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10月23日 人の気持ち

 朝から、眩い日の光が俺の目に飛び込んできていた。今日は、昨日の話通り学校を休むことにした。俺も、篠木には逆らうことができず、こうしてここにいるんだから案外チョロいもんだよなと自分自身で感じていた。

 前から感じていた人との違和感。これが、ASDならではの感覚なのか。みんなそう感じているのか。普通に、人が思えていることに共感できないことが多い。今日も何で休むんだろ?昨日、篠木が言っていたことはなんとなくは理解できるが、そんなにか?と疑問が浮かぶ。横山にしても諏訪にしても休みたいなら休めばいい。それを周りがなんとかしようっていう思考がわからない。

 昔からよく言われていた。"人の気持ちを考えろ"って。でも、自分がやる行動、やる行動が他の人にとって迷惑だったらしい。親から言われていたから、親がおかしいのかと思っていたけど、学校に入っても似たようなことを言われ続けた。特に、小学校3年生の頃の「殴られ事件」は、大変だったことを記憶に覚えている。あの頃は、誰も助けてくれなかったから自分の中で、社会に憤りを覚えていた。誰に頼るでもなく自分だけで生きていこうと思う瞬間だった。

 横山や諏訪のことを考えていた篠木や西畑は、どういうことを考えてしてるんだろう。自分には、他者の気持ちや思いを考えて行動するみたいなことがほとんどないから、どうしてもわからない。

 母には、頭が痛いと伝えた。普段、学校休まないだけに、休むことを普通に許してくれた。しかし、いつものゲーム相手である正田は、学校に行っており一般人とオンラインでするかしかなかった。でも、寝ているとゲームがしたくなってくる。そもそも頭痛で休むことにしているのにゲームをしていると母にバレる。休みといえど、意外とつまんないことに気がついた。

 俺は、枕元に置いていたスマホを除くと、クラスLINEが更新されていた。篠木からの様だ。内容を読んでみると、明日からは、登校が再開になること、野間の謹慎が明けること、先生からの説明があることの3点が書かれていた。あんな短期間でやりたいことを達成してしまうなんて。

 明日から、学校再開するなら、今日のうちゲームのやりたい欲が強くなってきた。でも、今すぐはできないし、母がいなくなる昼以降にすることを考えた。俺は、立ち上がり、部屋の扉を開けた。そのまま階段を降りて、母に朝食を準備してもらうことにした。

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