間だった。みんな野間のために戦っているというのは篠木も理解しているみたいだった。

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