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11月2日 BCD

 進路用紙に書かれたお母さんのサインを見ておもった。これが、俺の進む道なのだろうかと。俺は、2階の自分の部屋で宿題に追われていた。しかし、全く進まない。問題がわからないもいうより、集中が続かない。少しでも考えようとすると、別のことが頭に浮かんでくる。

 これが、ASD傾向の特性なのだろうか?この特性にもそろそろ慣れてきてしまっている自分がいた。ホントはよくないんだろうけど、怒られなれてきているし、仕方がないのかもしれない。そんなことを考えていると自然とゲームがしたくなってきた。

 今しているゲームにもそろそろ飽きてきてしまっていた頃だ。そろそろ新作のゲームがほしい。今、俺が欲しいのは、『BCD』というゲームだ。これは、怪物たちとの戦いを描いており、3日前に発売されたものだ。友だちの正田は、昨日買うことを教えてくれていた。しかし、俺は、お母さんがまったく買ってくれない。

 このゲームは、ディレクターの矢川尚気が転職した会社で作ったもので、たくさん売れなくてもごく一部のファンに向けたゲームにしたいと発言されたらしい。俺も正田も発売前からとてもワクワクしていた。矢川と言えば、ゲーム好きからしたらとても有名な人だった。

 矢川のいるゲーム会社は、ミニヨンで10万本、MVSで20万本売れることを目標にしていることがこの前スマホに書いてあった。矢川は、究極の怪物と題し、ゲーム作成の試行錯誤を重ねていく。仮想空間の中で怪獣を動かし、襲い来るモンスターと魔法使いを倒しつつ、ガチャを回していく。時折り出てくる謎を解くと新しいワールドに進むことができるという、珍しい作品となっているらしい。

 俺はすぐに買えないということもあり、スマホで口コミを見ていた。難易度が高く、マニアックさなどがあり、発売されて3日が経過したが、まだ全クリした人はいないらしい。

口コミでは、斬新な発想で好評価が多かった。これまでにない展開らしく、かなり話題を集めているとか。俺は、どうやってゲームを買ってもらうかだった。

 この話を狭山先生に言ったら、勉強して買ってもらえと言われた。そんなこと言われてもな、、、、、。俺は、シャーペンの芯を触りながら考えていた。シャーペンの芯を折る癖は、中学生の頃からずっとだった。最初は、お母さんに言われて、次は、学校の先生に言われた。挙げ句の果て、狭山先生には、キレられたことすらあった。

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