10月31日 面談
村山「どうしますか?」
俺 「進学します」
この前の面談にいなかった村山先生は、鋭く切り込んでいる。
村山「なるほど。では、どこに行きたいですか?」
俺 「なんこかはあるけど」
上手く言葉が出てこない。
村山「それは、どこですか?」
俺 「‥‥‥」
行きたい大学なんてない。
村山「わかないですか?」
俺 「はい」
村山先生が言いたいことが何なのか?よくわからないのは本音だった。
村山「白州さんは、自身の特性をどう思いますか?」
俺 「んー。よくわからない」
特性?なんだそれ?
村山「じゃあ、自身を障がいがあると思いますか?」
俺 「あるんじゃないですか」
昔から、お母さんに"障がい"について触れられてきたし、友だちからもそういう目で見られてきた。だから、なんとも思わない。
村山「それは、ほっといたらなんとかなりますか?」
俺 「知らない」
別になんともならないだろ。先生の話がだんだん長く感じてきた。
村山「私から見て、この1年間で大きく改善してないと思います。
俺 「はい」
そういや、今日ガチャ回さないと。段々、話が頭に入らなくなってきた。
村山「今のままだと、確実に進学先で苦しむと思うんです」
俺 「はい」
でも、ガチャを回すには2時間以上はかかるだろう。
村山「私の言ってることはわかりますか?」
俺 「はい」
3度目の"はい"だった。もう、完全にゲームのことしか考えられない。
村山「どうしますか?」
俺 「どうするって言われても、、、、」
はっと、現実に戻された。
村山「今のまま、進学させることはできません」
俺 「えっ?」
何を言ってんだ?コイツは。
村山「困りますか?」
俺 「当たり前だよ」
普通にツッコンでしまった。
村山「じゃあ、改善してください」
俺 「はい」
早く帰りたいな。
村山「もし、改善したくなかったら、その時は諦めてください」
俺 「‥‥‥」
この先生、本気みたいだ。
村山「私は、白州さんを特別扱いはしません」
俺 「わかりました」
特別扱いなんて、今までされてきたのだろうか?
村山「じゃあ、今日は、終わります」
先生は、立ち上がりすぐに教室を出て行ってしまった。




